2013年2月28日木曜日

世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その6 Performance Rankings of Scientific Papers for World Universities編

今回はPerformance Rankings of Scientific Papers for World Universities編。

HEEACT Rankingともいわれ、
Taiwan Higher Education Accreditation and Evaluation Councilが行っていましたが、
今は国立台湾大学(National Taiwan University)の NTU Ranking という名前に代わっています。

Essential Science Indicator を使い論文数、被引用数に基づき700大学を選んだあと、
他のランキングと比較する。最終的には876大学が対象。

  • Research productivity
    • 論文数(過去11年分) [10%] ※
    • 論文数(過去1年分) [15%] ※
  • Research impact
    • 被引用数(過去11年分) [15%] ※
    • 被引用数(過去2年分) [10%] ※
    • 平均被引用数(過去11年分) [10%]
  • Research excellence
    • 大学単位のh-index(過去2年) [10%]
    • 高被引用論文数(過去11年分) [15%]
      • 各年のTop1%に入る高被引用論文の数
    • 高被引用雑誌における論文数(過去1年分) [15%]
      • Journal Citation ReportにおいてImpact Factorが各分野の5%に入る雑誌の論文数

※部分の値は各大学のフルタイムの教員数で割る。そのあたりのデータは大学のウェブサイト、各国の公的機関、Wikipediaから持ってくる。

他のランキングでは自前でデータを集めたり各国の省庁などからデータをとってくるので、
Wikipediaってのはどうなんだろうと思わざるを得ない…。


そのほか、土地・言語に依存しやすいから人文科学のデータベースであるA&HCIは使わないとか、大学の別キャンパスを考慮する仕組みにするためリサーチセンターや大学病院も含めた数値を算出するとか書いてあった。
その辺は他のランキングでも同様。

過去11年分と過去2年分をハイブリッドして最終的なスコアにしようってのもなかなかオモシロい発想だ。妥当性はよくわからないけど。
そういえば正規化の手法の解説を見かけなかった気がするがどうしているんだろう。

ランキングとしては
World Rankingの100位、ロックフェラー大学の平均被引用数がどうも異様な値になっているようで、
その理由が少々気になるくらいか。

2013年2月20日水曜日

世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その5 Leiden Ranking編

Leiden Ranking は2008年からライデン大学のCenter for Science and Technology Studies (CWTS)によって提供・公開されている。
分野差を考慮した研究機関のインパクトによる研究評価が目的。

世界の約1000大学にリストアップした後、トップ500機関が公表される(人文科学は対象外)。
2010年からインターネット上でアップデートしており、最新版も2013年の4月17日に公開予定。

分析対象となるデータソースはWeb of Scienceにインデクシングされた
ドキュメントタイプが「article」,「letter」,「review」の文献。


いわゆる「計量書誌学(ビブリオメトリクス)」といわれる学問分野の手法を
きっちり用いた感じの指標群です。コテコテです。




2011/2012の指標はそれまでのものと異なっており、大きくわけて2系統の指標が扱われています。



インパクト指標
  • P
    • 各大学の論文数
  • MCS
    • 各大学の1文献あたりの平均被引用数
  • MNCS
    • 分野、出版年、ドキュメントタイプの補正をかけたMCS
      • ※引用する回数・される回数は分野、ドキュメントタイプなどで異なるため補正をかけている
  • PPtop10%
    • 各大学における、世界のトップ10%以内にランクされる高被引用論文を出版している割合。分野、出版年、ドキュメントタイプ補正をかけた。

コラボレーション指標
  • PPcollab
    • 一つ以上の他機関とコラボした論文の割合
  • PPint collab
    • 一つ以上の他国とコラボした論文の割合
  • MGCD
    • 各大学における、論文ごとの所属機関距離(著者所属機関のうち地理的にもっとも遠い二地点の距離)の平均を計算。
      • 地理データはどこからとってきているのかよくわからない。
      • 遠ければ遠いほどワールドワイドな交流をしていると考えられる指標
  • PP>1000km
    • 各大学において1000km以上離れた共著を行っている論文の割合

また、論文はフルカウントと分数カウント(fractional count)の二つの数え方が選べるようになっています。
分数カウントとは、5人の著者が1本の論文を書き、そのうちA大学の著者が2人いる場合、
A大学がこの論文から得る得点は 2/5 = 0.4 とする数え方。
フルカウントの場合はそのような『案分』という方法をとりません。



それと、他の大学ランキングと異なり
指標に重みづけを行って合成したランキングは作りません。潔いね。




追加で具体的な方法が見たければ以下の解説論文を読むように案内があります。

The Leiden Ranking 2011/2012: Data collection, indicators, and interpretation (arXiv)

関係ないことばかりやっているので本人も忘れがちですが
本来僕はこの畑の生き物なので読みました。


文献からを補足するとこんな感じ。

  • 大学病院の研究員は病院名を書くけど大学の肩書きを書かない場合もあり、正確にカウントしきれないかもしれない。著者が明示していない場合でも大学病院は大学に含めている。
  • 2005-2009の500大学(世界トップレベル)のデータだと、3200本から61600本までの論文を生産した大学があり、平均すると1大学あたり9000論文、中央値でも6900論文生産していることになる。これはWeb of Scienceの61.3%にあたるそうだ。
  • letterは1/4点にしてカウント
  • 対象大学(論文数が多い大学)として中韓の組織が増えている
  • MCSとMNCSは相関がある(r = 0.84)。あまり変わらない場合もあるが、分野による補正をするMNCSでランクが変わる場合もある。
  • MNCSとPP10%で自己引用をのぞかずに計算してみたら、多くの大学は自己引用を無視できることが分かった
  • PP10%を5%と20%にした場合もあまり変わらない。
  • データ対象がどうしても英語に偏りがちになる所が問題かもしれない。



MNCSで第2位のゲッチンゲン大学は、
極端な高被引用論文によって上位にきているため、
Stability Interval(安定性区間)の幅が広い(ランキングを表示したときに横に広がる棒が長い)。
棒はとりうる誤差みたいなもので、
安定してよく引用される論文が多い大学ではこの区間の棒が短い。

長ければ「今の位置にいるのはマグレでは?」って話になるということです。
統計の信頼区間と同じようなもの。


東大の順位もなかなか面白くて、
Pでは世界第4位なのに、MCSでは211位、MNCSでは296位になります。

世界で5本の指に入るほど論文を生産するけれど、
引用される度合いでいえばそこまでではないということですね。

MNCS(分野差、ドキュメントタイプ差、出版年の差を補正した一本当たりの平均被引用数)でも300位くらいで、値も1.02だから、「対象となっている大学としては、ごく平均的な値」という解釈になるしなぁ。


「なぜ引用されないのか」というのは極めて難しい問題。

少なくとも今回の場合はWeb of Scienceのデータが対象なので、
Impact factorがつくような注目度の高い収録対象誌がデータソースだから、
「論文を大量に生産するけど誰も見ないところでひっそり公開した」というわけではないと思うし。

なんだろうなぁ。興味深いなぁ。


あとはコラボ指標の類は軒並みヨーロッパの大学がランク上位を占めていて笑う。
陸続き国家の方が有利なんじゃないのかなぁ。
そのあたりをじっくり眺めたら楽しいだろうか。よし暇な時にやって遊ぼう。

2013年2月19日火曜日

世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その4 QS編

前回のエントリとセットで。

元々THEを作っていたQSはQS World University Rankingsを出しています。

世界の大学をランキングした Top 400: World's Best Universities
アジアをランキングした Asian University Rankings
ラテンアメリカのランキング Latin American University Rankings
分野ごとのランキングである World University Rankings by Subject

などの種類があります。



それぞれ指標と重みづけが異なっています。

Top 400は以下の通り。
  • 学術関係者の評判 [40%]
    • あらかじめ選択されたリストから30大学を選ぶ質問をインターネットでサーベイ。
    • ただし回答者は大学に足を運んだことがあるとは限らない。
    • 最新版だと約46,000の回答があり、その分布も公開されている
  • 雇用者の評判  [10%]
    • 自前のデータベースやパートナーのネットワークを使って調べた。
    • 詳細はよくわからない。
  • 教員一人あたりの被引用数 [20%]
    • 引用のデータは過去5年分。Scopusから抽出。2011年からは自己引用を除いている。
    • 教員はteaching staffとresearch staffに分けることはないとのこと。
  • 教員/学生比 [20%]
    • 学生数は学部生と大学院生の合計
    • 各国の省庁が公開しているデータを中心に集めた
    • 公式サイトいわく、完ぺきではないまでも質を測ることができるとのこと 
  • 外国人教員比率 [5%]
    • Internationalの定義は不明 フルタイムの学生とか、教員数とか、インターナショナルスチューデント&スタッフとか、大学の情報は自前でとってくる。
  • 留学生比率 [5%]
    • 学生のうちInternationalな学生の割合
    • たぶん留学生のこと。詳細な定義はよくわからない。

アジアは以下の通り。
  • 学術関係者の評判 [30%]
  • 雇用者の評判  [10%]
  • Scopusによる教員一人あたりの論文数 [15%]
  • Scopusによる論文一本あたりの被引用数 [15%]
  • 教員/学生比 [20%]
  • 国際的な学生の比率 [2.5%]
  • 国際的な教員の比率 [2.5%]
  • 交換留学生が入って来る数 [2.5%]
  • 交換留学生が出ていく数 [2.5%]

ラテンアメリカは以下の通り。
  • 学術関係者の評判 [30%]
  • 雇用者の評判  [20%]
  • 教員あたりの論文数 [10%]
  • 教員一人あたりの被引用数 [10%]
  • 教員/学生比 [10%] 
  • 博士号もちスタッフの比率 [10%]
  • Webometiricsによるウェブインパクト[10%]
    • どのように使用しているのかはよくわからない。

アジアとラテンアメリカって単純に土地で分けられてると思ったら違うんですね。
なんでそうなるのかまるでわからなくていろいろ調べていたら、
どうやら言語圏の問題を考慮している様子。
確かにアジアはラテンアメリカと比べたら言語がバラバラだもんなぁ。

ちなみに日本のランキングが落ちてる理由について説明されていたのであわせてメモ。


分野ごとのランキングは指標と重みはTop400と同じ。


このランキングの特長とも言える評判に関しては、
不透明すぎるとか、評価する人が現地に行ったことないのに評価できるのかとかそんな話もつきもの。
個人的には良いと思うのだけど、生データは個人情報非開示で公開してくれると嬉しいですな。

でも標準偏差とか分散は公開しているし、変遷なんかも見た感じ年々改善しているようだし、
透明性については努力を評価すべきだと思う。

2013年2月18日月曜日

世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その3 THE編

今回はTimes Higher Educationが提供するTHE World University Ranking (THE世界大学ランキング)です。

2004-2009年までのQuacquarelli Symonds版(THE-QS)とそれ以降のThomson Reuters版(THE-TR)があります。

QS版については過去のものですが、
現在THEと離れたQS社がNews & World Reportと共同でWorld's Best Universities Ranking と言う形で出ておりますので、次回に。

ARWUとこれは先におさえておきたいランキングだと思っております。

ここでは
World University Ranking
World Reputation Ranking
100 Under 50
の指標等について触れましょう。


[ %]は最終的なスコアを出すときの重みです。


2012-2013のTHE-TRについてはこんな感じ
  • 国際性 
    • 外国人学生比率 [2.5%]
    • 外国人教員比率 [2.5%]
    • 国際的な論文の割合  [2.5%]
      • 各大学から公表された全雑誌論文のうち、1人以上の国際的な共著者がいる論文の割合。公式サイトの原文:the proportion of a university's total research journal publications that have at least one international co-author and reward higher volumes.のreward higher volumesの部分はよくわからない。
      • 分野によって補正する
      • 「論文の引用」指標と同じ期間(過去5年間)が対象
  • 研究
    • 同業者による評判 [18%]
      • 自前の世界的な調査。レスポンスは16000件以上。
    • スタッフあたり研究助成金  [6%]
      • 購買力平価で正規化 
      • 大学の分野を考慮する
    • スタッフあたり論文数 [6%]
      • Web of Scienceに収録された学術雑誌に掲載された論文数
      • 分野を考慮して標準化する
  • 論文の引用
    • 論文の被引用数 (学問分野により正規化) [30%] 
      • 最重要
      • 2006-2010年の5年間にWeb of Scienceに収録された論文が、2006-2011年の間に引用された回数。
      • ちなみにこの期間に600万論文が5000万回の引用を発生させているそう
      • 分野の引用回数を考慮して標準化する。
  • 産業収入 
    • academic staffあたり産業界からの収入 [2.5%]
  • 教育と教育環境 
    • 同業者による評判 [15%]
    • スタッフあたり学生数 [4.5%] 
    • 学士授与/博士授与比 [2.25%]  
    • academic staffあたり博士授与数  [6%]
    • academic staffあたりの収入 [2.25%]
      • 購買力平価


学部レベルの教育を行っていない、狭いテーマのみを教育している、
(2012-2013版の場合は)2006-2010年の間に論文を1000本(年200本)に届かない
などの組織は除外される。

ただし、工学や人文科学などの論文数が少ない分野では年間200論文いかない場合でも対象になっていることがあるらしい。


評判についての収集方法等についてはThomson Reuters Global Institutional Profiles projectのページ(http://ip-science.thomsonreuters.com/globalprofilesproject/)から確認できます。
調査対象者の分布はThomson Reuters Academic Reputation Profile Reportから確認できます。

この中ではAcademic staff (68%)、Research staff (14%) 、Senior institutional leadership (7%)、Graduate/ post-graduate student (6%)、Teaching staff (1%)、Management and administrative staff (1%)、Other position at an institution (1%)、Not currently working at an institution (2%)に分けられているし、
どうもスタッフという定義がよくわからないので、原文でacademic staffと書いてあるところはそのまま持ってきました。


各指標の値をZ-scoreで標準化してから重みづけを考慮して最終的なスコア算出&ランク付け。

Z-scoreは、(各大学の値-平均値)/標準偏差で算出。
いわゆる標準化得点、というか偏差値。各大学の各偏差値を、重みづけして合わせる。

昨年から「評判」のスコアを出すのに指数関数モデルで分析しているとか。
少数の大学に高い人気が集中することを考慮しているらしいけど、
詳しい計算方法は調べがつかなかった。論文探せば書いてあるかな。




World Reputation Rankingの場合

専門分野の中で"最も良い組織"としてノミネートされた回数を、
研究に関する評判と教育に関する評判それぞれから2:1の比率で混ぜて最終的な各大学の値にしているらしい。

ちなみに回答者は15大学に投票可能。
大学ランキングと異なるスコア計算法であり、
100機関までランキングしてあるものの50位以下の値は大差ないので10位ずつまとめて表示。



100 Under 50 の場合

50年以下の若い大学を対象にした100位までのランキング。

指標そのものは本調査と変わらない様子だが、
評判に関する指標の重みが若干減らされている(その分他の指標の重みが増えている)。
若い大学は知名度が低かったり卒業生も少ないためらしい。

日本でランクインしたのは筑波大学のみ。
旧帝国大学系に次ぐような存在感だし師範学校のイメージがあるからピンとこないし、
案外50年って長いんじゃなかろうか…。



何気にiPhone用にアプリが出されているという点もなかなか素敵なランキング。
世界の大学に興味がある人にぜひ教えてあげたいものです。

2013年2月17日日曜日

世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その2 ARWU編

今回は2003年から行われているShanghai Ranking Consultancyの
Academic Ranking of World Universities、通称 ARWU (または上海ランキング)です。

世界1200以上の大学を対象に
指標を基にしたスコアを算出してランキングをつけたのち以下のように公開。
  • 世界のトップ500大学
  • 5領域(FIELD)の各トップ200大学
    • 自然科学と数学
    • 工学と科学技術、コンピュータサイエンス
    • ライフサイエンスと農学
    • 臨床医学と薬学
    • 社会科学
  • 5分野(SUBJECT)の各トップ200大学
    • 数学
    • 物理
    • 化学
    • コンピュータサイエンス
    • 経済とビジネス

(正しい訳を考えると悩む。フィールド=領域、サブジェクト=分野、くらいの感覚でいるんだけどどうなんだろう?)


世界的な大学ランキングを探すとだいたいいつも一番最初に出てくるので
注目度はNo.1なのではなかろうかと思います。



さて、それでは方法を眺めていきましょう。

まずトップ500と、各領域、分野のランキングでは
スコアの計算方法が異なることには注意が必要。

トップ500の場合はこんな感じ。

訳は全体的にWikipediaから拝借しつつ、
公開されいているメソッドとEUAのGLOBAL UNIVERSITY RANKINGS AND THEIR IMPACT(※PDF)というレポートに記述されていた内容もあわせて書いてみました
  • 受賞卒業生の数 [Alumni: 10%]
    • ノーベル賞もしくはフィールズ賞を受賞した卒業生数
    • 受賞者の卒業した年によって計算が変わる仕組みになっている。2001-2010であれば1、1991-2000であれば0.91981-1990であれば0.8…という感じ。古い受賞者ほど少ない点数。
  • 受賞スタッフ数 [Award: 20%]
    • ノーベル賞(経済学賞も含む)もしくはフィールズ賞を受賞したスタッフ数(受賞時に当該大学に所属していたスタッフの数)
    • 受賞した年が2011年なら1、2001-2010であれば0.91991-2000であれば0.8…。なお複数の受賞者がいる場合には、賞金額の配分と同じ比率で点数をシェアする。
  • 高被引用研究者数 [HiCi: 20%]
    • トムソンロイターによって定義された21の分野において特によく引用された研究者の数
    • それぞれの分野から250人ずつ。複数の所属がある著者には直接問い合わせる。
    • データはこちらから
  • ネイチャー誌とサイエンス誌に掲載された論文数 [N&S: 20%]
    • 両雑誌に発表された論文の数
    • 過去5年間の"Article"または"Proceedings Paper"が対象
    • コレスポンディングオーサーに1、第1著者(または第1著者所属がコレスポンディングオーサーと同じ場合の第2著者)に0.5、次の著者に0.25、その他には0.1という点数をつける。
    • 人文社会系の場合、N&Sではなく他の指標で置き換えられているらしい。
  • 論文数 [PUB: 20%]
    • 前年、Science Citation Index - ExpandまたはSocial Science Citation Index(論文等を探すための引用索引データベース)に登録された"Article"または"Proceedings Paper"の数
    • SSCIでカウントされる場合は2とする。
  • 規模 [PCP: 10%]
    • 上記5つの指標の総合スコアをフルタイムのスタッフ数で割った数
    • スタッフの数は各国機関(教育や統計の省庁など)から
    • 2005年に名称が変更。それまでは、Size of Institution。

各指標の最終的なスコアは、最高値の大学を100とするように計算されます。
例えば、仮にX大学のN&S352Y大学が398(最高値)だとした場合、X大学のN&Sスコアは352/398*100=88.4となります。
つまり最高値に対する百分率で表示します。
それに各指標の重みを考慮して最終的なスコアを出してランキング。



領域(FIELD)ごとにランクを決める場合の主な違いは以下の通り。
  • 人文科学系は含まない
  • PCPは使わない
  • 工学分野ではAlumni,Awardの指標を使用しない代わりにFundという指標を追加
  • 「"各分野でImpact Factorがトップ20%に入る雑誌"に含まれる論文の割合(指標名:TOP)」が追加。各領域のトップ3大学の10%に満たない論文数しか出ていない大学はTOPを使わず、その分他の指標で代用されるらしい
  • 重みづけの比率が異なる
分野(SUBJECT)ごとにランクを決める場合の主な違いは以下の通り。
  • コンピュータサイエンスと経済分野でチューリング賞が使われる

だいたいこんなところでしょうか。


個人的にはN&Sの部分の数え方がおもしろいです。
この手の分析やる場合には「1論文につき1点になるように案分、複数著者がいる場合でも同じスコアに」というのが標準だと思っているのでそんなやり方をするなんて珍しいなぁと。


あとTOPとかで出てくる指標の再重みづけ(its weight is relocated to other indicators)がどのような仕組みで行われるのかはっきり確認できなかったけれど、
たぶんその指標を含めずに初期状態の重みに応じた増やし方をするんだろう。


今の段階ではランキングをどうしたいわけでもないので細かいことはかまわないのですが
このランキングで衝撃を受けたのは
最新版ではハーバード大学がPCP以外の指標でスコア100(つまり全部1位)だってことですかね。
指標のウェイトなんて大差ないという剛勇無双ぶり。

Alumniは性質上むこう10年そう簡単に覆るものとも思えないし、2位とのスコアに開きが大きい上、HiCi、N&Sでもそこそこ2位以下を引き離しているから将来的な備えもばっちり。

これを覆すには一流とされる大学が合併するぐらいのビッグイベントでもない限り厳しそうだな…。
ケンブリッジとスタンフォードがこれだけのために合併したら笑うのになぁ。


世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その1 ランキングの種類について

この2月、3月あたりに学術雑誌関連会社の周りをうろつく予定の僕です。こんにちは。

せっかく時間が空いているので
ちょっと面白そうなデータと戯れるお手伝いをさせていただこうという魂胆です。

作業内容はデータのチェックなので大変地味ですが
せっかくある面白そうなデータをどう使ったら研究として役に立ちそうか、面白そうか、
またはビジネスができるかなどを検討したところ

一番手っ取り早く役立ちそうなのが、大学ランキング系評価指標関連な気がしたので
改めて抑えておこうと思ったわけでございます。


世界的な大学のランキングについては関心を持つ人が多いためか
Wikipedia(世界大学ランキング-Wikipedia)に書かれていたり、
日本私立大学協会附置私学高等教育研究所から
世界大学ランキングの比較(※PDF)という研究報告書が出ていたり(2005年なので少し古い)、
国立国会図書館のリサーチナビにも「大学ランキング(海外)」という項目にもまとまっていたり、

英語版WikipediaのCollege and university rankingsという項や、
EUA(European University Association)が2011年に出したGLOBAL UNIVERSITY RANKINGS AND THEIR IMPACT(※PDF)というレポートにある程度まとまっています。


一通り読んでみたのだけれど、
指標がよく変更されるためか古くて役に立たない情報も数多くあり、
これは諦めて自分でまとめておくしかないというのも書く理由の一つです。


ただ、僕の目的は上に書いた通りなので
主に学術的な視点を含めた評価指標(論文数、被引用数がどうとか)が気になっており
卒業生の活躍状況や就職、教育評価などの指標には今のところあまり関心がありません。


そんなわけで次回以降のエントリで
以下のランキングの指標について見てみることにします。
  1. Academic Ranking of World Universities (ARWU)
  2. THE World University Rankings 
  3. World's Best Universities Rankings 
  4. Leiden Ranking
  5. NTU Ranking (Performance Rankings of Scientific Papers for World Universities)
  6. Webometrics Ranking of World Universities
  7. University Ranking By Academic Performance
  8. SCImago Institutions Rankings


ただ、世界的な大学ランキングについてまとまった資料をウェブ上で探すのは大変そうなので、
ついでに今回は取り上げないことにした他のランキングもメモしておくことにします。

こっちは詳細がよくわからないとか、関心のない指標だとかだいたいそんな感じです。

  • U-Multirank
  • EUがすすめる高等教育機関ランキングプロジェクト。2014年初めごろに出る予定らしい。詳細はまだらしいので今回はパス。
  • CHE University Ranking 
  • ドイツのCentre for Higher Education Developmentが行っているランキング。EUAの報告書では,Compact Ranking, Quick Ranking, My Ranking, Excellence Rankingなどの種類があり、多様な指標を使っている模様。しかしながらオフィシャルサイトで指標について詳しく書かれているページを見つけられなかったので今回は保留。資料によると、Excellence Rankingが一番複雑で、2段階の分析を行っている。1段階目は「足切り」で、Web of Scienceで論文が3千本載っている、各分野の平均的な引用される数より多く引用されている、ノーベル賞・フィールズ賞受賞者がいる、ヨーロッパの研究助成機関が行うプログラムに参加している…etc. などの様々な基準のうちいくつかを満たす「スター」の大学を割り出す。そこから選ばれた組織だけを対象に分析するらしい。あとCompact Rankingでは、学生や教員からの評判(6段階の尺度でアンケート)や研究資金なども見ている。
    U-Multirankに協力するようなことが書かれていたけど、どうなるんだろう?
  • U-Map classification
  • 主にヨーロッパの高等教育機関を対象に教育的な指標を中心としたスコアを視覚化しているところが新しい。方法としてはおもしろいけどパス。
  • High Impact Universities: Research Performance Index (RPI)
  • ウェブサイトが移転したかなくなったかで詳しくはよくわからずwikipedia情報になるけれど、h-indexの変化形であるg-indexを正規化してランクづけしているらしい。2010年のランクはある。g-indexはh-indexより好きなので見られないのが残念ではある。hやg以外にもjとかiとかpとか雨後の筍のようにわらわら出てた気がするけど、今度暇なときにまとまてみようかな。
  • Human Resources & Labor Review
  • ChaseCareer.Netが作っているランキング。どんな指標を使っているのかよくわからなかった。とりあえずリンク先でベスト50は見られる。"For full list of HRLR 300 and the new HRLR 500 universities ranking 2012, please contact us"とか書いてあるので、気にはなるけどめんどくさいなーと思っている。好奇心の方が勝ったら連絡してみようか…。 
  • Professional Ranking of World Universities
  • フランス語のサイト。国立国会図書館のリサーチナビによると"評価指標は世界のCEOと大学との関わりで、有名企業500社のCEOが在籍したことがある大学を調査し、独自の方法でポイント化しています。国別、大学別のランキング、また、各企業のCEOの学んだ大学一覧等を見ることもできます。"とのこと。今は手法的にあまり関心がないのでパス。 
  • Global Universities Ranking 
  • EUAの報告書から。ロシア語ヨクワカラナイデス。旧ソ連国をと他の大学ランキングの指標を参考にReitor(英語表記)という会社がランキングをしているらしいこと、だいたい毎年ランクのトップ3は変わらないことなどはぼんやり見えたものの、詳細が掴みきれないので今回は見送り。


各国のランキング各種について気になる方は上記のリンクとあわせて
リサーチナビの「大学ランキング(国内)」とか英語版WikipediaのCategory:University and College Rankingsなどをご覧になるのがよろしいと思います。


そんなわけで、全10回程度かけて気になるランキングの指標について
ちょっとだけ掘り下げていこうかと思います。



(そういえば図書館の知財関連エントリも書く予定だったけど、どうまとめていいか全く分からなくなったのでボツになりました。見つけた小ネタとしては、「ブック墓」という斬新なものが一番の収穫。いろんな疑問はあるけどググると楽しいかも。あとリコーさんが強い。攻める気満々。それと最近韓国の企業が図書館用品の特許を日本で申請しており、今後の戦略がとても気になる。)