2010年10月26日火曜日

図書館経営論で「財政」に触れる前に見るべき動画

図書館経営論という、
日本全国で学生が苦しんでいるだろう科目があります。

ここ3年観察していて、苦しむ理由は
「図書館の経営」がわからないというより、
その上位語としての「公共経営」がわからない、
またはさらに広い「経営」や「社会」がわからないように見えます。
(図書館経営がわからないだけなら「ある図書館長の一日」がおすすめ。)

こればっかりは社会人にでもならないと
なかなか厳しいかなぁと思いつつも、
わからないものを放っておくわけにもいきません。

特に経験と結びつけにくく感じているのは「財政」のようなんですが
それに関しては、実にいいものを見つけました。


財務省の「日本の財政を考える」というページの
"~財政に関する映像資料1~ 大臣になった男"(24分)です。

途中途中で説明をしてくれるザイセーちゃんの
新人公務員風なルックスの完成度とかも結構好きですが
わかりやすさと興味喚起に良いストーリー設定もわりと好きです。
省庁関係でこのクオリティはけっこう高いと思ったりします。

ちなみに"財務大臣になって予算を作ろう!"をやってからだと
学生に政治への関心も持たせることができそうなんだけど
うちの大学では、教卓からネットワークが繋がらないので無理でした。

あとこの動画はクローラーが収集できない仕様らしいので
ウェブ上での検索に引っかかりにくく、
ふと目に付いた人が見られないようで残念ではあります。

今のところ省庁関係では
警察庁サイバー犯罪対策室の情報セキュリティ対策ビデオのクオリティも好き。
そしてウェブで検索するとニコニコ動画に「ポリスチャンネル」が。
おじさんびっくりしたよ。



その他に、大学がある自治体の
規模やら政策、職員人事や財政についてまとめてみたり
市立図書館の年報を編集して
テキストに書いてあることと絡めて説明してみたりもしたけど、
こんな時こそレポート課題にすればよかったんだ、
と今気づいて少し後悔。

もちろんその時はレポートの書き方から指導しないと
結果として自分のストレスになることは間違いない。

しかし… この科目はそんなことをやる科目じゃないんだ…。
本当は入学してすぐぐらいにレポートの書き方教えてあげてほしいんだ…。
基礎と体系性を大事にしない大学はこれだからなぁ… ハァ…。

2010年10月24日日曜日

最近みつけた図書館関係動画(10/23)

新しいとは限らない、
でも図書館方面の人には役立つ可能性のある動画を
1か月に1回なんとなく探すコーナー第3回目。
いずれはちゃんとまとめ直す必要があるかもなぁ。


ディスレクシアとDAISY

図書館資料論とかに使えるね。


次はこれです。
Morgan Library Set To Reopen Building Following Renovation
MorganとはJPモルガンのことです。
NY1の記者さんは個人蔵書・部屋も取材させてくれたんだって。
独立宣言(1776年)のコピーとか持ってるらしい。
ため息出るほど豪華な図書館だ。



どうもこの1カ月の間にC-SPANというテレビ局のアーカイブに
やたら図書館人の(10年近く前の)インタビュー動画が出ている。
なんでだ? 最近アーカイブし始めたわけではないだろうに?
仮に英語がわからなくても、見てもおもしろかったりするよ。
Library of Congress sep.7 1998とか。


YouTubeで"Library Tour"がタイトルに入ってる動画は
たぶん図書館員が編集してるんだろうなぁと思いながら見ると楽しい。


同じくYoutTubeでいうと"Rare Books"(貴重書)の動画がけっこう
あがっているけど、編集もかっこいいなぁと思ったのは

Rare Books Library Tour - Part One


Yale大学のLaw School所蔵の資料や簡単な歴史などの紹介。
Rare Book RoomのRare Book Librarianとかかっこいい肩書だなぁ。
日本でも貴重書紹介ビデオとか作ったらいいのに。
いや、あるのかもしれないけどよく知らないんよ。



その他今回はالمكتبة(アラビア語の"図書館")で
中東系の図書館動画を探してその様子を見てみた。
例えばこんなのとか。

قاعة القراءة في مكتبة الإسكندرية



見てわかる通り特に驚くようなことはなかった。
すごい図書館だとは思うんだけど、
文化の差を感じないので特に驚きはしない。
たぶん資料の並べ方がちょっと違う程度なんだろう。

英語の動画をアラビア語に訳した動画(著作権的にセーフかどうかは知らない)も見かけたので、
やはり言語の壁を超えるのは大変なんだろうという感じはあったかな。


ふーむ、今までは何となく
月に一回Googleの動画検索で探していたけど
("Library"を検索語にすると1カ月で約3万件くらいの動画が出てくる)
もう少し毎回テーマを絞って集めた方が効果的な気がしてきた…。

うん。そうしよう。

近況

ここ最近は

  • 前期に授業を教えていた学生の姉(他大の既卒)が出版業界に就職するにはどうしたらいいのかと、なぜか突然訪ねてきた話


  • 学生向けに図書館情報学用の資料を選定・購入することになったのはいいが、学科教員の職務怠慢により選定期限が2日しかなく、その間に30万円分の資料(1冊2千円とすると150冊分)探すはめになった話


  • 勤務先の大学の図書館でパート募集したときの採用基準裏話


  • 通信課程担当の苦労話(愚痴)


などなど書いておきたい話がいろいろあったものの、
英語論文の全訳を試みたらあっというまに時間が過ぎてしまった。

普段英語論文を読むとしても流して読んでることが多いし
大学院のときには「2週間で法律系英文40ページをまとめてきてね」とか
ざらで全訳なんていちいちやってられなかったわけで、
かなり久しぶりだった。

せっかく学生に戻るんだしと思って
基礎スキルを鍛え直すためにチャレンジしたけども、

前置詞が憎いとか、
日本語だったら1文が長すぎて怒られるレベルなのにずるいとか、
むしろ日本語の勉強になるとか、
読むスキルと書くスキルは別物であることなどを実感し、

選んだ論文(有名査読誌の論文)の
計算式応用事例が間違ってて無駄に頭を抱えたりで、
正直な所、徒労だったようだ。


とまあそんな近況ですが
研究や勉強と同時進行でこのブログのネタも考えてはいます。

外部への取材活動は
図書館総合展以降(取材交渉するために最適)に
本格化しようと考えているので

ひとまず近いうちに
  • 最近みつけた図書館関係動画
  • とある組織の新規採用(パート編)
  • 【研究者】娘さんを僕にください【評価】

などのタイトルを書く予定でございます。


いやー 充実してるっていいなぁー

2010年10月13日水曜日

金沢文庫に行ってきたメモ

先日金沢文庫に行ってきました。
といっても今回も人の企画に乗ってふらふらついて行っただけ。
学芸員さんの案内付とあっちゃあおとなしくついて行くしかあるめぇ。

ちなみに金沢文庫というのは
図書館史に登場する古い文庫なんですが、
現在はごく普通の博物館(?)として存在しています。



ちなみに最寄り駅は金沢文庫駅。


金沢文庫の成立等について詳しいことは
ネット上のどこかにあるだろうから簡単にだけ書きます。

鎌倉時代の執権として有名な北条氏と系譜を同じくしている
金沢北条家(近くの港を管理する一族)の北条実時が
基本的に他人に貸出しない「一族のみの私文庫」として
作ったとされるのが金沢文庫です。 

鎌倉の武家文庫ではあったけれど、
京都で本を借りて写したりもしてたそうな。

隣に称名寺という名の寺があり、
そこが本を管理する司書の役割を担っていたとか。

とてものどかな良い寺だった。





(寺の裏側、敷地外の写真。
一見するとのどかそうに見えるけど、反対側を向くと実は普通の住宅街。
その様子はけっこう不思議。)


蔵書としては、
政治(が多数)、農業など実務的な資料を多数集めていたが
それ以外にも物語(例えば源氏物語)などもあったらしい。
鎌倉幕府の権力が衰退すると共に
足利学校や、駿河文庫→蓬左文庫などへの資料の流出があったとされる。

この流出に関しては
時の権力者に逆らえなかったためか、
財政基盤の問題で売却したか、およそそんなところらしい。


だいたいそんな感じ。
歴史の話は厳密性が求められがちなので、
なんとなくそんな話もあったという程度に読んでいただいた方がいいですね。



そして上にも書いた通り、
今回は学芸員の方にいろいろとお話を伺ったんですが
その中で聞いた話などをメモしておきます。

聞き間違い、書きとり間違いがあるかもしれないけどご容赦ください。

学芸員さんにお話し伺う機会が新鮮だったため
金沢文庫に関係なくおどろいた話とかも書いちゃう。


  • 金沢文庫では伊藤博文と陸奥宗光のノートを所蔵している。博文は金沢文庫を復興しようとしていたんだとか。
  • 所有している資料の写真を使った出版物は納品をしてもらっている。国語の教科書の吉田兼好は金沢文庫のものだったりする。
  • 金沢文庫が所蔵していた資料には蔵書印が押されている(鎌倉幕府崩壊後に称名寺で押したという説もあるとか。)ため、日本各地に散逸した資料の所在が分かることも。研究機関等の場合はマイクロ写真本を作成させてもらうこともあるが、個人が持っていると断られたりもする。明治時代には金沢文庫の印があると売れるとかで、偽造されたものもあるらしい。マイクロ資料本は、図書館の資料組織でいうところの「物理単位」で撮られているようだ。
  • 時の権力者が書簡などとして使っていた紙(お金持ちだけあって基本的には質が良いが、お金のない時代は質が悪いらしい)は、裁断などをしたうえで、寺の僧侶が裏紙を使っていた。その紙が後年発見され、貴重な「史料」を持つ場所として有名になった。
  • 史料としては一級品のものがあり、図書館学より、文学的、博物学的に大事な場所。文選の注釈書である文選集注(国宝)などもある。文選自体は足利学校に渡してしまったため、こっちにあるのは文選集注のみだとか。
  • 附属の図書館の分類はたぶんNDC。でも図書記号が館内独自のようだった(正確な所は不明)。排列法は用途によって分かれてる様子。シリーズもの多数。公開あり、貸出なし。マイクロ写真本が書庫に多数。
  • 古書店は古書の流通をして生計を立てるので、一度入手したら市場に流通させない公立の博物館に売ることを好まない場合もあるらしい。言われてみればなるほどと思う話。




今回は実質的に博物館に行ったようなものだけど、

図書館は著作権をめぐって大変だけど、
博物館は所有権をめぐって大変なんだなぁと思った見学でした。

なかなかおもしろい収穫だった。

2010年10月9日土曜日

Blind Type に驚く

昨日ライフハッカー[日本版]の記事で
"驚異的な修正能力を持つタッチスクリーンキーボード『BlindType』"を見ました。

過去に自分が打ち込んだデータから
予測してくれるってんなら今やケータイメールにもついてる機能だしなぁ
なんて思っていたらそれをはるかに上回る高性能ぶり。

特にBlind Typeのページにある動画(下の方)の50秒近辺を見て本当に驚いた。


( ゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシ
 
(;゚д゚) ・・・
 
(つд⊂)ゴシゴシゴシ
  _, ._
(;゚ Д゚) …!?

「Ghhhhhhhh」と入力したものが… 「Accuracy」に変換されている…だと!

何があったらそうなるんだ!?


入力の修正や予測を成立させるには、
入力された文字などを手掛かりにして、
(近くにあるキーなどから文字の打ち間違いを予測するとか)
もとから持っている辞書と照合して
その類似度などから予測を行うものだと思っていたわけで。

今回の場合、それどころじゃないんですよ。


文頭であるため文脈から判断することはできなさそうだし、
入力された文字長を参考にしてる可能性はあるけど、
アルファベットの排列の近さ(例えばaとbは順番的に近い)とか
そういった情報を参考にしているとも思えない。

いったい何を手掛かりにしたらそんな修正・予測ができるってーんだ!?


驚きすぎて混乱しながら
同級生とコミュニケーションをとっているうちに
もしかしすると「h」のキーとされる範囲を
何度も押してるときの指の動きが情報として使われているのかも
って話になりました。

実際にどんな方法をとってるのかわからないけど、
例えば「Accuracy」という文字をキーボードで打ち込むときの
「A→c→c→u…」という動きでできる図形をデータとして持っておき
(ただし線には向きがつけられるのでベクトルに近いかも?)
実際にタッチ入力したときにできる図形と比べてる…とか?

文字数が近くて図形が相似だったら勝手にあてはめて修正しちゃうとか…?


まあ何にせよ物理的にボタンを押しこむことを想定していると
全く思いつかない方法で考えた発想なんだろうと思いました。

技術の進歩はすごいなぁ。

今まで誤入力の問題でiPhone買う気になれなかったけど
日本語対応したらぜひ欲しいものです。

2010年10月4日月曜日

Google Booksは、表示させないだけで全文持ってるんだと…

Google Booksは図書をスキャンして
全文テキストを持っていると思っていたんだけど、
自動で引用ネットワークを構築したりはしていないような…?

ドキュメント間の引用ネットワーク(引用する・されるという関係を表したもの)が
あれば便利なのは学術、webの世界をみても明らかだし、
ボーンデジタルか否かに関わらず
アナログ資料のデジタル化も進んでいるんだから

一つの図書をチェックする

図書内で言及されている
「図書」(Google Books内、OCLC等へのリンク)
「論文」(Google Scholar、学術コンテンツへのリンク)
「ウェブページ」(URLによるリンク)
等へのリンクが自動で表示される機能くらいあっても良さそうなんだけどな…?

別に書誌記述が著作権にひっかかることもないんだし。


うーん、でも現状でサービスが展開されてないってことは
「自然言語中に書かれた引用・参考情報を自動で認識して対象へリンクを張る」
技術がそもそも存在しないのかな?


問題になるとしたら
「図書における引用・参考文献の記述が曖昧でわかりにくく
 機械的に『引用・参考文献の部分』を認識・抽出できない。」とかかなぁ。
(論文を書くときには厳密な引用時の記述ルールがあるが、
 図書においては必ずしもそのような書き方はされていない気がする。)

箇所がわからないってだけなら
ボーンデジタルの場合は出版時にタグとかで括っておけばいいし、
アナログ→デジタルの場合でも手作業でなんとかなるんだろうけど…。
引用の記述ルールもいくつかあるから一筋縄ではいかないのか…?

箇所がわかればあとは検索して該当物を識別すれば…、
と思ったけどその識別も難しいのか。識別子が使えるとも限らないし。


現状ではテキストを選択した後に
ドラッグ&ドロップをすれば簡単に検索できるから
そこから自分で選びなさいってところなんだろうな。


ふーむ… しかし技術的に可能か否かは、
引用・参考文献を挙げるときの記述ルールについて
網羅的に詳しく調べて分析してみてから判断する必要があるな。

あとそのあたりを解決している技術の存在についても。


もしあったら、
卒論やり直したり(※)、
「分野による情報探索行動の差」を見ることで
おもしろい結果が出そうだと思ってただけで、
ないならないで別に構いはしないんだけども。


それにしても知識が足りないなぁーー



__________

(※)
僕が大学4年生で僕が書いた卒論は
「図書と論文の間で引用に差があるか」という内容。

当時の環境において、図書が行う引用情報を入手するには、
【データセットを手打ち入力で作る】という地獄のような作業をしなければならず、
(OCRは精度があまりよくなかったので使えなかった)

貧乏でパソコン持ってなかったし、
アルバイトは18:00~26:00(事実上社会人学生)だったし、
それが終わって大学に行って作業を始めても
夜中に入力対象を入手するために図書館に入ることもできないしで
卒論提出期限の2週間前までデータ入力をしていました。
(ほとんど文章を書いていなかった。)

指導をしていただいた先生はとても温厚な方なんですが
その時ばかりは烈火の如くお怒りになりまして。

当然分析内容に関しても突貫工事としか言えない完成度なので
留年を覚悟したんですが…、
(結果も、そんなに違いが出なかった気がする)
かろうじて卒業をすることになって今に至る、と。

なんていうか後悔しかない。

そして「図書が行う引用」というのは僕の中ではもう完全に黒歴史。
やり直せるというのならやり直したいという気持ちがあったりします。

テーマとしては結構気に入ってたけどね。

2010年10月1日金曜日

来年から社会人学生になるよー

合格発表から1カ月くらい経っているんですが、
実は来年度から学生になります。博士課程の。

ありがとうございます、ありがとうございます。

ここを見てくださった方が
きっと心の中でお祝いの言葉をくれたに違いないので
先に感謝の意を書いておきたいと思います。


そして来年の環境なんですが、
ひとまず今の勤務先での継続が決まったようなので、社会人学生になる予定です。

もし契約の更新がなかったら
1年はおとなしく専業の学生になるつもりだったのですが、
せっかくお金の面で助かるんだし、仕事は継続していきます。


勤務先の事務の人に
「その科目数で学生になるとか頭は大丈夫ですか?」
とか言われたけど、めげないで頑張ります。



学生という立場の利点は、

  • 学位が手に入る(頑張れば)
  • 授業が受けられる(業界の偉い先生がいろいろ教えてくれる)
  • 研究指導が受けられる(行き詰まったときに助かる)
  • 業界的に素晴らしい人脈が手に入る(ことがある)
  • 大学が持つ施設、設備が使えるようになる
  • 情報資源も使えるようになる
  • 学割も使える
  • 隠れ蓑になる肩書が手に入る

など様々です。

お金はかかるけど、
社会人になってからそのありがたみを痛感いたしました。

「どこの専門学校だよ」と言わずにはいられないくらい
勤務先の環境もひどかったしね。



ちなみに箇条書きの一番下に書いた
「隠れ蓑」ってのは僕のような心の弱い人間には必要なアイテムです。

今の仕事に就いてからというもの、

それまで比較的良好な関係だった人に
妬み嫉みを全力でぶつけられて激しい人格攻撃をくらったり、

知らない人から
「あなたは来年クビなんでしょ? クビになったらあの人をいれてね^^」
みたいなメールをもらったりと、いろいろと面倒なことがありまして…。


できるだけ教員の身分は隠しておきたいわけです。

なので研究発表の場に出る時には学生の肩書を使っていくつもりです。



ひとまず最初の3年で博士用の研究を終わらせて、
余裕ができたら学生という肩書にものをいわせて
あちこちに潜入取材を試みる、という大きな野望を胸に抱いて頑張ろう。


でも気が付いたら1年目から全力で遊んでそうだからなー

0年目からもう少し頑張っていくかー