2010年12月24日金曜日

最近みつけた図書館関係動画?(12/24)

ついに疑問形になりました。


まずは特許庁のサイトにさりげなく存在する、意匠と商標の動画についてご紹介。
動画検索などでは見つかりにくいから書いておきましょう。


図書館でもビジネス支援・地域密着を大事にする動きがありますし
ビジネス、特に知的財産は
図書館やサービス業との親和性が高いと思っておりますので教養のためにどうぞ。

授業としては専門資料論で使うとちょっと楽しい。



2つ目はこちら。
図書館の達人 〈司書実務編8〉 新しい文化の創造をめざして
1999年に出版された"多文化サービス"のVHSビデオ。29分。
図書館サービス論の授業で使ってみました。
「多文化サービスって日本語が母語じゃない人用の資料を買えばいいんでしょ?」
みたいな考え方をしている人にぜひ見ていただきたい1本です。

「文化や習慣、言語の壁」が
一筋縄ではいかないことが伺えるストーリーになっています。
(途中で少しだけインタビューもあります)

序盤は感情だけで動こうとする主人公を見てイラッとする方もいるかもしれませんが、
それは「苦労の多いサービスだから情熱が必要になる」ということを伝えるために必要なんだと割り切って最後までしっかり見ることをオススメします。
後半は気にならないから大丈夫ですよ。

10年経ってるけどあまり古さは感じないし、いいビデオだと思います。



次はこれ。
ひとりで学べるたのしい点字
NPO法人全国視覚障害者情報提供施設協会が作成した点字教育システム。
…と書くと難しそうだけど、
中身は小学校の3、4年生あたりからを想定しているように見えます。
全体的にのんびりした空気が漂っているので、
点字を覚える必要がある人も焦らず着実に覚えるのが良いのでしょう。

Flash? 動画じゃないの? とか言われそうですが、いいのいいの。



その次は、
東京ITニュース 新しい表現 AR技術の電子教材/tokyomx(YouTube:2010.5.10投稿 3分10秒)

図書館の図の字もでない動画だけど、
教養として、新しいサービスを夢見るためにも気になっている技術。それがAR。

とは書いたものの、公共図書館などではたぶん無関係。
「見てわかる」がAR最大の特徴だと捉えると、
直接必要とされるのは「教育」「博物館」のジャンルだし
もし仮想的な本棚を作ったとしても大きなメリットはなさそうだし…。


電子図書館と真逆の思想だし、手間の割にいまいちだけど、
IKEAのARカタログみたいに
図書館用品の会社がARカタログを作ってくれれば便利かな?



次は文部科学省チャンネルから。
目指せスペシャリスト in 虎ノ門:文部科学省/mextchannel(YouTube:2010.12.14投稿 2分56秒)


この動画と図書館は、直接的には何の関係もありません。

しかし、
彼らのような成長を目指す人の裏側に図書館は存在しているんだろうか?
という疑問が頭をよぎったので貼っておきました。

図書館の実務者でもなく研究者でもない僕ですが、
このブログを始めてから
図書館がどのような潜在能力を持っていて何ができるのかを
常に考えているような気がします。

これはもしかして… 恋!?



最後にちょっとしたニュースを1つ。
少し前、「日経トレンディネット」の2010年12月07日の記事として"ナクソスが定額制映像配信!デジタル戦略、クラシックレーベルならではの強みとは?"
という記事が出ていました。

ナクソスってなんだよという方は、
まずNaxosのサイト(日本版)を見たらいいと思うんですが、
実はこれ、既に音楽配信サービスとして図書館に絡んでいたりします。

ITMedeia 2008年9月16日の記事"33万曲以上を聴き放題:岐阜県の高山市図書館、音楽配信サービスを開始"とか、
カレントアウェアネスポータルの2010年11月8日の記事"広島大学図書館が音楽配信サービスの提供を開始"とかね。

動画ウォッチャーとしては
今後図書館で動画などが見られるようになるのか、
契約を結ぶ図書館があるのかどうか気になっていますが、どうなるだろうね。




さて今回も雑多な感じでお送りしました。

図書館に直接関係のある映像の割合は少ない気がしますが、
そのための「わき道」なのでご理解ください。

来年もよろしくお願いします!

2010年12月23日木曜日

今年もやってましたPimp My Bookcart

ここ2年くらいカレントアウェアネスポータルでアナウンスが出てたのに
今年は取り上げられなかったみたいで、すっかり忘れていました。

Pimp My Bookcart」というのはカスタムブックカートのコンテストイベントのことです。

主催するUnshelvedというのは、
いろいろやっているのではっきりわからないけど、
Gene Ambaum(図書館員)とBill Barnes(マンガ家)が作った、
基本的にはサークルみたいな団体…、に見えます。

ちなみにPimpの意味を英辞郎 on the WEBや、手元にあったルミナス英和辞典第2版で引くと
まったくいい意味に見えないけれど、
たぶんここでは「派手に飾りつけた」という意味で使っているのだと思われます。


2010年のコンテストの結果もおもしろいけど、
個人的には2009年の「Easy Reader」が好きです。
2009年の方がインパクトのある写真が多いので
そちらを見た方が楽しいかもね。




うーん、もし僕が作るなら、
ブックカートの横移動ぶりを考えて「カニ」をモデルにして作るかな。

ただのカニだとおもしろくないから毛ガニかシオマネキだな。
かに○楽みたいになるのはダメだ。

カニみそをとるときのように、
あの感覚で本がブックカートから取り出せるようにできると最高だな。


リアル志向でキモカワイイ(?)仕上がりが理想か。

子どもを怯えさせる効果しかなさそうだけど、逆にまたそれがいい。



いやー 僕は図書館員じゃないから遊べないんだけど、
どなたか蟹でキモいやつ作ってくれませんかね? 

2010年12月21日火曜日

宮内庁書陵部見学

宮内庁の書陵部についての概要はこちら(※パンフレットのPDF版)をどうぞ。


今回の見学は、僕にとっての恩師(学生時代の指導教官)が、
現在宮内庁所属の方(数年前、同時期に大学で教鞭をとっていた)へ
連絡をとって実現したという流れです。

そこまでしなくても閲覧はできるし、
今年は皇室の文庫 書陵部の名品という特別展が行われていたのですが、
解説を頂いて初めてわかることもあるのでとても有難い話でございます。

写真撮影はNGで、見たものをおすそ分けとはいかないけれど
メモを残しておきたいと思います。


当日15人くらいで訪問したところ、展示室のような所へ通されました。

どうも臨時的な展示室を作ってくださった様子だったけれど、
そこには

・古今和歌集(カタカナ本)
・伊勢物語 下(奈良絵本)
・信長朱印状
・解体新書 (安永3年版)
・木戸孝允宛書状(坂本龍馬記)

などなどの貴重な史料が展示ケースに収められておりました。


個人的に印象に残っているのは
発色がとてもきれいだった伊勢物語〈下〉の奈良絵本ですが、
どうも歴史家の中では展示会で奈良本を出すと
「あちゃー やってしまったかー」みたいなリアクションになるらしい。

オレンジ色がとても鮮やかでいいと思うんだけどね。
一般人的には。


それと自由にさわれる参考資料として、
「和漢圖書分類目録」や「装丁の見本」
なども置かれていたので楽しませていただきました。


書陵部発行の「和漢圖書分類目録(たしか昭和26年版)」は
書陵部の持つ史料を管理するための冊子体分類目録です。

分類目録ってのは、えーと、
ジャンルで分けられたカタログってことです。


分類形式は和漢圖書分類法です。
和漢圖書分類は初めて見たけど、
分類体系はNDCと大きく異なっていました。

はしゃぎすぎてメモしてくるの忘れたけど
「法律」カテゴリの1階層下に「天皇制」があったり
「政治」カテゴリの下に「陸軍」「海軍」があったり、
コンピュータのない時代の「通信」というカテゴリに
「鉄道」とか「無線」とか書いてあったような気もする(あやふや)。

はしゃぎすぎるのも考えもの。反省です。



装丁の見本としては
粘葉装、列帖装(綴葉装)、袋装、合綴、結び綴(大和綴)、折帖、巻物、紙釘装(していそう)などが置いてありました。


この中では唯一、紙釘装という綴じ方を初めて見たんですが、
概ね以下のような作り方をイメージしていただければわかるかと思います。

1.薄い紙を数枚用意して重ねる
2.パンチで2か所に穴をあける(普通の2穴ファイルに綴じられそうな感じで)
3.1穴に対し1本ずつ「こより」を差し込む
4.穴からはみ出ている「こより」を切断
5.「こより」を叩いてつぶす


……。 


文章力が足りないかもしれませんが、
伝わらなかったら、まあ、しょうがない、ということで。



その他おもしろかった話としては、
「国立国会図書館の支部図書館の位置付け」でしょうか。

宮内庁図書館として支部図書館に入るんだけど、人事異動などは基本的に行われていないそうです。
それだけでなく、
各省庁の支部図書館はそれぞれ独立していて、各省庁の枠で動いているんだとか。


今まであまり深く考えてなかったけど、
法令データ提供システムでいろいろ調べてみて、

「宮内庁組織令」の第二十条の第五号に「国立国会図書館支部宮内庁図書館に関すること」が図書課のつかさどる事務として書かれていることや、

「国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律」の
第三条 第1項・第2項から
「当該行政機関の職員のうちから、国立国会図書館法第十九条の規定により、専任の職員を任免する」
となること、

「国立国会図書館法」の第十九条で
「(前略)…当該各図書館長は、その職員を、国会職員法又は国家公務員法若しくは裁判所法の規定により任免することができる。当該各図書館長は、国立国会図書館長の定める規程に従い、図書及びその他の図書館資料を購入その他の方法による受入方を当該各部門の長官若しくは館長に勧告し、又は直接に購入若しくは受入をすることができる。」

と書かれていることから

確かに国立国会図書館が支部図書館を動かすというより、
各省庁で独立しているような感じは受けました。

とても勉強になりました。




公的な史料などはバックグラウンドの知識がないと楽しめないけど
最近は少し成長して楽しめるようになってきた。

うんうん。いい傾向だぞ。

TRC新座ブックナリー見学

埼玉県新座にあるTRC新座ブックナリ―にお邪魔させて頂きました。

ある図書館の方とその図書館の営業担当さん(丸善)の間で
調整がおこなわれた結果実現し、
青森、茨城、埼玉、千葉、東京などから教員も集まり
総勢10人程度の不思議な集団での見学となりました。

まずはお世話になった皆様に感謝です。


今回は先方との約束で写真は公開しませんし
(そもそも撮影の許可を頂いただけでも大変ありがたいお話)、
ノウハウに繋がりそうな話も書きません。単なるささやかな感想文です。
ご了承ください。


もし、手っ取り早く詳しく知りたいのであれば、
『丸善の装備付納品システム ご案内』というリーフレットを
お近くの丸善の営業の方にお願いすると良いかもしれません。
大学図書館・専門図書館向けだけど、写真付きでわかりやすいしね。



さて、TRC(図書館流通センター)と言えば、
図書館業界で知らない人はいないと断言してもよさそうな組織ですが、
その中でも、今回見学したのは"装備&配本工場"のようなところです。

全国の図書館などを顧客に持ち、
背ラベルやバーコードの貼付、フィルムコーティングなどを行い、
注文された本を届けるための工場です。


かの有名なamazonの倉庫に、
シールや保護フィルムも貼るような機能をつけた場所、と考えればいいかも。
(YouTubeで検索すると著作権の怪しい参考資料がいろいろでてくる。)


ただ、amazonと比べると、
「客が比較的固定されている」という特徴があるようで、
個別の図書館のニーズに合わせたサービスが行いやすいような印象を受けました。


例えば、
丸善と連携をとりながら売れ行きの予測を立て、
複本を大量に抱えつつも「返品率」「品切率」を減らす管理をするとか。

「本のどのあたりに管理用のバーコードを貼るか」という
図書館ごとに異なる複雑な情報を管理するためのシステムがある、とか。


本当は今回得た知識をありったけここに書きたいけど
そうもいかないので、以下はささやかなメモと感想。


  1. 今後TRCDは終了してインターネットによるMARCデータの配布に一本化するかもとのこと。


  2. 世界初のブックコーティング機(一時間に約60冊の本をフィルムでコーティングできるらしい)を導入。でもまだまだ完全手作業によるコーティングも多い。手作業だと、慣れてる人で1冊5分くらいだとか。つまりそれは… もしかするとブッカーのエキスパートがいるかもということ…!? だとしたらいずれ取材・撮影をお願いしなければならない気がしてきた…!


  3. 一般の方でも見学が可能かお尋ねしたところ
    「司書課程、図書館関係者の見学」「学校の社会科見学」「近隣の学校の職業体験の受入」などがおこなわれたことがあるとの回答をいただく。


  4. 丸善の営業の方に問い合わせをすれば、日程を調整したうえで見学が可能とのこと。ただ、当然ながら見学専用の部署などがあるわけではないので十分な時間を持ってスケジュールを調整する必要があります。


  5. 他大学の司書課程の先生と、お互いの学生を引き連れて共同見学会を申し込もうかという話になった。なかなかおもしろそうな企画。





CHIグループが今後どうなるかも含めて、
図書館業界・出版業界の変化に大きく関わるであろう
非常に興味深い場所でした。


今回は対象が企業で、なおかつ取材ではなく見学なので
上記のリーフレットに書かれている以上のことはここには書きませんでしたが
授業資料には何らかの形で反映させるので
ここを見た学生はドキドキしながら待つこと!

2010年12月17日金曜日

図書館情報学検定試験の結果が到着したが。

まず「合否」というわかりやすい基準がない試験でびっくり。
てっきりあるんだと思ってた。

結果として送られてくるのは、
各設問の正誤と、
分野ごとの平均と自分の正答率の差がわかるレーダーチャートであり、
得意・不得意分野、そのバランスなどがわかる、そんな試験です。


履歴書に合格と書けるようになるわけではなく、
直接的に就職に結びつくわけでもなく、
大学の教員を目指すためにも特に美味しいわけではありません。
(点数をとれないとがっかりされるだけ。デメリットの方がでかい。それと教員は「何の科目ができるか」が重視され、まんべんなく何でも知ってる、というのは求められていない様子。)


それゆえ、どの受験者層に得なのかいまいち不明瞭なのですが、
図書館司書を目指す教え子には、

「だからこそ他人との差別化をはかれるかもしれない」

つまり

「アドバンテージを得られる可能性を増やすために挑戦しないか」と声をかけました。


とりあえず採用側が
「図書館情報学を勉強しようとする心意気があることだけはわかる」
くらいは言ってくれる可能性を期待しています。(確率的には怪しいけど、、、)


そして自分がどの程度とれるのかわからない試験を
学生だけに受けさせるのも悪いし、ちょっと遊んでみました。


勉強量としては、
試験1週間前から学生に公式テキストを全部解説したくらいです。

授業の時間外はほとんど学生に説明をしてました。
かなりのハイペース付け焼刃。当然声は枯れた。
(その後過労?で高熱を出して図書館総合展行きそびれた。)



その結果がどうなるかというと、こんな感じ。


点数:42点/50点満点

順位:26位/238人中

偏差値:60.01


特におもしろみがないというか、
「すご~い?」みたいな最後に疑問符がつくような結果になりました。

教員という立場でなければ「すごーい!!」でいいかもしれないけど、
職業的に見て良いのか悪いのか…どう捉えたらいいのかよくわからない…

どうも受験対象者の属性などがわからないとピンとこないんですよ。
統計データも付けてもらいたいなぁ。
(たぶん受験地の偏りもありそう。つくば会場は平均点高そうだし?)


しかも"45点以上は成績優秀者として表彰する"みたいなことも、
なぜか成績通知と一緒に不思議なタイミングで知らされるし。

先に知ってれば話題作りのために勉強くらいしたのに…。
なぜどうにもならないタイミングでそんなことを…?




ひとまず反省点としては、
コミュニケーション論・メディア論・利用者行動論の
学者名と理論名、学説などが全く分からなかったことかなぁ。

これは学生時代に習ってない気がするうえ、
担当していない科目なのでしょうがない、けど改善だけは目指したいと思います。

それにしても、学生時代メディア論で聞いたのは、
真・善・美がどうとかって話ばかりだった気がするんだけどな…



ちなみに、もし学生に「勉強法をどうしたらいいか」と質問されたら

「テキスト掲載問題と直接関係していた問題はほとんど出てなかった。
 公式テキストを骨とし、そこから周辺領域に広げるために
 図書館情報学用語辞典とか図書館情報学ハンドブックを読んだら?
 あと図書館業界の雑誌とかニュースもチェックしておくこと。
 本気なら半年前から頑張るといいよ。
 ただしそこまでする必要がある試験かは知らない。」と返します。

個人差があるからこの限りではないけど。


それと
受験者に対しては「テスト問題はインターネット等で公開不可」と伝えられています。
ですので過去問はインターネット上には出ないはずです。

ただしその目的は僕にはよくわかりません。

今後問題を使い回すのかな?
でもそれだと、テスト問題を回収したり譲渡を禁止にしないのはなぜか?

それとも単に著作権だけを気にしてるのかな? 
いや、でもこの事業で問題作成者がそんな小さいことを気にするのは不自然すぎる。

うーん? わからない。

が、とにかく過去問はさらさないので悪しからず。
来年受ける方は頑張ってくださいね!


2010年12月14日火曜日

なんとなく自分のブログの大事な部分をまとめてみた

さりげなく右上の方をいじって、
目で見て楽しむ図書館関係資料集
というページを作ってみました。

有料・無料を問わず、並べ方にもルールがなく雑然とはしていますが
今まで僕が授業で学生に見せたりした映像などの資料集です。
(内容が古いとか、授業で使いにくかったものは含まれません。)


ページタイトルを何とつけるか真剣に悩んだ結果、
以上のような無難な感じになりました。


「映像資料集」ってタイトルも捨て難かったんですけど、
"見たらわかる"というポイントが大事なのであって、
「有料のVHS、DVDなどのリスト」だけを集めるわけではなく
それは過去になんとなく探してみた
「無料動画も含めた"映像"」というだけでもないし、
[わかりやすい](≒見てわかる)素材を集めることを重視した結果です。

学生の自習用素材としての可能性も残しておきたいし。


いや、ほんとは僕の気持ちを100%正確に表現すると、
「司書科目自主勉強型新感覚エンターテインメント・図書館関係映像等資料集成」
というタイトルになるんだけど、ここではシンプルな名前に決定。


いちおう真面目に作ったし。敬遠されたら困るし。
Bloggerの仕様で勝手にリンク作られたり大変だったし。


改善すべきポイントはまだまだありますが、
ひとまずあれで落ち着かせておきましょう。


基本的には今までと変わらず日常的に記事を投稿して、
その中から使えそうなものだけ上記のページに追記する形をとります。


今後とも宜しくお願い致します。




ついでに今まで放っておいた「構想中の企画」をつぶして
取材・見学履歴を作ってみました。

ラベルに「取材・見学記」があるんだけど、
あまり上手に使いこなせなかったせいで役に立たないので
改めて2次資料を作りました。


とりあえずこのブログの主要な軸である「映像・動画」「現地取材」「ネタ」のうち
2つまでを専用ページを作って見やすくしたつもりです。

ネタは… どうしようかな…
本当はこれが一番大事だなんて書きにくい流れだな

余裕のあるときに作ってみます。

2010年12月5日日曜日

CiteSeerXってなんだー

ちょっと技術的に気になることがあって、
CiteSeerXの技術を説明した論文を読んでいました。

外国語は得意じゃないし、
本当は日本語で書かれた論文があったら良かったんだけど、
探すよりは読んだ方が早そうな感じだったので
あきらめてこの論文を読んでみた、という流れです。


そんなわけで、ついでと言ってはなんだけど、
日本語ではCiteSeerXについてあまり説明されていないみたいなので
簡単にメモくらいしておこうかと思います。

翻訳のつもりでやってるわけなじゃないから、間違ってたらご愛嬌!


CiteSeerとは何かというところから始めますが
公式の説明では(aboutより)
「科学文献(計算機科学と情報科学が中心)のデジタルライブラリ&サーチエンジン」とされています。

イメージとしては「フルテキストも持ってる抄録・索引データベース
みたいなものでしょうかね。


簡単な歴史として、
  • 自動で引用索引&引用リンクを生成する世界初のデジタルライブラリ&サーチエンジン
  • 1997年にニュージャージー州のプリンストンにあるNEC Research Instituteで、Steve Lawrence,Lee Giles and Kurt Bollackerによって開発された
  • 2003年、ペンシルベニア州立大学の情報科学技術カレッジ(College of Information Sciences and Technology)へと管理が移った
  • 75万ドキュメントをインデックス(≒検索対象となっている件数)し、1日150万件提供する(ダウンロード数かな?)までに成長した
  • 現在はCiteSeerからCiteSeerXへとバージョンアップ

みたいなことが書いてありますね。


また、特徴をまとめると以下のようになりそうですが、
  • 引用索引の機能があり、ある文献「を」引用した文献を探すことが可能(もちろん収集対象になっていれば、だけど)
  • 被引用回数の統計もとれる
  • パーソナルサービスがあり、アラート機能等の設定可
  • インデックスされた論文からメタデータを抽出&提供(Dublin Core準拠)
  • Table Searchを使うとCiteSeerXで所蔵する文献が持つ「表」やそのキャプションなどを対象に検索ができる
  • テクニカルレポートや会議録なども収集対象
  • FAQを見ると、データのインデクシングは完ぺきではないらしい。そのためユーザが修正を行うことも。


一番の特徴は、
何といってもAutonomous Citation Indexing (ACI)でしょう。
これは「自動で学術的な文献を収集し、引用リンク&引用索引を作る」
ことができるアルゴリズムです。

要点だけ書くと、こんな感じかな?

  • ウェブを検索したり、
    メーリングリストやニュースグループのアナウンスをモニタリングしたり、
    学術出版社の出している直接的なリンクを使いながら、
    ウェブ上で取得可能な学術的ファイル(PDFやポストスクリプトの形式も含む)を探し、文献を収集する。
    (その際重複するURLの収集は避ける)


  • 自動で文献の構造を解析し、自動で引用部分などを見抜き、
    引用として記述される部分のサブフィールドを認識する。
    (文字列のどこが著者か、出版社か、タイトルかなどを機械に理解させる。その際、著者名、雑誌名などのデータベースと突き合わせたりしているらしい。同時に、引用の記述形式から機械的に読み取るのが簡単でないことも説明されている。)


  • 自動化するに当たっては機械学習の方法が使われている。
    (テスト段階でエラーは5%程度)



自動で文献を集めてきて、自動でインデクシングして、
自動で引用リンク関係を構築する、と。
(※インデクシング≒検索システムにひっかかるような形に加工すること)

そのおかげで引用統計がとれるようになっているというのも特徴ですね。


論文は10年以上も前の内容なので、
この後の変化については追加調査しないとよくわかりませんが
元々いろんなアルゴリズムを詰め込んで大規模にやってるから
そんなに大きな変化はないだろうと思います。


ちなみに、ウェブ上に放つクローラーについては、
公開されているソースコードのセットの中に
詳細な仕様らしき文献を見かけましたので
興味のある方はそれを読んだら良いのではないかと思います。
(僕は読んでないけど)


ここでの説明は割愛しましたが、
僕がACIの論文を読むことで一番知りたかったのは、
「どうやって自動で引用リンクを形成するか」という点でした。
(特に、引用記述中の著者データの抽出と同定識別方法について)

結果的に、機械的に100%の精度を出すのは無理そうだったけど
処理に関するアルゴリズムの説明はおもしろかったので、
「耐えられる」という方にはぜひおススメ。


そういえば和製引用索引のCJPは、そのあたりどうしてるんだろう?
1995年から(CiteSeerより先に)サービスを開始してるはず…?
これも気になりますね。

それと
Bibliographic Databases: Arxiv, Citeseer, Digital Bibliography
という本が今年に入って出版されていたようなので、
これを買って読んでみることにしようと思います。
(すでに積んである本はいっぱいあるのに…)

今やろうとしている研究と直接関係がないので
本当は深入りしている場合じゃない気もするけど、
知的好奇心成分の補給は積極的に心掛けないと、ねぇ?



あと基本的な使い方についても
いろいろ書いておこうかと思ったんだけど、
文字情報で説明するのが面倒くさすぎて心が折れました。

なので細かい利用法はここには書きません。

チュートリアル動画を勝手に作って
先方に公開の許可を交渉するくらいのことをやってもおもしろいけど
けっこうしんどいしね…。


あと、大学・専門図書館業界の方やその方面を目指す方は
トップページの中心あたりに書いてある「Most cited」を見ると
きっとおもしろいと思います。

詳しい統計の取り方が見当たらなかったから
はっきりとは分からないけど、たぶん以下のような感じ。

  • Documents(文献)
    収集した文献を被引用回数でランキング
  • Citations(引用)
    ここでは"引用された対象のランク"を指す。
    CiteSeerXに収録された文献とは限らず、
    「収録された文献の引用・参考文献に載っているリストを見て、頻繁に出現する文献のランクをとったらどうなるか」という結果と考えてもいいと思います。たぶんだけど。
  • Authors(著者)
  • Venue Impact Ratings
などの実数とランクを見ることができます。


Venue Impact Ratingsの所には
「based on Garfield's traditional impact factor」
つまり「従来のインパクトファクターと同じ計算方式」の
結果が書かれているわけですが、
収録範囲が違うから
Journal Citation Report(JCR)と同じ値は出ないことでしょう。

「『被引用回数』を増やすことになる、『引用をした文献』の分野・対象数」が違うはずだし。
それ以前にJCRの収録対象誌とどれほど重複するかが謎だけどね。


でも実際にJCRと比べてみてあまり違いが出なかったら、
「計算機科学領域の分野はウェブだけで完結している世界だ」
みたいなことが言えるかもしれないのかな?
それはそれでちょっと興味深いような。

ということで、気が向いた方は細かくJCRと比較して遊んでください。
きっとほんのり楽しいことでしょう。
僕はアクセス権限がありませんので…。