2010年6月7日月曜日

NDL国会分館見学レポート

多くの方に貴重なお時間を頂き
国立国会図書館の国会分館を見学させていただきました。

休館日に丁寧な案内を頂いたこと、
およびこのような形での公開を許可していただいたこと
改めてお礼申し上げます。

実は同時に参議院院内、参議院議長公邸も見学し、
撮影と公開の許可を頂いたのですが
まとめるのに時間がかかりそうなのでまた別の機会に。
(かなり貴重な資料になる予感)


さて、今回お邪魔した国立国会図書館国会分館ですが、
国会議事堂の4階と5階にあり(5階は書庫)、
組織としては国立国会図書館の「調査及び立法考査局」に属しています。
調査及び立法考査局の"国会向けアンテナショップ"としての位置づけであると伺いました。
国会分館長以下12人の職員で動いているそうです。

館内レイアウトを見て頂けると、

衆参両議院の間に(またがる形で)図書館が存在することが想像できるでしょうか。
席は全部で74席。
国会議員、議員秘書、国会職員、院内会派・政党職員、
行政府職員、報道関係者等の国会関係者のうち、
院の出入記章を常時帯用する方をサービス対象としており、
一般国民が使うところではありません。

通常は月~金曜の9:30~17:00が開館時間ですが
国会審議の状況により、
開館時間の繰り上げ、夜間延長、休日開館も実施。
夜中の2時でも3時でも審議があるなら開館だそうです。
すごいですね。霞が関時間という気がします。

それと資料に関してですが、収集・保存の方針は
"国政審議をはじめとする議員の活動を支援するため、
議事・法令資料、法律・政治・経済・社会の社会科学分野に重点を置いて、
一般図書、参考図書、雑誌、新聞を選書、収集している。
図書については原則として約10年分、
雑誌については一定期間(3か月~5年)保存している。"そうです。

≪データ:収集状況/平成21年度≫
図書     5807冊(購入5,223冊、納本・寄贈584冊)
       毎週100~150冊ほどの新刊を受入。
雑誌・新聞等  802種(購入416種、納本・寄贈386種。複数収集あり)
議事資料  15,100部(複数部数受入、調査及び立法考査局、国際交換用に使用)

≪データ:蔵書構成/平成21年度末現在≫
議事資料:約12,600冊
法令資料:約3,230冊
一般図書:約43,200冊
参考図書:約15,000冊
雑誌:  489種
新聞:  139種
図書の分類はNDLCを採用しており、
ほとんどが社会科学系(政治・法律・経済)の資料です。
それ以外にベストセラー、趣味、娯楽の本も少しあるという状況。

新聞のうち、国会議員の方に地元の情報を提供することを主とした
地方紙が約60紙あります。
データベースでヒットしても図表がない場合がある、
何面のどこに掲載された記事か、支持者の動き、
自治体の選挙結果を町村単位で知りたいという要望もあるため
原紙を重視しているそうです。

政治活動に必要な業界紙や政党紙も充実です。



あと朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞各紙の
連載記事、社説を切り抜きし、ファイリングしています。
(概ね5年館保存。OPACで検索もできる。)


データベースは
・D1-Law.com、リーガルベース、Lexis Nexis、ジュリストなどの法律系
・聞蔵Ⅱビジュアル、ヨミダス文書館、毎日Newsパック、
 ProQuest、OCLC ECOなどの新聞記事
・現代日本人名録、Japan Knowledge
・会社四季報、民力、SourceOECD、EIU
・大宅壮一文庫雑誌記事索引などが使えるそうです。

調査局の国会向けホームページ「調査の窓」内に
国会分館のページを設け、
国会WANを通じて(つまりインターネットから一般の人がアクセスするようにはできていない)
「国会分館OPAC」による資料検索が可能。
国会分館所蔵資料のうち、
図書約58,200冊、雑誌・新聞約640タイトル、議事資料80タイトル、
新聞連載記事切抜約19,000件が検索できるそうです。

貸出条件はこんな感じ。
貸出冊数:5点以内、
貸出期間:新刊図書は3週間、それ以外の図書は1カ月、
     雑誌・新聞(最新号を除く)は1週間、議事資料1週間



施設面でおもしろいのは
衆参両方にカウンターがあること、
議員専用の閲覧室があることでしょうか。


ちなみに議員閲覧室の中はこんな具合です。












よさそうな椅子ですね。
机どうしのスペースもあって
ここで勉強したらとてもはかどりそうです。

ソファーの後ろにあるオレンジ色の冊子ですが、
これは『調査と情報 -ISSUE BRIEF-』というもので
調査及び立法考査局の調査員の方が、
国政の重要課題について簡潔にまとめたものです。





これをもとに調査した成果を説明し、
議員の方を含めて意見交換をする「政策セミナー」を開催しているそうです。


あと電子情報コーナーもなかなか。

ここには新聞の切り抜き資料や、端末が置いてありますが


記者席、


秘書席、


などがあるというのはこの場所ならではでしょう。
でも地方自治体の議会専用図書室とかもこんな風になってるのかな?


利用状況については以下の通り。
≪データ:平成21年度の利用状況≫
開館日数240日(うち国会開会日数155日)

国会議員
・議員閲覧室の利用者数 1,219人(5人/1日平均)
・資料貸出冊数     5,074冊(21冊/1日平均)
・複写枚数       21,039枚(89枚/1日平均)
・レファレンス     424件(3件/1日平均)

国会関係者
・利用者数       49,998人(208人/1日平均)
・資料貸出冊数     21,222冊(92冊/1日平均)
・複写枚数       12,490枚(52枚/1日平均)
・レファレンス     694件(4件/1日平均)

利用者となる範囲が極めて限定的なことを考えると
利用者数はけっこう多いかも。

参考資料:国立国会図書館月報583号 2009.10 p.18-21
     見学のために作成して頂いた資料
     利用案内用リーフレット

感想:
総理大臣経験者、全国紙の論説委員なども訪れるという
場所柄かもしれませんが、
丁寧な説明をすることに慣れているという印象を受けました。

お話を伺っている時にも常に「使命・役割」を意識して
「国会・国政のために」という気概が伝わってきました。

開館時間やレイアウト(議員閲覧室の前にカウンターがある)にも
それがあらわれていて
個人的には「日本で一番緊張感のある図書館」なのではないかと思いました。
(与えかねない影響の大きさという意味でも)

見学前は、レファレンス資料がほとんどなのではないかと
考えていたのですが、それだけではないことにも驚きました。

個人的に「これは!」と思った資料はこのあたり。
月刊ニューポリシー


庶ミシュランとメシラン


議員あいさつ例文集


それ以外にも逐次刊行物やデータベースによる「最新情報」と
第1回目の議会にまで遡る「長年蓄積された資料」が存在するというのも、
国会分館ならではでしょう。

僕は正規の利用者にはなれそうにありませんが
利用できる方は大変うらやましい環境です。

全体的にとても貴重な勉強になりました。
下世話な気がするけど、
国民の一人としてはどの政党が一番勉強熱心なのかも尋ねてみればよかったかな?

0 件のコメント:

コメントを投稿