2011年3月31日木曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.8(2011.3.31)

こっそり続ける企画。今回はなかなか面白いものが揃った気がします。

ちなみに、今月この界隈でもっともホットだったネタといえば、
「Asians in the Library - UCLA Girl」関連でして、

パロディにされたり、歌にされたり、踊りにされたり
ものすごく盛り上がってますが、残念ながらここではパス。
グローバルな祭りって火がつくとおっかないなー。
__________


今回紹介する最初の動画はこちら。
東北関東大震災 福島県いわき市の図書館の様子/atsushing1993(YouTube:2011年3月13日 投稿 1分32秒)



いわきだったら震度6弱くらいかな。


一番大きな地震が起きたとき、僕自身は筑波大学図書館(図情)でDVDを見てました。

特に動揺もしなかったし、動くことも難しくはなかったけど、
カメラを回すという発想にはならなかった。

多くの人はたぶんそう。良いとか悪いとかでなく、たぶんそう。
それどころじゃないの。

多くの図書館には防犯カメラがあり、
その映像から震災時の状況を見られるでしょうけど、
それらは一般に流通しにくい映像。

これだけ大きい地震の利用者視点映像は貴重な気がしますね。



次はこれ。
Learn About Mrs. P's Magic Interactive Library

Mrs. P's magic libraryというのは、
「作品やジャンルから選べる読み聞かせビデオ集」とでも表現するべきかな。

Kathy Kinneyという女優が扮するMrs. P が読み聞かせをしてくれます。
(かなり上手いと思う。英語がわからなくても見るべき。)

収録されているのはメジャーな作品が多いみたいです。
ジャックと豆の木とか、ピーターラビットとかありました。
(手っ取り早く探すには、トップページから"View Just Videos"をクリックするといいです)


特に新しいサイトってわけでもなさそうだけど、僕は驚いたので。

日本には似たようなものないのかな?

やっぱり著作権の壁が厚いのかな? 時間のあるときに探してみることにしよう。




次は、なんだか著作権的な問題が怪しいので、
こっそり書きますが「D'Artagnan vs. Book Wheel」(YouTube)で、
book wheelが動いている貴重な映像が見られます。
三銃士の1シーンらしいです。

もはや現代で使われるとは思えない代物だから
動いているだけでなんか嬉しい。

それにしてもよくこんなシーンを切り取って流通させる気になったな…。



意外なところからも1つ。

How To Take Care of Library Books/Kestover(TeacherTube:2009年8月18日 投稿 5分38秒)



図書館から借りた本をどう扱うべきか、
子供向け教材として使えるように撮影・編集されたビデオ。

ところどころ一時停止しながら「今の行動は何が問題だったか」を
考えさせる仕様になっています。

サウンドエフェクトがかかった瞬間とか、
犬の顔が無性に面白かったのでピックアップ。

作りは簡素だし、
誰か日本語版を作ってアップしたらいいのに、と思わなくもない。




最後はNHK ITホワイトボックス

高校の情報科教員 兼 司書教諭の人に勧められた資料。

しかしオンデマンド有料配信かDVDのみでしか見られない。

第5回 WEB検索はなぜ速いのか?DVDならvol.2)が気になったのでオンデマンドで視聴しました。


時間は約24分。この回のゲストはNIIの高野明彦教授

構成としては、
・クローラ
・ページランク
・パーソナルサーチ  に焦点を当てて進行していますが、

それ以外にもインデクシング、自然言語や、
連想検索として風 [KAZE]などについても
少しずつ説明されています。


検索アルゴリズムを勉強する際の初歩とか、
司書資格をとりにくる学生には適切な難易度でしょうかね。

やっぱりNHKはわかりやすいです。あとアニメーションが可愛い。

210円払っても3日で見られなくなるというシステムだけが不満です。


もう一段階踏み込んだレベルで勉強したい!という方には
日経BPソフトプレス『体系的に学ぶ 検索エンジンのしくみ』という本がおススメです。





今月は新しい動画ばかりではなく1、2年前の動画や資料と
運よく出会ってここに並べることになった印象です。

まだまだ知らない資料が僕を待っていると思うと、楽しみは尽きませんね。


来月もお楽しみに!

2011年3月30日水曜日

戦後映画 『格子なき図書館』 を見るために

図書館史の教科書に書かれていることもある、

『格子なき図書館(Libraries without Bars)』という映画があります。


1950年にCIE(民間情報教育局)によって制作された
戦後アメリカ風図書館の機能を紹介したフィルム映画で、

日本の戦後図書館事情を理解するための資料として有名(?)なんだそうです。



兼ねてより探していた(強制的に探させていたという噂もある)のですが、

やっと視聴できる目処が着いたので記事にしたいと思います。



所蔵が確認できたのは、
東京国立近代美術館 フィルムセンターです。


所蔵といっても、フィルムセンターの所蔵検索などを使うと
引っかからないため逆に悩むことになります。
(頑張ればみつかるのかも?)


発見されたのはこれ。
発掘された映画たち2008 CIE映画選集3」というフィルム上映企画のリストの中にあるんですね。


フィルムセンター、というより国立近代美術館のウェブサイトは
デザインが良すぎるためか少々使いにくいのですが、

画面右下の方にある「Q&A」をクリックし、
「映画フィルムへのアクセスについて」という項目を見ると

"フィルムセンター映画室までお問い合わせください"という一文が見られます。


ということで電話しますが、画面左にある「お問い合わせ」という項目は罠です。


フィルムセンターの上位組織である東京国立近代美術館の「お問い合わせ先
を見て電話番号を確認しましょう。


代表番号から"映画室"に回してもらうと、

映画の研究者 兼 映像の視聴手続き等を管理をしている方 に繋いでもらえます。


そこで初めて映像視聴要件などがわかります。



館内の閲覧をするための条件は、だいたいこんな感じです。

・研究、調査の目的に限り閲覧可能(不特定多数への呼びかけ不可)
・個人からの利用申請は受けていない。今回は大学からの申請という扱いで。
・閲覧手数料は30分につき5250円。
・閲覧するときは火曜日から土曜日まで、10:30-18:30の間に予約すること。
・予約日の3週間前までに公印入りの申請書を提出する。
・申請書を確認した後に許可を出す


複製しようとした場合の条件はこんな感じ。

・1分につき1050円の手数料。
・公印入り申請書が必要
・複製物には映像全編にフィルムセンターのロゴマークをいれること



その他にも「フィルム貸与」という方法での上映会も可能なようですが

輸送時に保険をかけたり、フィルムを扱える技術者を用意する必要があったり、
よほどの気力がなければとてもできません。
事実上個人のやることではありません。




それと、ご存知の方は早い段階で疑問を持ったと思いますが、

この作品はパブリック・ドメインになっているはずのものです。
(たぶん。)


「映画の著作物」には公表後70年間の保護期間が与えられています。

ただし、これは2004年に施行された法改正を機に70年になっているだけで、

この時点ですでに著作権切れになっている映画の著作物は、
基本的に保護されていないはずなのです。


今回の作品は1950年に公表。つまり2000年には保護期間は切れるはず…。 

複製した後は自由に使っていいんじゃないの? 
インターネットに流したらダメなの? みんな喜ぶよ?


と思って尋ねたところ、

「当館としては、複製物は学内での利用を前提としておりますのでご理解ください」と。


いやはや、法ではない別の理由とは…。

デジタルアーカイブプロジェクトでも発生しない限り
自由なアクセスにはならなそうです。




そんなわけで今回は閲覧方法などを書きましたが、

来月の下旬に実際に閲覧し、月末に内容のレビューを書く予定です。


面白いとは考えにくいけど、存在意義としてはかなり興味深い1本。



きっと期待できる内容のはずです。 お楽しみに!

 

2011年3月20日日曜日

『図書の修復』というビデオ

先月見たのに記事にするのをすっかり忘れてましたが、

今回の震災で修復をする必要性に迫られた人におススメの一本がこちら。


『図書の修復 ―正しい製本の知識と基礎的な技術―』


東京都立中央図書館の企画で、平成10年に東京都映画協会が制作したVHSビデオ。

全1巻 42分 で 価格は15000円。

東京都立中央図書館の方が作業の実演を行い、解説ナレーションもついてます。




構成は以下。

___

・洋装本の名称と紙の目(縦横)の見分け方
 

・無線綴じの図書の修復
  用具、壊し作業、破れの補修、はね付け作業、
  孔あけ、三つ目綴じ作業、表紙付け作業


・カイルラッパーの作り方
  (※カイルラッパーとは、和装本を包む箱のようなモノのこと。)
  用具、材料、本の採寸、内ぶた、外ぶたを作る


・和装本の補修と和綴じ
  用具、虫損直し作業、四つ目綴じ作業


・和綴じの種類

___


基本的には「破損」の修復だと思って見るのが吉です。

メモし忘れてしまったけど、
確か「水ぬれ」とかには対応してなかったような…?


何となく修復について知りたいなら1回、
作業をまねるなら2回、見て覚える気なら3回、
目的に合わせて見る回数を変えても良さそうですね。


インターネットでちょっと検索すればわかる通り、
職員研修でも使われたりしているみたいだから、評価も高い様子。


少し関係ないけど、
YouTubeとかで「自炊」動画を見ると
修復の工程について触れられているものもみつかるかもしれません。

視聴覚資料はやや手に入りにくいからね。


図書館資料論あたりの授業でも使えるかなぁ

2011年3月17日木曜日

被災地域:福島県相馬市(追記)

ここにアクセスしてくるキーワードを見ると、
現状を知りたい人が多いようなので3/25に追記。
元々書いた記事は下の方に追いやりました。
__________

<3/25に追記>

相馬市役所の公式サイトもやっと情報が出るようになりましたが、
基本的には住民のための情報を提供することを第一にしているようです。

地震初期における現地の状況を知りたければ、
国土交通省 東北整備局の「被災された市町村の臨時掲示板」の中から、
相馬市の「3/24」をクリックすると市長エッセーを読んで確認できます。


空からの写真が見たいなら
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震による被災地の空中写真から確認するか、
東北地方太平洋沖地震 GeoEye-1衛星緊急撮影(2011年3月13日分)災害前後資料がいいと思います。


現地の情報はインターネット経由ではかなり探しにくいけど、
東日本大震災 被災地生活救援サイトなどが役に立ちます。

その他、
福島県相馬市-震災情報 @ Wiki
2ちゃんねるの福島県相馬市スレ も役に立つかもしれません。


東北道が一般車両通行可になったことを踏まえると、
自動車・通行実績情報マップも使えそうです。カーナビはものによるし。


検索エンジン(Google,Yahoo!)を使用して情報を収集する際は
"福島県相馬市" のようにダブルクオーテーションマークでくくり、
「ニュース」「1週間以内」などに絞ると効率が上がります。




「福島県」をキーワードに含めたのは、「南相馬」を引っかからないようにするためです。

ただし、県内向けの新聞記事(いちいち「福島県」と付けない記事)も
引っかかりにくくなる点には注意が必要です。


もっとも被害をわかりやすく書いているのは、
東洋経済オンラインの津波で大きな被害を出した福島県相馬市・新地町 写真レポート【震災関連速報】です。

地図があるからわかりやすいよ。

__________

まずこの地震で被災した全ての方にお見舞いを申し上げます。

今回は図書館に関係ない地震関連の私的な話です。



私は津波の被害が大きかった福島県相馬市の出身で、
直線距離で海から5km程のところに実家があります。

市内に親戚や友人などがいますが
ひとまず3親等までの身内と、
連絡をつけたかった友人の生存は確認できました。


現地の公的な組織から情報が出てこないなかで
(公務員の親戚によれば、職員総出で頑張っているとのこと)、

情報の公開を積極的に支援してくださっている方、
テレビ、ラジオやGoogleなど情報提供をしてくれている方々には本当に頭が下がります。


ありがとうございます。



聞いた範囲・調べた範囲では、以下のような状態とのこと。

・自衛隊が現地で救助活動をしてくれている
・食糧はないが、ときどき現地企業から配給がある
・給水車から水はもらえる。ただしすごい行列。
・道路もところどころ通れない
・ガソリンがなくて新聞配達もストップ。


総務省消防庁が出す【消防庁被害報第52報】に書かれた相馬市の被害、

建物全壊数:4 という100%あり得ない情報から見ても
被害の全貌が明らかでないこと、
現地の情報が混乱しているのは間違いないでしょう。


市街地は津波の被害があまりなかったはずだけれど、
ビデオジャーナリストの神保哲生さんが撮影された相馬市と南相馬市あたりの被災初期の映像
(http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/001747.php)

などを見てもやはり沿岸部は壊滅的なダメージとなっているようです。



最新の話としては、この有様です。

ようやく届いた物資は棺200個、原発事故も重なる悲痛な福島被災地、東日本大震災 http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/498bb625e6b24c8b0ff7542c90461dbc/page/1/



有難いことに姉妹都市・流山市からの支援物資などは
かなり早い段階で届いているはずなのですが、
予想よりひどかったということなのでしょう。


今は直接現地に行こうとしても邪魔にしかならなそうなので
外からの募金や物資の支援しかできませんが、

ひとまず一人でも多くの人に知って欲しくてここに書いた次第です。


ぜひ余力のある方は募金などのご支援をお願いします。
平成23年東北地方太平洋沖地震 被災や避難場所や募金情報、安否情報等まとめ



私自信は安月給ですが年収の3%を日赤宛で募金してきました。

給料が入ったらまた少し福島県に送りたいです。
いざとなったら家族・親戚を呼び寄せたいのであまり余裕はありませんが…。



それと現状もさることながら、
多くの方にご協力いただきたいのは今後のことです。



大切な家族や家を失った者、

原発周辺または福島全域で発生しうる農業・漁業・その他への風評被害の可能性、

大規模な工場の被害、道路が破壊されたことによる産業へのダメージ、

田畑の塩害、船を失った漁師、

客が来ないことによる旅館や観光産業へのダメージ、

仕事がないことによる経済的不安感(貯金があっても減る一方。もしなければ…)、

職を失う人が増えて経済が回らなくなれば、商売が成立しなくなるのも時間の問題。



少し考えただけでこれだけの問題が考えられます。


悲観的な人からは
「これからどうしたらいいんだろう… 最後には首をくくるしか…」

という喪失感からでる声も聞かれる中で、
何か生きがいになることを届けられれば、と思っています。


個人的には、こっちの中長期的な話の方が
出口の見えない不安に包まれていて辛い気持ちです。


被災地域は広範囲にわたっており
相馬だけ何とかしてもらおうというのはワガママというものでしょう。


しかしながら余力のある方には、
可能な限り今回の被災地に対し、できる形でのご支援をお願いしたいと思います。


せっかくJSTも地震関連文献情報の無料公開してくれたし、
私もいずれくる復興支援のために役立つ学術的な情報やニュースの収集と
寄付などを中心に頑張りたいです。


どうかご協力を宜しくお願い致します。

2011年3月7日月曜日

「今ならこの5000年をたったの650分で!」

「まぁ! お得ね!!」

「さらに! 同じタイトルに150分もセットでお付けしましょう!」

「最高ね!! もう信じられないわ!!」



ここまで僕の脳内イメージ

ここから現実


この3月中に、
図書館に関係しそうなビデオとかDVDを一通り見ようと考えておりまして、
ひとまず現在までに見た20時間分をいくつかの記事に分けて書きたいと思います。

(最低でもあと23時間は映像を見る予定。予想通りのヤバさ。)


今回は『書物5000年』シリーズと『本の歴史 ~5000年の旅~』をご紹介。


『書物5000年』シリーズ
丸善から出版された図書・読書のビデオ。1999年制作。
CSデジタル放送「BOOKTV大学 書物5000年」を再編集したもの。
慶應義塾大学のHUMIプロジェクトが主導している(?)


VHSビデオ1本につき50分の映像で、全13本(巻)のシリーズとなっている。

シリーズではあるが各巻に直接的な繋がりはなく、
順番も5000年間の時系列とは関係ない様子。

続編に『書物5000年Ⅱ 自然科学書は語る』(2006年制作 DVD全3巻)がある。


各巻は以下の4パートにより構成されている。

「書物の文化史」(15分~25分)
  • 慶應義塾大学の髙宮利行教授の講義映像。
  • 比較的アップで撮っているせいか、放送大学の講義映像よりも眠くなりにくい。
  • 丁寧でわかりやすく、書物や道具を実際に見せながら解説。
  • テーマ設定も興味深い。


「書物の解剖学」(5~10分)
  • 各巻のテーマに関係ありそうな資料を、落ち着いたBGMに載せて字幕解説するパート。
  • 資料の特徴と考えられる各部分をアップで撮影し、スライドショーにしたような感じ。
  • 自分の授業で使うならこのパートが中心になりそう。


「本の談話室」(15分~20分くらい)
  • ゲストと髙宮教授が対談するパート。
  • 大学の教員や、図書館の関係者、文筆家など様々なゲストが登場する。


「書物を知るための本」(5~10分)
  • 髙宮教授とゲストがそれぞれ本を紹介するパート。
  • 「参考文献」みたいな位置づけ。




総合的に見ると、
図書館司書として現場に立つためではなく、
知識や読書、技術の発展と社会への影響が知りたい人におススメなビデオ。


司書資格の科目で使うなら、ビデオを見せるより
図説 本と人の歴史事典』から資料を探した方が使いやすそうです。

個人的には歴史も好きだし書物も好きで、
見ていて楽しいんだけど、授業となると視聴覚資料は存外使いにくいものです。


それを踏まえて授業で見せたいのは以下の部分。
(図書館史で使うことを前提に。)

1巻:「書物の解剖学」42行聖書について解説。書物名は知っていても特徴は理解しにくいので助かる。
3巻:「書物の文化史」中世の写字生の生活についての講義。
4巻:「書物の文化史」印刷機の成立とワインの関係を講義。知らない人にはたぶんおもしろいはず。
5巻:「書物の解剖学」写本時代やインキュナブラの装丁を解説。
10巻:「書物の文化史」音読から黙読への変化について講義。技術の発展と行動の変化を合わせる考え方は大切。

Ⅱ-2巻:「書物の文化史」教科書や写本時代の授業形式について講義。やる気ない学生が教室の後ろの方にに座る法則は今に始まった事ではないらしい。
Ⅱ-3巻:「書物の解剖学」生物学の著名な書物を解説。『ミクログラフィア』『博物誌』『百科全書』『種の起源』など。


個人的には怪しげな機械が大好きなので
本棚の歴史』で読んで以来久しぶりに見たbook wheel(第8巻で説明あり)が最高なんだけど、仕事には使いにくいからねぇ…。

興味のある方はぜひご覧ください。



『本の歴史 ~5000年の旅~』

ひとけのない筑波大学の図書館情報学図書館でみつけたVHSビデオ。
2001年 日本図書館協会 制作 全45分。禁帯出。

対象年齢ははっきりわからないけど、小学高学年くらいからかも?
案内役のお兄さんが子どもと話しながら興味を喚起するパートと
工場などの実演映像パート(ナレーション付き)から構成されている。


細かく見ると以下のようなテーマを持つ(一部のパートは勝手に名前をつけた)。

「書写材料・文字の歴史」
  • パピルス、粘土板・くさび形文字、ばいたら、木簡・竹簡について映像を交えて解説。


「紙の作り方」
  • 和紙を手作りする方法について実演。製紙工場の映像あり。


「筆記具の歴史」
  • スティルス&蜜蝋(2500年前)、ガチョウの羽ペン(7~18世紀)、鉄ペン(18世紀)
  • 筆(紀元前200年)、紙巻き筆、平安時代の矢立
  • 鉛筆(1566~)、万年筆(1822~)ボールペン (1888~)

  などについて簡単に説明。

「印刷の歴史」
  • 円筒印章、拓本、活版印刷機の仕組みを簡単に説明。
  • DTPについての解説もある。製版フィルムやら刷版、オフセットについての説明あり。


「製本の歴史」
  • 和装本、洋装本、および本の各部の説明。
  • 洋装本の製造工程を工場のラインに合わせて見られる。
  • 丁寧に並べる→裁断→折→丁合→糸綴じ→プレス→接着剤による固め→三方裁断 という流れ。


「古書の修復」
  • NDLでの修復を5分くらいで説明。
  • 糸綴じや背、タイトル、虫食いの修復などが見られる。



子どもの演技など無理を感じる部分もあるけど、
工場のラインの映像を見るのは楽しいです。

「よくまとまったビデオ」と捉えるか、
「簡略すぎて物足りない(それぞれの説明が少なすぎる)」と捉えるかは視聴者によるかも。

個人的には、必要なことは一通り撮られていると考えています。
パピルスペンの先端が万年筆のペン先に近い形をしていることにも驚いたしなぁ。

でも子供向けな感じが随所に見られるので、
大学の講義では若干使いにくいかもしれませんなぁ。

2011年3月6日日曜日

コピペレポートとの戦い

先日99%コピペで作られたレポートと遭遇しましてね。
(語尾だけいじってあったので100%ではない)

普段はその可能性を考慮して、レポートによる採点そのものを避けているんですが、
通信課程の科目だったから避けようがありませんで…。


最終的にはコピー元のURLをコメント欄に記載し返却したんですが、

1.どこで疑いを持ったか
2.どうやってコピー元を探したか
3.URLを付けて返した理由



などについてインターネットの片隅に書いておくことで

愚痴を書きつつ、釈明もしつつ、
誰かのために役立つことを期待する、というのが今記事の趣旨です。



1.どこで疑いを持ったか

今回のケースでは、文章の流れにはふさわしくない主語が疑問のきっかけでした。

具体的には、
「図書館は○○すべきである。」という主旨で書かれた文が続く中に
「学校図書館は△△である。」と書かれたくだりがありました。


「図書館は」と表現する場合、多くは「(公共)図書館」を意味しており
今回の文章もそれらしい話(学校図書館には該当しない話)が書かれているのに、

なぜそこで学校図書館の話が出てくるのか?

なんか不自然に文脈が切り替わっているし、一応調べてみるか…? と思ったわけです。


教科書レベルでは載っていないはずの知識が書かれていることにも違和感はあったんだけど、
そこは自力で論文を読めればわかる可能性もあるので、
完成度の高さに疑いは持ちませんでした。

学生とは思えない完成度の文章だなぁ、くらい。
(自分の親より年上の方だったので、それぐらいできても不思議ではない)


発見方法としては、
「この文章××で読んだことがある!」というのが理想的なんだけれど、

本当に残念ながら、こちらも自分の研究分野以外の領域だと、
そこまでの知識は必ずしも持ち合わせていないのです。

この点は、いずれ時間が解決してくれると思って頑張るしかないのだけど。




2.どうやってコピー元を探したか

基本的には"Googleのフレーズ検索を使う"ことによって探しました。

フレーズ検索というのは、
"(ダブルクオーテーションマーク)でくくられた文字列と完全に一致する文字列を持つページを探す検索方法です。


Googleのフレーズ検索を使う   と入力して検索した場合と

"Googleのフレーズ検索を使う"  と入力して検索した場合を比べればわかるでしょう。



Google以外の検索エンジンでしかみつからないコンテンツだったら? とか
本からコピーしてる場合どうするの? とか

そんな疑問は残りますが、
コピペする人は手軽なもので済ますつもりだからねぇ。


また、この手段を使う場合は以下の3つのコツを抑えておくと良いでしょう。
  1. 検索フレーズはある程度長く(10文字くらいは入れるといいかも)

  2. ページを特定する能力の高い語(固有名詞とか)と低い文字列(例えば "について" など)を含むフレーズを使う

  3. 検索フレーズに文末を含めない(語尾をいじる程度の小細工をしてくることが多いため)

情報学の勉強をしている方は
ついでに「tf・idf」の算出方法も勉強しておくといいですね。




3.URLを付けて返した理由

レポートを採点する基準は教員にもよりますが、個人的には、
「課題に対して応えられる知識をどの程度持っているか」を重視したいと考えています。
答える というより 応える のような気がするかな。


どこまで本人はやれるのか、何を理解しているのか、
それをはっきり見せてもらわないと
僕自身が何に対して点数をつけているのか全くわからなくなってしまいます。

例えば、
「頭をまったく使わずに切り貼りした文章に高得点をつける」ということは
「切り貼りによって自然な文章ができて日本語が上手!」という意味にしかならない気がするんです。

ということで、確認に3時間かけて、
文末だけいじって切り貼りしたものであることを割り出したのです…


いやー、実に嬉しくない話だ…。


結果としてコピー元のサイトは全部で8つほど。

その中には、今話題のYahoo!知恵袋もありました。
斬新な課題設定のおかげか、「質問者=レポート執筆者」なのは間違いなさそうです。
(わかりやすいアカウントなんてとるもんじゃないよね)

困ったとき誰かに助けを求める姿勢を非難するつもりもないし、
ツールそのもののシステムや、答えた方にも罪はないと思っています。

しかし使う側にモラルが必要なのは間違いないでしょう。



そのモラルを学んでほしいし、
言い逃れなどできないことも理解してほしい、

そんな気持ちでURLを示して警告を出しました。


今担当している通信課程のシステムだと、
合格するまで何度でもレポートを提出できることになっているしね。


次に書かれたレポートから努力の証が見られたらいいなぁ。








___________________________
余談:友人と回答を共有するタイプのコピぺ

これは一度に何本もレポートを読んでいればすぐわかります。

ただし「偶然の一致だ!」と言い張られると
「構成やら参考文献やら、ここまで一致するのはおかしいだろ!」以上の事が言えません。


"状況証拠は明らかに黒だけど誰も犯罪の瞬間を見ていない"ようなもの。

「偶然の一致」を否定するだけの根拠をどう準備するかは難しい問題です。


権力を行使して、
「最終的に単位認定を行う私が駄目と判断したから駄目なのだ!」
に落ち着かざるを得なくなることが大半でしょう。

あらかじめ学生に「文章の類似度を判定するルール」を説明して、
「90%以上同じなら同じとみなす!」とか宣言するのも良いんだけど…。

本質的な解決は難しいです。


着任して一年目の時に
僕の主観で"同じ"と判断できるレポートが2本あったら、点数は2人で半分ずつに分けてもらうよ!
と学生を牽制したのも懐かしい思い出です。


レポートが100点満点だとしても、2人で分けたら50点ずつ。

単位を取得する場合60点以上必要なことを考えると、
"友人とレポートを共有してるのがばれたら確実に共倒れ"にする作戦。


ささやかながら効果はあったみたい。


理系…、というか"最終的な答えが1パターンしかない"タイプのレポートだと
きっとこうはいかないんでしょうけどね。