2013年12月3日火曜日

図書館のクラウドファンディングネタとは

さて、最近は日本の図書館予算が厳しい事情もあってか、
ファンドレイジングが注目を集める時代になり、
「運営資金に余裕がないなんて言ってないで自力で確保しよう!」
というたくましい図書館もあったりなかったりするようです。


個人的には、その中でもソーシャルな集め方である
「クラウドファンディング」という手法がとても気になっていたりします。
(※ピンポイント攻撃でも絨毯爆撃でもなくターゲットがぼんやりした不思議なアプローチなので、
どのようにすれば効率が良くなるか・成功できるのか、成功要因部分にとても興味をひかれる。)


図書館のファンドレイジング・クラウドファンディングの基本的なことについては
今年行われた図書館総合展のフォーラム
「専門図書館のファンドレイジング 日米の資金調達の事例報告と今後の課題」 のスライド(http://www.slideshare.net/masakimatsubayashi3/ss-27848832)が、
資料を引用する意味で大変便利な形でまとまっているように思えたので紹介するにとどめ、
このブログでは広く事例を集めて考えてみることにします。


ひとまずウィキペディアのクラウドファンディングの項目で参照されていた文献
http://ymatsuo.com/papers/jsai11crowdfunding.pdf)をちょっと読んでみたところ、
アメリカでは200以上のサービスが存在するとか書いてあって衝撃を受けるわけですが、
そこまで頑張れないので、
この文献に載っているサービスとNAVERまとめあたりを見ながら、
図書館関係のネタを探しましょう。

個々のサービスについての説明も最小限にとどめます。

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カレントアウェアネスポータルでも夏ごろ紹介されていました。
記事はこちら「図書館員のカンファレンス参加費調達を支援するクラウドファンディングサイト?CoFundEdu(米国)
資金集めの目的が「only library related conferences」、援助希望額は最大で「2000.00 USD」ですってよ。
しかしあんまり活用されているようには見えないというか…。
カンファレンスに行かないのは金ではなく時間か気力の問題…?



図書館は片手で数えられる程度しか寄付を募っていなかった。
National Library of Walesという国立の図書館とか
Edith Cowan Universityという大学などが寄付集めをしていたが、
特にうまくいっている様子もなかった。
組織単位よりプロジェクト単位の方が資金は集めやすいかもしれない。



ケニア、ネパール、ベトナム、グアテマラ、ベリーズなど比較的小さな国で
図書館を作るための資金集めのプロジェクトなどを多数発見。
なかなかの賑わいを見せている様子。
日本の新車1台と同じ額で図書館建ったりするんだなぁ、とか
「図書館がなぜ必要か」という説明は日本人よりうまそうだなあとか考えながら見ていた。
あと日本の図書館的なものも1件だけあった。
http://www.globalgiving.org/projects/childcare-support-at-disaster-stricken-tohoku/




公立学校の先生が備品購入費を集めるためのサイトらしい。
なので主に学校図書館の話。
本とか、本棚とか、ブックトラック、ヘッドホン、検索用端末などいろいろ必要とされている。
「本の検索用にChromebookが欲しい」なんてのは贅沢な要求にしか見えないのだけれども…。
全体的にあまり盛り上がっているようには見えないが
公立学校となると「まず自治体が予算組めや」みたいな空気があるのだろうか…?
しかしながら見積りが表示されているのはいい感じ。



Sign the Petition、Donate、Pledgeなどいろいろな支援の形がある様子。
図書館ネタの数はあまり多くないらしいが、
図書館建設、アドヴォカシーの費用、刑務所で仏教教育するための支援まで内容はいろいろ。
ビデオライブラリーを作って教員を支援したい、みたいなプロジェクトもあり
実現したらどうなるものなのかとても興味深い。




本を買うため、学校図書館を建てるためなどの目的で使われている印象。
見返りの品物としては、バッジやお礼のカード、
プリントTシャツ、プレートに刻印を入れる、
子どもたちに読み聞かせをできる権利、子どもたちと一緒に写真を撮れる、
図書館のネーミングライツがもらえるなど。
いろいろあるもんだ。ネーミングライツはちょっと欲しい。



LITTLE LIBRARYの資金調達に使われている例が多数。
BIBLIOBICICLETA(http://www.kickstarter.com/projects/912201067/bibliobicicleta?ref=search)のプレゼン動画がなんか好き。
日本のミニライブラリーだとどうなるだろう?




国内で初めての購入型クラウドファンディングのサービス。
図書館を作る、本を贈る、などに活用されている。
松竹大谷図書館でのデジタル化費用獲得は成功事例としてもよく見かけます。
https://readyfor.jp/projects/ootanitoshokan2
個性的な図書館は強いのかもしれない。




社会問題対策を段階的にコンペで選抜し、実現を目指すサイト。
仕組みはITメディアのこちらの記事を読むと良さそうです
社会問題をソーシャルネットワークで解決するOPENIDEOの挑戦

直接的に図書館をどうするって話はなさそうだけど、
解決策の一つとして図書館が引き合いに出されることもあるみたい。
Reimagining the 21st Century Library
(http://www.openideo.com/open/vibrant-cities/concepting/reimagining-the-21st-century-library)なんかがその例。
『図書館を"何か"に役立てる』という応用こそ
本来図書館の専門家が頑張るべきフィールドだと思う。




8-Bit Funding(http://8bitfunding.com/)から移行した。
小さなものから大きなものまで、図書館を作る費用が求められているプログラムが多い。
館種も様々。
どちらかというと気になるのは「寄付のカテゴリー」。
Non-Profits & Charities、Community & Neighbors、
Volunteer & Service、Education & Learningなど様々なカテゴリが付いている。
図書館を作るってのは教育目的とは限らないし、コミュニティ作りとも限らない。
作ってあげようとする側もチャリティなのかボランティアなのか、
意識の持ち方も一様ではないらしい。




オーストラリア中心のクラウドファンディング。
他国への本の寄贈や映像制作などでLibraryが引っかかる。
意外にも建築がないな…。



______おまけ:図書館があまり関係なかったサイト、活動がないサイト______

  • CAMPFIRE(http://camp-fire.jp/) 探しにくいのであきらめた。
  • ShootingStar(http://shootingstar.jp/) 探しにくいのであきらめた。
  • PIECE UNIQUE(http://pieceuniqueproject.com/) →MICROMECENAT(http://micromecenat.org/index.html) サイト構築中。デザイナー用のサイトで小規模な印象だが、図書館の内装工事には役立つか?
  • motion gallery(http://motion-gallery.net/)
  • GREEN GIRL(http://green-girl.jp/)
  • Cerevo DASH(http://dash.cerevo.com/)
  • RocketHub(http://www.rockethub.com/
  • Quirky(http://www.quirky.com/):発明のアイディア販売中。必ずしも役に立たない。
  • Kiva(http://www.kiva.org)
  • Spot.us(http://spot.us/):一時終了?
  • Crowdtilt.com(https://www.crowdtilt.com/)
  • i-kifu(http://www.ikifu.org/
  • wesym(http://wesym.com/
  • cofter→なくなった
  • ドリパス(https://www.dreampass.jp/
  • myringHR(http://hr.myring.me/)→最近は更新されていないようだ
  • 東京レストランファンド(http://www.restaurantfund.co.jp/)→活動停止か
  • 夢の病院をつくろうPROJECT(http://yumenobyouin.org/)→最近は更新されていないようだ
  • ガクチャリ(http://gakuchari.jp/)→なくなった?
  • Startappme→もともと活動していない?


ソーシャルレンディングもとりあえず眺めてみる

  • セキュリテ(http://www.musicsecurities.com/)マイクロ投資。食べ物多くて楽しい。
  • AQUSH(アクシュ)(https://www.aqush.jp/)
  • maneo(マネオ) (https://www.maneo.jp/)
  • microbank→終了


なんとも流行り廃りが激しいようで…。

______終了______



今回のまとめ
  • "何故お金が必要なのか"を明確に説明できないと説得力がない。その金額を設定した根拠となる見積もりも出した方が誠実。
  • 予算獲得の際どのようにステークホルダーへ説明したら良いか悩んだときにもクラウドファンディングのネタは参考になるはず。
  • お礼をするタイプの場合、「無形で喜ばれる何か」を差し出せる事が重要だけれど、まだ改善の余地が残されている気がする。果たして価値はどのように生み出されるのか?気になるところです。
  • イニシャルコストを集めるものが多い。というか安定収益ではないのでランニングコストがかかるものは不向き。フリーのミニライブラリー(鳥小屋くらいの大きさ)を作る費用を集めるために活用するのが実績面を見ても手頃な様子。
  • 組織への援助よりプロジェクトの援助の方が直接的な使途がわかるためか盛り上がりを見せている。
  • クラウドファンディング同士、すなわち「取引場所」自体が競争にさらされている。人が集まらなければプロジェクトが集まらない。プロジェクトがなければ人も集まらない。ソーシャルな世界は数こそ前提条件であり有用性を左右する要素でもある。日本はREADYFOR?一択になるかも。mixiの興亡みたいな動きをしそうだが…。
  • 寄付されたお金で「高級品」などを買うことが許されるのか疑問。他人の金で贅沢ってわけにはいかないので単純に考えれば問題があるとも思えるが、長期的に使えば割安なものは確かに存在する。クラウドファンディングでは難しいのか…? うまく越えられる可能性もある壁だが、今回それらしい事例は見られなかった。 
  • 個性的で代替がきかない図書館、社会全体へ役に立つと思われる図書館は資金を募る動機を説明しやすそう。ではそうでない図書館が資金を獲得するにはどうしたら良いのか。そのあたりの成功事例は今回見つけられなかった。今後も注視したいところ。
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図書館屋さんに転職をした身として
「業界がしけたツラしてちゃあいけねえや!」って気持ちがあったり、
商品を売りつけるようなスマートではないビジネスも御免こうむりたい、という
バックグラウンドもあったので運営資金を増やす方法を少し調べてみました。

正直なところ路線的にはクラウドファンディング向きではない商材が多いのだけど
どこかで知識は役立つことでしょう。頑張ってみよう。

2013年9月20日金曜日

図書館がひょっこり顔をだす意外な法令たち

ちょっと前の話になるけど、パチンコ屋が出店されるのを阻止すべく、
自治体が異例の速さで図書館を建てようとしたとかで問題になってました。

これは日経新聞のウェブ版ですが、
パチンコ店予定地隣に図書館 東京地裁、国分寺市に賠償命令
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1904I_Z10C13A7CC1000/
という記事なんかが具体例です。

記事には"風営法などでは図書館の敷地から50メートル未満の範囲でのパチンコ店経営が禁じられている"などと書かれておりまして、

「図書館にそんな使い方があったか…!」

と、それはもう大きな衝撃を受けました。
結果的にうまくいってないけれど、とりあえず知識の使い方に驚かされたというか。

これはバリアなのか!? 大人のバリアは法律ではるのか! って。

まあ振り返ってみると、
教科書では図書館に直接的に関係する法律とその解説が中心だし
(教える時間が足りないからしかたないね)
他の法律でどう扱われているか(ネタとして)調べたこともなかったので
やっておこうと思います。


というわけで今回の方針。


e-gov(電子政府総合窓口)の法令データ索引システム
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/strsearch.cgi)で
なんとなく「図書館」と検索すると146件引っかかります。
そのうち司書課程のどの教科書にも必ず載ってそうな重要法令(経営的、建築的に重要な法など)、驚きがない法令は省いてリストを作ってみました。
並びは個人的に面白いと思った順です。あしからず。

基本的には法令をクリックすると、コメント部分が開くようにしてみましたが
風営法の部分だけは最初から開きっぱなしにしてあります。

____



  • 風営法


  • 今回いろいろ興味を持った発端の法律。
    風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」が正式名称で、「風適法」とも言ったりする。

    図書館の文字が出てくるところを探すと、1箇所だけみつかります。

    第二十八条第1項 (店舗型性風俗特殊営業の禁止区域等) で
    店舗型性風俗特殊営業の場合、官公庁施設、学校、図書館、児童福祉施設その他都道府県の条例で定めたものの周囲200メートルは禁止区域とされていることがわかりました。

    (それぞれの施設は別の法律で範囲が定義されている。たとえば図書館であれば図書館法の第二条1項が定義。)

    そして同第3項を読むと、先に届出を出している店舗には適用されない、
    つまり図書館を後から建ててどかせることはできない様子。

    ところがここで疑問に思うのは、
    パチンコ屋は「店舗型性風俗特殊営業」に含まれるのかということです。
    わきゃないよね、風俗営業だが性風俗じゃないもの。

    そこでD1-Law.comというデータベースを使って詳細を調べてみたところ、
    平成25年7月19日/東京地方裁判所/民事第6部/判決/平成20年(ワ)25098号」という判例を見つけました。これが問題のあれです。

    これを読むと、
    東京都の風営法施行条例施行規則では、
    図書館の敷地からの距離が50メートル未満の区域内は公安委員会が風俗営業許可を出さない
    という事が根拠になっているようです。

    そんなわけで、東京都の場合は図書館の50メートル未満の区域は風営バリアがあると。

    なんとなく調べた感じだと他の地域はバリアの範囲が異なりますし、
    これは掘り下げ甲斐がありそうなテーマです。
    今年あたり卒論で書いている学生がいるに違いない。


    参考:リンク先は東京都の総務部文書課によるもの
    風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例
    http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/ag10122141.html
    風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例の施行に関する規則
    http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1012215001.html




  • へき地教育振興法施行規則



  • 身体障害者社会参加支援施設の設備及び運営に関する基準



  • 激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律



  • 鉱業法



  • 公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律施行令



  • 広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律施行令



  • 文化芸術振興基本法



  • 高等専門学校設置基準・短期大学設置基準・大学通信教育設置基準



  • 液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則



  • 自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律



  • こうして並べてみると、図書館と社会の関係が少し違った側面から感じられます。

    法律に関しては『図書館六法』や『図書館法規基準総覧』なんて資料もありますから
    そのあたりの資料を見ればもう少し体系的に学べるかもしれません。
    なにせ今回は「図書館」という語を含むもの、その中でも一部に触れただけですからね。

    いつ役に立たせればいいのかわからない知識だけど、
    これが教養ってやつですよ!(使いどころがまったくわからないので言い訳をしてみた)

    2013年6月27日木曜日

    北米あたりにある、図書館にからむ会社のリストを見つけた

    困ったことにすっかり更新頻度が下がり続けておりますが、
    面白いものを見つけたのでメモ。


    先日営業の同行中に同級生が働く職場へちょっとした提案をしに行った際、
    「高校生向けな学校図書館のディスプレイってどうしたらいいんだろう」という相談をいただきまして。
    社内の資料室担当の方に何かいいものがないかと相談してみたところ、
    紹介されたのがこちらの本。



    まだ詳しく内容を読んでいないのですが、
    巻末にVender Listという面白げな資料を見つけてしまい、
    このブログとしては書きたくなってしまったわけです。


    以下のような10業種(約200社)が掲載されていました。

    1. Design Services(デザインサービス)
    2. Furniture(家具)
    3. Fabric(ファブリック)
    4. Shelving(棚、展示ケース)
    5. Flooring and Ceilings(床、天井)
    6. Miscellaneous Decor(各種装飾)
    7. Technology(テクノロジー)
    8. Promotional(利用促進:宣伝、サイン、調査など)
    9. Collection Development(コレクション開発)
    10. Multiproduct Vendors(他品種扱うベンダー)


    そんなわけでまとめますけども、
    なにせ上記の200社を全部書くのはいろいろ問題ある上に無駄が多いので
    (amazon,Apple,YouTubeなんか書いてもしょうがないし)
    図書館を中心的な顧客としており(納入実績などで図書館が書かれる等)、
    かつ、特に日本でも参考になりそうな「デザイン」や「モノ」を売っているような会社を中心にリストアップしていこうと思います。

    あと、忙しい方のためを思って、
    おもしろそうな会社を先に並べ、後から業種ごとの会社を並べてあります。

    ___________


    Furnitureの枠から。
    図書館にもけっこうな数を納めている家具屋。
    さくっと見たいならリンク先画面上部にあるCase Studiesをみるのもいいけど、
    About usのInstallationsをみると5ページくらいのPDFが多数あって、
    いろいろと参考になる。
    個人的にはCase Study 2 のNapa Valley Collegeの書架なんか面白いデザインだと思う。



    Furnitureの枠から。
    主に図書館に納入している家具屋さん。
    PRODUCTSを見るよりINSTALLATIONSの納入事例を見ると楽しい。
    Eisenhower Public Libraryの展示架は使いにくそうだけどけっこう好き。


    Multiproduct Vendorsの枠から。
    落ち着いたイメージの家具を作っている図書館家具・用品屋。
    小さいものから大きいものまで取り扱っている。
    斬新なデザインというよりは伝統のデザインという感じ。
    ただし、Brodart Creativeという特注家具ページの商品説明ページは個性的なデザインの家具が多数ある。
    個人的にはCreative End Panel(側板)、トンネル付きの展示架なんかが好き。



    Design Servicesの枠から。
    この本の著者の会社。事例はこちらのページから。
    個人的にはEast Brunswick Public Libraryの色使いなんかがけっこう10代向けな気がして好き。
    あとWood Libraryで釣竿を貸し出しているのが気になって仕方がない。



    Shelvingの枠から。
    書店・図書館の事例はこのページにあります。
    "Benjamin Books"の写真など日本ではあまり見かけない形の書架もあり、一見の価値あり。
    (当然日本でも作ることは可能だから、あるのかもしれないけど)



    Flooring and Ceilingsの枠から。
    商業施設から教育系の図書館やらミュージアムまで手掛けている会社。
    サイト下部のINSTALLATION SHOWCASEを見に行くと実績が見られる。
    床がすごいってわけではないけど、Davies Libraryのデザインはインパクトがある。



    Miscellaneous Decorの枠から。
    さまざまな場所でアートを請け負っている会社。
    図書館の作品はこのページにあり、けっこう実績もありそうです。
    側板やサインなどかなり完成度が高く、見ていてとてもワクワクします。
    図書館以外の作品も良いですよ。
    とりあえずCaroline County Public Libraryを押しておきます。



    Multiproduct Vendorsの枠から。
    有名な図書館家具屋。
    色使いや形状がスタイリッシュなかっこいいものが多い。
    個人的にはIKEAの図書館版のような感覚。



    Multiproduct Vendorsの枠から。
    総合図書館企業。用品の品種はそれほど多くない印象だが、日本でもKik stepはよく見かける。
    Highsmith, Inc. という図書館用品会社を数年前に買収した様子。
    家具・インテリア部門のページでは、いくつかのブランドにわけて展開されている様子がわかるけど、
    TotaLibra® DisplayColorScape® DisplayLounge Furnitureなんかは見て楽しいと思う。



    Multiproduct Vendorsの枠から。
    空間デザインなんかを中心にしている会社。
    落ち着いたシックなデザインからアーティスティックなデザイン、キャラものまで
    Photo Galleryで様々な実績の写真を見ることができる。
    個人的には写真2枚目の「Creative Arts-Public Library」がワクワクする。



    Multiproduct Vendorsの枠から。
    カタログ風デザインのウェブサイト。
    Product(商品)ページのChildren's Furniture、Shelvingあたりが良かった。
    書架の側板デザインが秀逸。
    クライアントリストを見ると、かなりの導入実績があるようだ。


    ___________
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    Design Services

    Beacon Architectural Associates
    設計事務所。図書館の事例はこのページから。
    アメリカの公共建築ってこんな感じのイメージだなー、という感想を持った。

    DesignGroup (http://designgroup.us.com/)
    図書館の事例はこちらのページにあるけど外側の写真が中心なので
    見ててもそんなに面白くはないかも。

    Gifford Spurck Associates (http://www.giffordspurck.com/Gifford_Spurck_Associates/Gifford_Spurck_Associates.html)
    図書館の事例はこちらのページからやっぱり写真は外側が中心。

    HGA Architects and Engineers (http://hga.com/)
    図書館の事例はこちらのページから。

    Integrated Design Group (http://idgarchitects.com/)
    図書館の事例はこちらのページから。

    Longo Libraries: Complete Library Planning (http://www.longolibraries.com/)
    図書館のトータルプランニングを行う会社。
    予算やら空間やらいろいろデザインするらしい。

    Toppe Consultants, Inc. (http://www.toppearchitects.com/)
    webサイト作成中。図書館の設計をしている様子なのは間違いない。

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    Furniture

    August Incorporated (http://www.augustinc.com/)
    座るためのシート(椅子というよりソファなど)を専門的に作っているメーカーさん。
    図書館の事例はこちらから。
    長いシートっていいよね。つい寝転がりたくなるので図書館で見かけたくはないけど。

    Bretford (http://bretford.com/)
    オフィスから図書館まで何でもやってる家具屋。
    コンセントの付いてる椅子って面白いなぁ。
    重さとかどうなんだろう。気になる。

    Nienkamper (http://www.nienkamper.com/Default.aspx)
    特に図書館系の会社ではないけれど、
    ラウンジ用の椅子等がおもしろかったのでここにリンクをはりましょう。
    PLEAT Lounge Chairはデザイン的にけっこう好きです。
    機能的にはかなり訝しいけど。

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    Shelving
    Library Display Shelving (http://librarydisplayshelving.com/)
    商品説明はこのページに載っているリンクから見られます。
    側板に対して斜めに展示架が着いてるのは珍しいデザインかもしれないなぁ。
    個人的にはあまり好きではないというか、通路幅の方が気になってしまうし、
    一方向からしか見やすくないし…。

    MJ Industries (http://www.mjshelving.com/common/index.php?com=MJ&div=AA&nav=AA&page=A91)
    全体的にそれほど珍しいデザインではなさそうというか、
    まず強度が心配になる形状に見えてしまった(きっと大丈夫なんだろうけど)。
    とりあえずHang-Up Bag Rackは「用途」という点で興味がわく。

    This Into That (http://www.thisintothat.com/)
    もう会社名が僕のこころをがっちりキャッチ。
    オンラインギャラリーからいろんな画像が見られます。
    本を再利用したのか?という製品がいろいろです。
    個人的にはBook Clocksなんかが気になります。
    (そういえば廃棄された本の再利用をするビジネス立ちあげたらどうなるんだろう…?ランドセルをミニチュアに加工するビジネスは成立しているよな…?)

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    Flooring and Ceilings

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    Miscellaneous Decor
    AllPosters.com (http://www.allposters.co.jp/)
    世界最大のポスター屋さんらしい。
    図書館のポスターもいっぱいあったけど、
    飾るとしたらかなりセンスが問われる気がしてならないなぁ。
    別に直接的に図書館が関係するわけではないけど、こんなサイトがあることを知らなかったのでメモしておく。

    Bilk Surface Graphics (http://www.whatisblik.com/)
    しゃれた壁紙の販売等が主な仕事らしく、別に図書館だからなんだってことはないけど、
    ACADEMIA~ pattern wall tilesという商品はちょっと気になる。

    Magnetic Poetry (http://magneticpoetry.com/)
    世の中にはマグネット屋さんってのがあるんだな…!

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    Promotional
    BookLetters (http://www.bookletters.com/)
    booksiteという会社が運営するサービスの1つらしい。
    電子書籍からRSSまで、有料無料の各種電子コンテンツの統合用プラットフォームを開発している感じ?

    Mannequinland (http://www.mannequinland.com/)
    マネキンランド、その名が示す通りのマネキン・トルソーなどを取り扱う会社。
    そういえば図書館の中でマネキンってあんまり見ないけど、
    服飾系の勉強をする学校の図書館ならあるんだろうか。

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    Multiproduct Vendors
    Gaylord (http://www.gaylord.com/)
    家具から用品まで。
    デザインには特別グッとこなかったけど、その幅の広さは魅力かも。

    J. S. McHugh, Inc. (http://jsmchugh.com/)
    公共建築を主な守備範囲として、図書館には限らない仕事をしている会社。
    事例があまり見られないから何とも…。

    PBTeen (http://www.pbteen.com/)
    図書館はあまり関係ないけど、10代を対象にしたオンライン家具等のショップ。
    なかなか興味深い。イメージ的にはFrancfrancに近い。
    図書館で使いそうなのはブックエンドくらいかもしれないけど、
    Dream Big Word Bookendsがいかにも10代なデザインで納得した。

    Vernon Library Supplies, Inc. (http://www.vernonlibrarysupplies.com/)
    家具も取り扱っているが、どちらかというと
    ICタグも含め、ラベル、テープ、バーコードなど「貼る」用品が中心な会社という印象。


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    まとめてみたけれど、思っていたよりもリストに残りませんでしたね。
    意外です。

    図書館を建てるとなると、
    当然ながら、いろんな部分をいろんな会社が担当します。

    設計・建築を含めて図書館をクリエイトする側にとっては、
    今回リストに載せていない、
    図書館を中心にビジネスをしていない会社も視野に入れながら
    製品を選んでいくことになります。

    本だけが図書館じゃないんだぜ! と言いながら
    図書館が好きな方、図書館を作る側を志す方が
    わくわくしながら参考にしてくれれば嬉しいですね。

    2013年5月16日木曜日

    核シェルターに図書室とかついてないもんか

    あ、どうも新人研修中の私です。久しぶりの更新な気がしますね。

    ブログも更新しようとは思うのだけれど、どうもキレのある文が書けませんでね。

    会社内におりますと、
    図書館関係者の方がよろこびそうなネタってのが数えきれないほどあるわけなんですが、
    社外秘な情報だったり、万が一にも競合他社さんにノウハウを流出させたくなかったりで、
    以前ほど思いついたままに書くことができません。

    難儀なものです。本当に。


    そんな中でも今週から再来週にかけて
    営業の同行でいろんな図書館を見て回っているので、
    一段落つき次第、普通に図書館見学をしているだけではわからないようなポイントを書いていきたいところです。
    かつて単身で取材して回っていたので、見学慣れはしてると思いますんでね。



    そんなこんなでありますが、最近僕の脳内では、
    「核シェルターの中に本棚は必要か」というテーマがとてもホットです。


    何せ核シェルターを使う世界観って、

    資源が乏しい閉鎖環境のうえ、
    外の世界にいつ出れるかわからないから娯楽は必要で、

    基地局なんてどうなっているかわからずダウンロードで追加コンテンツを増やせるか不明で
    電気を安定的に供給できるかどうかも怪しい上に、
    電磁パルスでそもそも電子機器ってどうなるのかよくわからない、

    しかしながら省スペースも意識しないと息苦しく、本の搬入もめんどくさそうなわけでしょ?


    図書 vs 電子書籍を闘わせるリングとしては良い線いってると思うわけですよ。
    それぞれの利点を改めて考えるために面白いテーマかなって。

    こんな時に学生を捕まえて話し合える立場にいないなんて残念極まりないけどねぇ。



    ちなみにインターネットで情報収集を試みたところ
    SECURITY.JPというサイトに「世界の核シェルター普及率、スイス100%、アメリカ82%、日本0.02%
    という記事を発見してしまったから、
    日本の核シェルター屋さんに意見を聞きに行くのもやや難しい様子。

    なんとなくGoogle翻訳を使って、ドイツ語、イタリア語、フランス語、
    ヘブライ語、アラビア語、ノルウェー語、ロシア語なんかでも検索してみたけど、
    金持ちが地下10階建の核シェルターを作る際に
    プールと同列で構想してるようなページしか見つからなかったし。




    真剣に考える必要に迫られる日は来ないで欲しいけど、
    まだ紙の本って意外な需要があるんじゃないかな。気になるなぁ。

    2013年3月29日金曜日

    転職クチコミサイトで図書館関連会社の評判をチェックすると

    4月から民間企業に転職して図書館様を相手にした営業職になる予定の僕です。
    こんにちは。


    什器とか消耗品とかシステムのご説明をすべく、あらゆる図書館に馳せ参じる次第です。
    (勘の良い方だと社名がばれそうなギリギリのライン)


    研究関係の転職じゃないの!? とか
    今までのキャリア捨てる気なの!? とか
    頭おかしいの!? など皆様にご心配いただいたうえに、

    研究員とか大学図書館とか学術雑誌出版社とか研究施設の図書館など
    いろんなチャンスをお断りした形での転職になっておりますが、

    本人は純粋に楽しみで仕方がありません。 
    ここでこれをやらなきゃいずれ後悔しそうなんだからしょうがあるめぇ。



    さてそんな中、今回は久しぶりに就職関連の話です。



    先日転職した友人と話をしたところ、
    転職先を探す場合、普通はクチコミサイトなんかを気にするものらしいと聞きました。


    人のつながりで転職先を探したり、職場で取引のある業者さんから情報を仕入れたりすると
    そのあたりはチェックしなくても良いため完全にスルーしており、

    そういえばそんな手段があったか! と驚きを受けましてね。


    個人的には今さらやってもしょうがないのですが、
    どんな生々しい話が書いてあるのか興味がわいたので、
    気まぐれに思いついた順に眺めてみました。


    網羅的と言い張れるほどクチコミサイト数、チェックした会社数は多くないですが、
    以下のようなリンクを見てみました。
    (詳細なデータはアカウント登録をしないと見られない情報なので、転載等をせずリンクだけ。)



    ____
    ※メモ
    • 全文を見るためにはけっこう手間がかかるので、ところどころ見られなかったものもあります。
    • 出版流通系(学術含む)、家具系、人材系などを中心にチェック。大手事務機器屋さんとかシステム屋さんとか印刷屋さんの類は、大企業の一部分が図書館とほんの少し関わってるだけで、少々手を広げ過ぎな気がしたので除外。岡村製作所、イトーキ、内田洋行、日立製作所、リコー、富士通…などなどもあったりはする。
    • 日本ブッカー、jcross、カーリルなども一応探してみた。
    • 他にも『クチコミランキング』の"転職サイトランキング"のページを見るといろいろありそうなので気になる方は調べたらよろしいのではないかと思います。



    そもそもクチコミとやらがどこまで信用できるのかわかりませんが、所感は以下の通りです。
    • 全体的に、保守的でワークライフバランスがとりやすい企業が多いらしい(学術出版系は除く)。当然ながら福利厚生・給料は大きい会社ほど良いが、新人育成環境の良し悪しは企業の規模に比例しないようだ。
      • 丸善はいろいろと心配になるクチコミが多い。ブランドがあって保守的な企業であり、プライベートも大事にできそうだが、人材育成がうまくいっていないような感想も。
      • 日販の福利厚生とか給与とか、転職会議における「社内恋愛が多い」などの項目はとても興味がわく。
      • トーハンは縦社会体育会系らしい。
      • TRCは正職員か非正規かによってコメントが割れているようにも見えるが、将来的にも生き延びそうな会社
      • 意外にナカバヤシの給料が良さそうだったりする。ただし製本事業部が縮小されてくるような話もあり、図書館との関わりは減っていくことも予想される。
      • 埼玉福祉会は図書館司書に興味を持った人の視野に入ってほしい組織だけれど、どの程度の人数で運営されているのか、採用をしているのかはよくわからなかった。でも楽しそうではある。
    • 業界全体に対する閉塞感は多くの人が感じているみたい。新規参入が少なく、すみわけが比較的綺麗にできていたのがこの業界の特徴で、その分、政治・技術などの変化がある中で対応できていないことにも不安と焦りがあり、退職を選ぶ人も少なくないらしい。良く言えば安定なのかもしれないけど、時間の問題かも?
    • 個人的に内部事情が気になるのは編集工学研究所だけど、なかった。残念。



    この手のクチコミは公開されている待遇以外、
    例えば有給休暇が実際に使いやすいかどうかなどを知るために役立つかもしれないけれど、

    やりがいだの働き方なんてものは個人と会社の相性だと思います。
    興味関心とバックグラウンドは人によって違いますし。


    自らを知ることこそが幸せな就職・転職の近道と考え
    一つの意見として使いこなしていくのが重要かもしれませんね。


    2013年3月19日火曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その10 おわりに

    まとめ…、ではないですが。シリーズ最後に。

    本来、指標やそれに基づくランキングというのはあくまで
     「ある観点に基づいた見方とその結果生まれる順位」ですので、

    「僕が見たことある大学の中でなんか良いと思ったランキング」などを作っても
    評価は評価だしランキングはランキングです。

    もちろん 貴様の脳内にしまっておけ! と言われるでしょう。


    もうちょっと高度な理由をつけて否定するとなれば、
    • 客観性がない(主観的すぎる)
    • 評価指標が不透明で再現性がない(評価する軸が謎。誰がやっても同じになるわけでもない。さては気分か。)
    • 評価対象が不明(どこの大学がエントリされるのかわからない)
    • 評価対象が少ない(一人で見られる数なんてたかが知れてる)
    • 有用性がない(使いどころがない)
    となっていくことでしょう。


    多くのランキングはそのような問題をクリアしていますが、
    ランキングの有効性を視野に入れて使いこなすためには
    やはり指標を一段掘り下げ、対象データの特徴を抑え、傾向を掴む必要があると思います。


    そもそも世界にある高等教育機関の数はいつくあるかご存知でしょうか?

    17,000だそうです(シリーズ第一回に書いたEUAのレポートによると)。

    トップ500だ、トップ50だ、トップ5だとやってますが、
    比率だけ考えればそれぞれ
    クラスNo.1だ、学年No.1だ、10年に一人の逸材だ、ってことでしょうか。

    そもそもエントリされただけですごいことなんですね。
    そこはしっかりおさえなければいけません。
    大多数の大学はランキングにエントリもされてないわけですし。

    現実的に全ての組織を対象に分析を行うのは
    とても骨が折れるから無理でも仕方がないとは思いますが(たぶん下位の方は差がないし)、
    それでも「世界は広いからランキングに載らなくても仕方ない」と言えないのは
    やはり"学術的"な世界の指標だからかもしれません。

    アカデミックの業界は標準が「対世界」なところありますものね(人文系はちょっと違うけど)。




    そして指標を大雑把に分けると

    学術系:論文数、被引用数、h-indexなど
    評判系:同業者からの評判、学生・教員からの評判など
    ステータス系:学生数、教員数、助成金数、博士取得者数など

    使われておりましたが、
    それぞれの指標にもバイアスや定義の違いによる微妙な差があると
    されている所には注意が必要です。



    たとえば、論文生産数や被引用数の場合、
    カウントするデータベースを何にするか、
    分野、言語・地域的な対象範囲、対象年などの要素をどう設定するかが数字に影響してきます。

    だからこそ「分野の平均的な数で割って標準化した」とか
    「自己引用(自分で自分の論文を引用する)を除いて数えた」とか書いてあったりするわけです。
    このあたりの要素も暇を持て余したらまとめてみるかなぁ。


    さて
    いろいろ含めて考えると、
    完璧で唯一のランキングなど作れるはずがないことになりますが、
    どうにもこの「評価」「ランキング」周辺は殺伐としているように感じます。


    各種ランキングの類は単純な好奇心を満たすためのものではなく、
    助成金、学生の獲得、国際的な競争力など
    限られた資源を奪い合ったり効果を確認したりという経営戦略に使われるので
    低く評価された団体や個人から不満が出たりとか、
    うちの組織はこのままじゃいかんとかなるわけです。

    ランキングが公表されると世間からの評判に影響するというのも問題でしょう。


    それを考えると評価方法に合わせて行動を変えるのは当然だし、
    ビジネス的にはここにコンサルティングのチャンスがあることもわかったものの、

    一方で、指標にあわせて行動を変えた後に生まれる結果は、
    本来出るべき結果といえるのか? 指標はある側面から見た本質を見る道具ではなかったか?
    人為的な操作をされた後につけられるランキングの信頼性はあると言えるのか?
    という疑問も湧いたりします。


    難しい問題です。真理を探る道具なのか、応用するための道具なのか。興味は尽きません。


    まあ、そのあたりは考えてもしょうがない気がするし、
    できるかぎり指標やデータや傾向の特徴をおさえたランキングの使い方を
    これからも考えていきたいものですね。

    2013年3月18日月曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その9 SCImago Institutions Rankings編


    データはScopusを使用。
    Higher Education(学位の授与機構を備えた組織), Health(ライフサイエンスと地球科学など高等教育ではない組織、病院、リサーチセンター、研究所など), Government(国の機関など、行政機関も含む), Private(企業など), Other(国際機関など)に分けてランキング。


    各組織について以下のような指標を適用。
    • Output
      • 科学的なペーパーの数。共著の場合はそれぞれの組織に点数を分けて割り当て。
    • International Collaboration::IC(%)
      • Outputのうちの国外機関とのコラボレーションをしている比率。
    • Normalizad Impact::IN
      • 機関の規模を考慮した指標。機関のインパクト(被引用数/ペーパー数)を同期間・同分野のインパクトで割って標準化したスコア。
        • スウェーデンのカロリンスカ研究所では"Item oriented field normalized citation score average"という名前がついてるとか。そのまんまだなおい。
    • High Quality Publications
      • 各分野のSJR indicator(SCImago Journal Rank indicatorという雑誌評価指標)において上から25%に入るとされた雑誌に掲載された比率。
      • SJR indicatorは複雑な式を使っている
        • 概念的にはGoogleのPageRankと同じようなアルゴリズム


    組織についてはInternational Association of Universities (UNESCO)や各国の公的情報からリストを作成。機械的な処理によってScopusのデータと自動でマッチングする”名寄せ”(authority control)処理を行っている。作業は世界各国の30人のインフォメーションスペシャリストで構成されたチームが頑張っているらしい。

    High Quality Publicationの決め方がやや特徴的ではあるけど、指標としては普通だな。

    ちなみにOutputの指標で並べられたランキングをざっと眺めた感じだと、
    1位のCNRS(フランス)や2位の中国科学院、3位ロシア科学アカデミー、
    5位のマックスプランク研究所、7位のNIH、9位のCSIC(スペイン)がまず見えて、
    そりゃあ国策の機関はでかいから大量生産で強いよなぁと感心させられた。

    そんな中で、大学としては4位のハーバード、6位の東京大学あたりがさすがの強さを見せているのも印象的です。

    直感的な感覚としては、
    Web of Scienceからデータをとってきて分析しているランキングと少々異なり、
    上位の機関に非英語圏も見られる気がする。
    これはデータの収録対象範囲の問題かな。Scopusの方が広いし。
    分野差がどの程度出ているのかが気になるところだ…。


    研究者として仕事場所を選ぶときに、
    大学・研究所など問わずに視野に入れたければ使えるランキング、というのがベストな使いどころな気がするな。

    2013年3月17日日曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その8 URAP編

    今回はUniversity Ranking By Academic Performance(URAP)です。
    説明は2011年の場合。

    • 原著論文数 [21%]
      • 2011年に出版されてWeb of Scienceに登録されたarticle数
    • 引用 [21%]
      • 2011のランキングの場合は2007-2011年に出版された論文が引用された数
      • 自己引用は除く
    • 全ドキュメントの数 [10%]
      • 2011年のarticle, conference paper, review, letter, discussion, scriptなどタイプにこだわらない文献数
    • 雑誌のインパクトファクターの合計 [18%]
      • 2007-2011年の論文等が掲載された雑誌のImpact Factorの合計
    • 雑誌の引用インパクトの合計 [15%]
      • 引用"した"論文が掲載された雑誌のImpact Factorの合計
      • 2007-2011年が対象
    • 国際共著 [15%]
      • 2007-2011年に出版された、他国の大学と共同研究をした論文(?/原文はpublication)の数

    データがWeb of Scienceのみのようなので、
    考えてみるとThomson Reutersのインフォメーションアナリストが
    ちょちょいとやれば作れるんじゃ… という気がしなくもないですが
    とってきたデータから大学以外で発生した論文を除いたり
    自己引用を除く処理をすることを考えると
    自動化できなさそうな部分でかなり手間がかかりそう。


    メソッドの部分を見ても詳細がこれ以上よくわからないのでなんですが、
    Impact Factorの使い方に疑問もあるし、
    分野差を考慮しているような記述も見られないし、少しもやもやしている感じはあります。

    世界で論文数の多い2500大学を対象にデータを処理し、
    そのあと2000大学にランクをつけているそうなので
    質より量で勝負な感じのランキング、といった印象。
    (他のランキングは500位までとかだし)


    目的を見る限り、
    世界の大学を格付けしようというものではなくて、
    研究推進のための戦略の参考にしてほしいという感じだからいいのかな。

    そのわりにはA++みたいな表記が出てますけども。


    世界のランキングは重みづけに基づいて600点満点で評価をおこなっていますが、
    1位のハーバードが600点で、2位から10位くらいまでで450点前後、
    20位圏内で400点前後ってのはなかなか極端な開きがあるね…。


    地域ごと、分野ごと、国ごとに分けてのランキングも見られますが、
    分野ごとの場合は国際共著指標は使われないようです。


    いろいろ気になるところはあるけれど、
    「論文数と被引用数による研究評価」であり比較的シンプルなランキングの印象。
    「質より量」を重視したいときに見るランキングですな。


    2013年3月10日日曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その7 Webometrics Ranking編

    今回はWebometrics Ranking of World Universities です。


    • Visibility[50%]
      • Impact
        • 大学のドメインが受ける外部リンクの数
          • リンクを受けた数のデータはMajestic SEOahrefs からとってくる
          • 被リンク数の平方根と、被リンクによって出てくるドメイン数を使い、正規化した結果の最大値が指標となる
    • Activity[50%]
      • Presence [1/3]
        • Googleに登録されたメインドメイン(サブドメインとディレクトリも含む)のウェブページ数
          • 外国向けに持っているドメインなどは数えていないような…。
      • Openess [1/3]
        • 各組織のリポジトリに登録されていてGoogle Scholar によって集めることができるpdf, doc, docx, pptファイルの数
        • 今回は2008-2012年のものが対象
      • Excellence [1/3]
        • 各分野のトップ10%に入る被引用回数の論文だけを対象にカウント
          • 2003-2010年の期間が対象だが、SCImagoによると5200以上の大学が0ではない値らしい



    科学的なアウトプットを強調した大学のウェブ発信力ランクって感じです。
    半年ごとに改訂(1、7月)。
    カバーしている大学数が圧倒的に他のランキングより多いものの、
    分野によって大学の分類をしていないところなどは改善の余地ありとか。



    大学図書館の人が興味を持つのはOpenessランキングあたりだろう。

    でもランキングの上位はかなり謎で、
    この手のランキングでよくみられる「上位はアメリカまたは英語圏」ではなく、
    ブラジル・フィンランド・台湾・スペイン・フランス・イランなどが見えているという…。

    なんだろう、原因は?

    「非英語圏のウェブサイトでpdf, doc, docx, pptファイルの数が多い」ということだから…
    もしかして英語版と母国語版を両方つくって公開していることが多いとか?

    謎だな…。

    2013年2月28日木曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その6 Performance Rankings of Scientific Papers for World Universities編

    今回はPerformance Rankings of Scientific Papers for World Universities編。

    HEEACT Rankingともいわれ、
    Taiwan Higher Education Accreditation and Evaluation Councilが行っていましたが、
    今は国立台湾大学(National Taiwan University)の NTU Ranking という名前に代わっています。

    Essential Science Indicator を使い論文数、被引用数に基づき700大学を選んだあと、
    他のランキングと比較する。最終的には876大学が対象。

    • Research productivity
      • 論文数(過去11年分) [10%] ※
      • 論文数(過去1年分) [15%] ※
    • Research impact
      • 被引用数(過去11年分) [15%] ※
      • 被引用数(過去2年分) [10%] ※
      • 平均被引用数(過去11年分) [10%]
    • Research excellence
      • 大学単位のh-index(過去2年) [10%]
      • 高被引用論文数(過去11年分) [15%]
        • 各年のTop1%に入る高被引用論文の数
      • 高被引用雑誌における論文数(過去1年分) [15%]
        • Journal Citation ReportにおいてImpact Factorが各分野の5%に入る雑誌の論文数

    ※部分の値は各大学のフルタイムの教員数で割る。そのあたりのデータは大学のウェブサイト、各国の公的機関、Wikipediaから持ってくる。

    他のランキングでは自前でデータを集めたり各国の省庁などからデータをとってくるので、
    Wikipediaってのはどうなんだろうと思わざるを得ない…。


    そのほか、土地・言語に依存しやすいから人文科学のデータベースであるA&HCIは使わないとか、大学の別キャンパスを考慮する仕組みにするためリサーチセンターや大学病院も含めた数値を算出するとか書いてあった。
    その辺は他のランキングでも同様。

    過去11年分と過去2年分をハイブリッドして最終的なスコアにしようってのもなかなかオモシロい発想だ。妥当性はよくわからないけど。
    そういえば正規化の手法の解説を見かけなかった気がするがどうしているんだろう。

    ランキングとしては
    World Rankingの100位、ロックフェラー大学の平均被引用数がどうも異様な値になっているようで、
    その理由が少々気になるくらいか。

    2013年2月20日水曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その5 Leiden Ranking編

    Leiden Ranking は2008年からライデン大学のCenter for Science and Technology Studies (CWTS)によって提供・公開されている。
    分野差を考慮した研究機関のインパクトによる研究評価が目的。

    世界の約1000大学にリストアップした後、トップ500機関が公表される(人文科学は対象外)。
    2010年からインターネット上でアップデートしており、最新版も2013年の4月17日に公開予定。

    分析対象となるデータソースはWeb of Scienceにインデクシングされた
    ドキュメントタイプが「article」,「letter」,「review」の文献。


    いわゆる「計量書誌学(ビブリオメトリクス)」といわれる学問分野の手法を
    きっちり用いた感じの指標群です。コテコテです。




    2011/2012の指標はそれまでのものと異なっており、大きくわけて2系統の指標が扱われています。



    インパクト指標
    • P
      • 各大学の論文数
    • MCS
      • 各大学の1文献あたりの平均被引用数
    • MNCS
      • 分野、出版年、ドキュメントタイプの補正をかけたMCS
        • ※引用する回数・される回数は分野、ドキュメントタイプなどで異なるため補正をかけている
    • PPtop10%
      • 各大学における、世界のトップ10%以内にランクされる高被引用論文を出版している割合。分野、出版年、ドキュメントタイプ補正をかけた。

    コラボレーション指標
    • PPcollab
      • 一つ以上の他機関とコラボした論文の割合
    • PPint collab
      • 一つ以上の他国とコラボした論文の割合
    • MGCD
      • 各大学における、論文ごとの所属機関距離(著者所属機関のうち地理的にもっとも遠い二地点の距離)の平均を計算。
        • 地理データはどこからとってきているのかよくわからない。
        • 遠ければ遠いほどワールドワイドな交流をしていると考えられる指標
    • PP>1000km
      • 各大学において1000km以上離れた共著を行っている論文の割合

    また、論文はフルカウントと分数カウント(fractional count)の二つの数え方が選べるようになっています。
    分数カウントとは、5人の著者が1本の論文を書き、そのうちA大学の著者が2人いる場合、
    A大学がこの論文から得る得点は 2/5 = 0.4 とする数え方。
    フルカウントの場合はそのような『案分』という方法をとりません。



    それと、他の大学ランキングと異なり
    指標に重みづけを行って合成したランキングは作りません。潔いね。




    追加で具体的な方法が見たければ以下の解説論文を読むように案内があります。

    The Leiden Ranking 2011/2012: Data collection, indicators, and interpretation (arXiv)

    関係ないことばかりやっているので本人も忘れがちですが
    本来僕はこの畑の生き物なので読みました。


    文献からを補足するとこんな感じ。

    • 大学病院の研究員は病院名を書くけど大学の肩書きを書かない場合もあり、正確にカウントしきれないかもしれない。著者が明示していない場合でも大学病院は大学に含めている。
    • 2005-2009の500大学(世界トップレベル)のデータだと、3200本から61600本までの論文を生産した大学があり、平均すると1大学あたり9000論文、中央値でも6900論文生産していることになる。これはWeb of Scienceの61.3%にあたるそうだ。
    • letterは1/4点にしてカウント
    • 対象大学(論文数が多い大学)として中韓の組織が増えている
    • MCSとMNCSは相関がある(r = 0.84)。あまり変わらない場合もあるが、分野による補正をするMNCSでランクが変わる場合もある。
    • MNCSとPP10%で自己引用をのぞかずに計算してみたら、多くの大学は自己引用を無視できることが分かった
    • PP10%を5%と20%にした場合もあまり変わらない。
    • データ対象がどうしても英語に偏りがちになる所が問題かもしれない。



    MNCSで第2位のゲッチンゲン大学は、
    極端な高被引用論文によって上位にきているため、
    Stability Interval(安定性区間)の幅が広い(ランキングを表示したときに横に広がる棒が長い)。
    棒はとりうる誤差みたいなもので、
    安定してよく引用される論文が多い大学ではこの区間の棒が短い。

    長ければ「今の位置にいるのはマグレでは?」って話になるということです。
    統計の信頼区間と同じようなもの。


    東大の順位もなかなか面白くて、
    Pでは世界第4位なのに、MCSでは211位、MNCSでは296位になります。

    世界で5本の指に入るほど論文を生産するけれど、
    引用される度合いでいえばそこまでではないということですね。

    MNCS(分野差、ドキュメントタイプ差、出版年の差を補正した一本当たりの平均被引用数)でも300位くらいで、値も1.02だから、「対象となっている大学としては、ごく平均的な値」という解釈になるしなぁ。


    「なぜ引用されないのか」というのは極めて難しい問題。

    少なくとも今回の場合はWeb of Scienceのデータが対象なので、
    Impact factorがつくような注目度の高い収録対象誌がデータソースだから、
    「論文を大量に生産するけど誰も見ないところでひっそり公開した」というわけではないと思うし。

    なんだろうなぁ。興味深いなぁ。


    あとはコラボ指標の類は軒並みヨーロッパの大学がランク上位を占めていて笑う。
    陸続き国家の方が有利なんじゃないのかなぁ。
    そのあたりをじっくり眺めたら楽しいだろうか。よし暇な時にやって遊ぼう。

    2013年2月19日火曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その4 QS編

    前回のエントリとセットで。

    元々THEを作っていたQSはQS World University Rankingsを出しています。

    世界の大学をランキングした Top 400: World's Best Universities
    アジアをランキングした Asian University Rankings
    ラテンアメリカのランキング Latin American University Rankings
    分野ごとのランキングである World University Rankings by Subject

    などの種類があります。



    それぞれ指標と重みづけが異なっています。

    Top 400は以下の通り。
    • 学術関係者の評判 [40%]
      • あらかじめ選択されたリストから30大学を選ぶ質問をインターネットでサーベイ。
      • ただし回答者は大学に足を運んだことがあるとは限らない。
      • 最新版だと約46,000の回答があり、その分布も公開されている
    • 雇用者の評判  [10%]
      • 自前のデータベースやパートナーのネットワークを使って調べた。
      • 詳細はよくわからない。
    • 教員一人あたりの被引用数 [20%]
      • 引用のデータは過去5年分。Scopusから抽出。2011年からは自己引用を除いている。
      • 教員はteaching staffとresearch staffに分けることはないとのこと。
    • 教員/学生比 [20%]
      • 学生数は学部生と大学院生の合計
      • 各国の省庁が公開しているデータを中心に集めた
      • 公式サイトいわく、完ぺきではないまでも質を測ることができるとのこと 
    • 外国人教員比率 [5%]
      • Internationalの定義は不明 フルタイムの学生とか、教員数とか、インターナショナルスチューデント&スタッフとか、大学の情報は自前でとってくる。
    • 留学生比率 [5%]
      • 学生のうちInternationalな学生の割合
      • たぶん留学生のこと。詳細な定義はよくわからない。

    アジアは以下の通り。
    • 学術関係者の評判 [30%]
    • 雇用者の評判  [10%]
    • Scopusによる教員一人あたりの論文数 [15%]
    • Scopusによる論文一本あたりの被引用数 [15%]
    • 教員/学生比 [20%]
    • 国際的な学生の比率 [2.5%]
    • 国際的な教員の比率 [2.5%]
    • 交換留学生が入って来る数 [2.5%]
    • 交換留学生が出ていく数 [2.5%]

    ラテンアメリカは以下の通り。
    • 学術関係者の評判 [30%]
    • 雇用者の評判  [20%]
    • 教員あたりの論文数 [10%]
    • 教員一人あたりの被引用数 [10%]
    • 教員/学生比 [10%] 
    • 博士号もちスタッフの比率 [10%]
    • Webometiricsによるウェブインパクト[10%]
      • どのように使用しているのかはよくわからない。

    アジアとラテンアメリカって単純に土地で分けられてると思ったら違うんですね。
    なんでそうなるのかまるでわからなくていろいろ調べていたら、
    どうやら言語圏の問題を考慮している様子。
    確かにアジアはラテンアメリカと比べたら言語がバラバラだもんなぁ。

    ちなみに日本のランキングが落ちてる理由について説明されていたのであわせてメモ。


    分野ごとのランキングは指標と重みはTop400と同じ。


    このランキングの特長とも言える評判に関しては、
    不透明すぎるとか、評価する人が現地に行ったことないのに評価できるのかとかそんな話もつきもの。
    個人的には良いと思うのだけど、生データは個人情報非開示で公開してくれると嬉しいですな。

    でも標準偏差とか分散は公開しているし、変遷なんかも見た感じ年々改善しているようだし、
    透明性については努力を評価すべきだと思う。

    2013年2月18日月曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その3 THE編

    今回はTimes Higher Educationが提供するTHE World University Ranking (THE世界大学ランキング)です。

    2004-2009年までのQuacquarelli Symonds版(THE-QS)とそれ以降のThomson Reuters版(THE-TR)があります。

    QS版については過去のものですが、
    現在THEと離れたQS社がNews & World Reportと共同でWorld's Best Universities Ranking と言う形で出ておりますので、次回に。

    ARWUとこれは先におさえておきたいランキングだと思っております。

    ここでは
    World University Ranking
    World Reputation Ranking
    100 Under 50
    の指標等について触れましょう。


    [ %]は最終的なスコアを出すときの重みです。


    2012-2013のTHE-TRについてはこんな感じ
    • 国際性 
      • 外国人学生比率 [2.5%]
      • 外国人教員比率 [2.5%]
      • 国際的な論文の割合  [2.5%]
        • 各大学から公表された全雑誌論文のうち、1人以上の国際的な共著者がいる論文の割合。公式サイトの原文:the proportion of a university's total research journal publications that have at least one international co-author and reward higher volumes.のreward higher volumesの部分はよくわからない。
        • 分野によって補正する
        • 「論文の引用」指標と同じ期間(過去5年間)が対象
    • 研究
      • 同業者による評判 [18%]
        • 自前の世界的な調査。レスポンスは16000件以上。
      • スタッフあたり研究助成金  [6%]
        • 購買力平価で正規化 
        • 大学の分野を考慮する
      • スタッフあたり論文数 [6%]
        • Web of Scienceに収録された学術雑誌に掲載された論文数
        • 分野を考慮して標準化する
    • 論文の引用
      • 論文の被引用数 (学問分野により正規化) [30%] 
        • 最重要
        • 2006-2010年の5年間にWeb of Scienceに収録された論文が、2006-2011年の間に引用された回数。
        • ちなみにこの期間に600万論文が5000万回の引用を発生させているそう
        • 分野の引用回数を考慮して標準化する。
    • 産業収入 
      • academic staffあたり産業界からの収入 [2.5%]
    • 教育と教育環境 
      • 同業者による評判 [15%]
      • スタッフあたり学生数 [4.5%] 
      • 学士授与/博士授与比 [2.25%]  
      • academic staffあたり博士授与数  [6%]
      • academic staffあたりの収入 [2.25%]
        • 購買力平価


    学部レベルの教育を行っていない、狭いテーマのみを教育している、
    (2012-2013版の場合は)2006-2010年の間に論文を1000本(年200本)に届かない
    などの組織は除外される。

    ただし、工学や人文科学などの論文数が少ない分野では年間200論文いかない場合でも対象になっていることがあるらしい。


    評判についての収集方法等についてはThomson Reuters Global Institutional Profiles projectのページ(http://ip-science.thomsonreuters.com/globalprofilesproject/)から確認できます。
    調査対象者の分布はThomson Reuters Academic Reputation Profile Reportから確認できます。

    この中ではAcademic staff (68%)、Research staff (14%) 、Senior institutional leadership (7%)、Graduate/ post-graduate student (6%)、Teaching staff (1%)、Management and administrative staff (1%)、Other position at an institution (1%)、Not currently working at an institution (2%)に分けられているし、
    どうもスタッフという定義がよくわからないので、原文でacademic staffと書いてあるところはそのまま持ってきました。


    各指標の値をZ-scoreで標準化してから重みづけを考慮して最終的なスコア算出&ランク付け。

    Z-scoreは、(各大学の値-平均値)/標準偏差で算出。
    いわゆる標準化得点、というか偏差値。各大学の各偏差値を、重みづけして合わせる。

    昨年から「評判」のスコアを出すのに指数関数モデルで分析しているとか。
    少数の大学に高い人気が集中することを考慮しているらしいけど、
    詳しい計算方法は調べがつかなかった。論文探せば書いてあるかな。




    World Reputation Rankingの場合

    専門分野の中で"最も良い組織"としてノミネートされた回数を、
    研究に関する評判と教育に関する評判それぞれから2:1の比率で混ぜて最終的な各大学の値にしているらしい。

    ちなみに回答者は15大学に投票可能。
    大学ランキングと異なるスコア計算法であり、
    100機関までランキングしてあるものの50位以下の値は大差ないので10位ずつまとめて表示。



    100 Under 50 の場合

    50年以下の若い大学を対象にした100位までのランキング。

    指標そのものは本調査と変わらない様子だが、
    評判に関する指標の重みが若干減らされている(その分他の指標の重みが増えている)。
    若い大学は知名度が低かったり卒業生も少ないためらしい。

    日本でランクインしたのは筑波大学のみ。
    旧帝国大学系に次ぐような存在感だし師範学校のイメージがあるからピンとこないし、
    案外50年って長いんじゃなかろうか…。



    何気にiPhone用にアプリが出されているという点もなかなか素敵なランキング。
    世界の大学に興味がある人にぜひ教えてあげたいものです。

    2013年2月17日日曜日

    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その2 ARWU編

    今回は2003年から行われているShanghai Ranking Consultancyの
    Academic Ranking of World Universities、通称 ARWU (または上海ランキング)です。

    世界1200以上の大学を対象に
    指標を基にしたスコアを算出してランキングをつけたのち以下のように公開。
    • 世界のトップ500大学
    • 5領域(FIELD)の各トップ200大学
      • 自然科学と数学
      • 工学と科学技術、コンピュータサイエンス
      • ライフサイエンスと農学
      • 臨床医学と薬学
      • 社会科学
    • 5分野(SUBJECT)の各トップ200大学
      • 数学
      • 物理
      • 化学
      • コンピュータサイエンス
      • 経済とビジネス

    (正しい訳を考えると悩む。フィールド=領域、サブジェクト=分野、くらいの感覚でいるんだけどどうなんだろう?)


    世界的な大学ランキングを探すとだいたいいつも一番最初に出てくるので
    注目度はNo.1なのではなかろうかと思います。



    さて、それでは方法を眺めていきましょう。

    まずトップ500と、各領域、分野のランキングでは
    スコアの計算方法が異なることには注意が必要。

    トップ500の場合はこんな感じ。

    訳は全体的にWikipediaから拝借しつつ、
    公開されいているメソッドとEUAのGLOBAL UNIVERSITY RANKINGS AND THEIR IMPACT(※PDF)というレポートに記述されていた内容もあわせて書いてみました
    • 受賞卒業生の数 [Alumni: 10%]
      • ノーベル賞もしくはフィールズ賞を受賞した卒業生数
      • 受賞者の卒業した年によって計算が変わる仕組みになっている。2001-2010であれば1、1991-2000であれば0.91981-1990であれば0.8…という感じ。古い受賞者ほど少ない点数。
    • 受賞スタッフ数 [Award: 20%]
      • ノーベル賞(経済学賞も含む)もしくはフィールズ賞を受賞したスタッフ数(受賞時に当該大学に所属していたスタッフの数)
      • 受賞した年が2011年なら1、2001-2010であれば0.91991-2000であれば0.8…。なお複数の受賞者がいる場合には、賞金額の配分と同じ比率で点数をシェアする。
    • 高被引用研究者数 [HiCi: 20%]
      • トムソンロイターによって定義された21の分野において特によく引用された研究者の数
      • それぞれの分野から250人ずつ。複数の所属がある著者には直接問い合わせる。
      • データはこちらから
    • ネイチャー誌とサイエンス誌に掲載された論文数 [N&S: 20%]
      • 両雑誌に発表された論文の数
      • 過去5年間の"Article"または"Proceedings Paper"が対象
      • コレスポンディングオーサーに1、第1著者(または第1著者所属がコレスポンディングオーサーと同じ場合の第2著者)に0.5、次の著者に0.25、その他には0.1という点数をつける。
      • 人文社会系の場合、N&Sではなく他の指標で置き換えられているらしい。
    • 論文数 [PUB: 20%]
      • 前年、Science Citation Index - ExpandまたはSocial Science Citation Index(論文等を探すための引用索引データベース)に登録された"Article"または"Proceedings Paper"の数
      • SSCIでカウントされる場合は2とする。
    • 規模 [PCP: 10%]
      • 上記5つの指標の総合スコアをフルタイムのスタッフ数で割った数
      • スタッフの数は各国機関(教育や統計の省庁など)から
      • 2005年に名称が変更。それまでは、Size of Institution。

    各指標の最終的なスコアは、最高値の大学を100とするように計算されます。
    例えば、仮にX大学のN&S352Y大学が398(最高値)だとした場合、X大学のN&Sスコアは352/398*100=88.4となります。
    つまり最高値に対する百分率で表示します。
    それに各指標の重みを考慮して最終的なスコアを出してランキング。



    領域(FIELD)ごとにランクを決める場合の主な違いは以下の通り。
    • 人文科学系は含まない
    • PCPは使わない
    • 工学分野ではAlumni,Awardの指標を使用しない代わりにFundという指標を追加
    • 「"各分野でImpact Factorがトップ20%に入る雑誌"に含まれる論文の割合(指標名:TOP)」が追加。各領域のトップ3大学の10%に満たない論文数しか出ていない大学はTOPを使わず、その分他の指標で代用されるらしい
    • 重みづけの比率が異なる
    分野(SUBJECT)ごとにランクを決める場合の主な違いは以下の通り。
    • コンピュータサイエンスと経済分野でチューリング賞が使われる

    だいたいこんなところでしょうか。


    個人的にはN&Sの部分の数え方がおもしろいです。
    この手の分析やる場合には「1論文につき1点になるように案分、複数著者がいる場合でも同じスコアに」というのが標準だと思っているのでそんなやり方をするなんて珍しいなぁと。


    あとTOPとかで出てくる指標の再重みづけ(its weight is relocated to other indicators)がどのような仕組みで行われるのかはっきり確認できなかったけれど、
    たぶんその指標を含めずに初期状態の重みに応じた増やし方をするんだろう。


    今の段階ではランキングをどうしたいわけでもないので細かいことはかまわないのですが
    このランキングで衝撃を受けたのは
    最新版ではハーバード大学がPCP以外の指標でスコア100(つまり全部1位)だってことですかね。
    指標のウェイトなんて大差ないという剛勇無双ぶり。

    Alumniは性質上むこう10年そう簡単に覆るものとも思えないし、2位とのスコアに開きが大きい上、HiCi、N&Sでもそこそこ2位以下を引き離しているから将来的な備えもばっちり。

    これを覆すには一流とされる大学が合併するぐらいのビッグイベントでもない限り厳しそうだな…。
    ケンブリッジとスタンフォードがこれだけのために合併したら笑うのになぁ。


    世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その1 ランキングの種類について

    この2月、3月あたりに学術雑誌関連会社の周りをうろつく予定の僕です。こんにちは。

    せっかく時間が空いているので
    ちょっと面白そうなデータと戯れるお手伝いをさせていただこうという魂胆です。

    作業内容はデータのチェックなので大変地味ですが
    せっかくある面白そうなデータをどう使ったら研究として役に立ちそうか、面白そうか、
    またはビジネスができるかなどを検討したところ

    一番手っ取り早く役立ちそうなのが、大学ランキング系評価指標関連な気がしたので
    改めて抑えておこうと思ったわけでございます。


    世界的な大学のランキングについては関心を持つ人が多いためか
    Wikipedia(世界大学ランキング-Wikipedia)に書かれていたり、
    日本私立大学協会附置私学高等教育研究所から
    世界大学ランキングの比較(※PDF)という研究報告書が出ていたり(2005年なので少し古い)、
    国立国会図書館のリサーチナビにも「大学ランキング(海外)」という項目にもまとまっていたり、

    英語版WikipediaのCollege and university rankingsという項や、
    EUA(European University Association)が2011年に出したGLOBAL UNIVERSITY RANKINGS AND THEIR IMPACT(※PDF)というレポートにある程度まとまっています。


    一通り読んでみたのだけれど、
    指標がよく変更されるためか古くて役に立たない情報も数多くあり、
    これは諦めて自分でまとめておくしかないというのも書く理由の一つです。


    ただ、僕の目的は上に書いた通りなので
    主に学術的な視点を含めた評価指標(論文数、被引用数がどうとか)が気になっており
    卒業生の活躍状況や就職、教育評価などの指標には今のところあまり関心がありません。


    そんなわけで次回以降のエントリで
    以下のランキングの指標について見てみることにします。
    1. Academic Ranking of World Universities (ARWU)
    2. THE World University Rankings 
    3. World's Best Universities Rankings 
    4. Leiden Ranking
    5. NTU Ranking (Performance Rankings of Scientific Papers for World Universities)
    6. Webometrics Ranking of World Universities
    7. University Ranking By Academic Performance
    8. SCImago Institutions Rankings


    ただ、世界的な大学ランキングについてまとまった資料をウェブ上で探すのは大変そうなので、
    ついでに今回は取り上げないことにした他のランキングもメモしておくことにします。

    こっちは詳細がよくわからないとか、関心のない指標だとかだいたいそんな感じです。

    • U-Multirank
    • EUがすすめる高等教育機関ランキングプロジェクト。2014年初めごろに出る予定らしい。詳細はまだらしいので今回はパス。
    • CHE University Ranking 
    • ドイツのCentre for Higher Education Developmentが行っているランキング。EUAの報告書では,Compact Ranking, Quick Ranking, My Ranking, Excellence Rankingなどの種類があり、多様な指標を使っている模様。しかしながらオフィシャルサイトで指標について詳しく書かれているページを見つけられなかったので今回は保留。資料によると、Excellence Rankingが一番複雑で、2段階の分析を行っている。1段階目は「足切り」で、Web of Scienceで論文が3千本載っている、各分野の平均的な引用される数より多く引用されている、ノーベル賞・フィールズ賞受賞者がいる、ヨーロッパの研究助成機関が行うプログラムに参加している…etc. などの様々な基準のうちいくつかを満たす「スター」の大学を割り出す。そこから選ばれた組織だけを対象に分析するらしい。あとCompact Rankingでは、学生や教員からの評判(6段階の尺度でアンケート)や研究資金なども見ている。
      U-Multirankに協力するようなことが書かれていたけど、どうなるんだろう?
    • U-Map classification
    • 主にヨーロッパの高等教育機関を対象に教育的な指標を中心としたスコアを視覚化しているところが新しい。方法としてはおもしろいけどパス。
    • High Impact Universities: Research Performance Index (RPI)
    • ウェブサイトが移転したかなくなったかで詳しくはよくわからずwikipedia情報になるけれど、h-indexの変化形であるg-indexを正規化してランクづけしているらしい。2010年のランクはある。g-indexはh-indexより好きなので見られないのが残念ではある。hやg以外にもjとかiとかpとか雨後の筍のようにわらわら出てた気がするけど、今度暇なときにまとまてみようかな。
    • Human Resources & Labor Review
    • ChaseCareer.Netが作っているランキング。どんな指標を使っているのかよくわからなかった。とりあえずリンク先でベスト50は見られる。"For full list of HRLR 300 and the new HRLR 500 universities ranking 2012, please contact us"とか書いてあるので、気にはなるけどめんどくさいなーと思っている。好奇心の方が勝ったら連絡してみようか…。 
    • Professional Ranking of World Universities
    • フランス語のサイト。国立国会図書館のリサーチナビによると"評価指標は世界のCEOと大学との関わりで、有名企業500社のCEOが在籍したことがある大学を調査し、独自の方法でポイント化しています。国別、大学別のランキング、また、各企業のCEOの学んだ大学一覧等を見ることもできます。"とのこと。今は手法的にあまり関心がないのでパス。 
    • Global Universities Ranking 
    • EUAの報告書から。ロシア語ヨクワカラナイデス。旧ソ連国をと他の大学ランキングの指標を参考にReitor(英語表記)という会社がランキングをしているらしいこと、だいたい毎年ランクのトップ3は変わらないことなどはぼんやり見えたものの、詳細が掴みきれないので今回は見送り。


    各国のランキング各種について気になる方は上記のリンクとあわせて
    リサーチナビの「大学ランキング(国内)」とか英語版WikipediaのCategory:University and College Rankingsなどをご覧になるのがよろしいと思います。


    そんなわけで、全10回程度かけて気になるランキングの指標について
    ちょっとだけ掘り下げていこうかと思います。



    (そういえば図書館の知財関連エントリも書く予定だったけど、どうまとめていいか全く分からなくなったのでボツになりました。見つけた小ネタとしては、「ブック墓」という斬新なものが一番の収穫。いろんな疑問はあるけどググると楽しいかも。あとリコーさんが強い。攻める気満々。それと最近韓国の企業が図書館用品の特許を日本で申請しており、今後の戦略がとても気になる。)