2011年4月28日木曜日

羊皮紙を触った感想を問う

羊皮紙工房さんから羊皮紙(一番大きいやつ)を一枚購入し
学生に触らせてみました。

その感触や素材の性質を学生たちはどう表現するのか? 
一部抜粋してみました。

  • 思ったより硬い。スクールかばんの中敷きより硬い
  • 丸めて保管するとくせがついて平らにするのが大変そう
  • パピルスより書きやすそう。折ったら割れそうなので扱いにくそう
  • 芸術の授業で使う厚紙と変わらない印象。一部ざらざらしている所もあり、動物性であることを感じさせる
  • 背骨の跡もあって普通の紙とは印象が異なる。
  • インクで文字を書いても染み込みにくそうで、これを使って書物を作っていたなんて信じられません
  • かたくてつるつるしていて水性のペンでは書けなそう
  • 鉛筆で書いても消しゴムで消えなそう。シリコンとプラスチックの間みたいな感触。
  • 犬小屋にある毛布のにおいがした
  • 紙が便利すぎるのかもしれないが、コスト面を考えると文字を残すには向いてなさそう。

ぜんぶ納得がいく感想かと尋ねられると悩むけど



個人的には、

  • プラスチックを3%ぐらい混ぜ込んで厚めの画用紙作ったらこうなりそう。
  • 折り曲げても割れはしないだろう。頑丈。"とても乾燥した皮"であることは間違いない。
  • 書きにくそうではある。書くというより彫りこんで染み込ませる感じなのかも?
  • 研究費で落とすつもりが自腹になってそれなりのダメージを受けるようなお値段というのは、コスト面で難あり


などと感じております。 研究費…。




いろいろ比較をして考えると、やはり紙というのはすごい発明なんですねぇ。

2011年4月27日水曜日

映画『格子なき図書館』を見たよー

研究活動の一環として
国立近代美術館 フィルムセンターに所蔵されている
『格子なき図書館』という1950年に制作された映画を見てきました。
外形的な話や映写方法については以前の記事をどうぞ(恥ずかしい間違いをしていたので一部修正しました))



この映画は図書館団体が上映会を行うこともあり、
ご存じの方もそれなりにいらっしゃるようですが、
上映会だと巻き戻しなどできないですからね。


時間の許す限り巻き戻しや一時停止を駆使しながらメモしてきました。

とはいえ有料の特別映写で、
せいぜい2回見る程度の時間しか確保できなかったため
メモの間違いがないことを祈るばかりです。

_______

まずビデオ全体の内容について。

黒一色の背景に
「U.S.I.S アメリカ文化映画 米国国務省提供」という白文字が
書かれているところから始まります。
USISというのは,
United States Information Service[米国文化情報局]のことです。


でも映像はカラー。
日本語ナレーションやBGMがあり、無声映画ではありません。

そしてアメリカの図書館ではなく
当時における日本の新しい図書館について紹介した映画です。

基本的な性質として、
戦前の日本の図書館を否定し、
先進的(アメリカ的、現代的)な図書館の紹介と普及を目的にしているそうです。
(大学の講義でそのように習った)


初めに古い日本型図書館を使う男性の不便さを見せて解説し(6分くらい)、
その後新しい図書館の体制やサービスを紹介するという
「比較」に重点をおいた構成となっています。


タイトルの「格子」とは書庫と閲覧室の仕切りを指していて、
それがなくなるということですから

"自由に書庫に出入りできる"

すなわち閉架(自分で書架から本を手にとって選べない)から
開架(自分で書架にある本を選べる)への変化を意味しています。


映画の中では、あくまで変化の一例として表現しているにすぎませんけどね。
(ただし、これが一番大きな変化とみなされている様子だった。)


_______


さて、古い日本型図書館がどのように描かれているかというと、

  • 開館前から図書館の前に人だかり

  • (資料が手に入るまで時間がかかることをみんな知っている図)

  • 館内の閲覧権交付所で閲覧権をもらってから閲覧室へ

  • (入場券 + 整理券みたいなものかなぁ? はっきりした説明なし。)

  • 索引カードを見て本を司書に頼む

  • (分類がすり切れていて1時間かかって本を選んだとか。分類法や索引法の否定ではなく、管理が行き届いていないことがアピールされていた)

  • 閉架式なので、司書が該当する本を書庫から取り出すまで待つ

  • (本を頼むのも受け取るのも同じカウンターの前なので混雑している)

  • せっかく手に入れた本が期待していたのと違う

  • (しかも読みたかった部分が切り取られている…)

  • 閲覧室で本を読む

  • (脱帽、禁煙と書かれていてがっかり)




ああ、自分で本を選べたら…



と、だいたいこんな感じの流れです。

閉架式というのは不便だねぇ。


現代の閉架式、国立国会図書館の場合は
事情が特殊でやむをえないところもあるし
閉架式=悪とは思わないけど。

_______


そして新しい図書館ですが、

大きく分けて、
  • 新しい図書館1の事例
  • 新しい図書館2の事例
  • 巡回文庫の例
について説明が行われます。


新しい図書館1はどこの図書館かわからないけど、
現代でいえば「町立の公民館図書室」みたいなイメージ。
広さ的には小学校の教室4つ分くらいに見えました。
(一瞬だったから自信ないです)

図書館の入り口にかけられた看板(○○道場とか書いてもよさそうな木材)から
以下のようなインフォメーションが読みとれました。

・土曜日午後
  ・子供会
  ・お話・紙芝居
  ・幻燈・映画など
  ・子供としょ館

レコード、コンサート

・定期休館
  ・毎週月曜日
  ・祝祭日
  ・毎月最終日


気になるところを赤くしました。
幻燈、現物は見たことないけどスライドショーらしい。


この図書館では週末などのイベントとして、
普段こどもの図書室にしている部屋を片付けて席を作り、
となりの部屋からフィルム映画を映写する、なんてことをやってました。

レコード鑑賞会やコンサートなどのイベントを含めると
現代でいうところの「公民館」と一体化している感覚ですね。

視聴覚機材、記録メディアの発展と共に
このスタイルはなくなったんでしょうけど、楽しそうでしたよ。




新しい図書館2(新潟縣立図書館)
「建物が古くても開架で入場無料は可能です」
とナレーション入りで紹介されている図書館です。

サービス面だけでなく、技術面、運営面も見せようとする構成。


新しく採用されたアルファベット式索引法が便利とか、
写真も本と同じように分類してファイルに綴じると良いとか、
利用者の希望はよく聞くべき、
地域の団体などともよく会議をすべきなどと説明されてました。

古いアメリカの雑誌に掲載された写真を切り抜いて
貼り絵を楽しむ子供たちの描写もありました。


単純に楽しそうではあったけど、
「すべての雑誌がアメリカのもの」だったことには
どんな意味があるのか… と考えてみたり。
物流や出版の状況も調べないとわからないけどね。


それと、
"新しくて忙しい仕事"として視聴覚ライブラリーの管理が紹介されていました。


僕の個人的な印象だと、今日の図書館では
"視聴覚資料"という資料は重視されていないようなんだけど
当時はまさに「目玉」だったんでしょうねぇ。

今回フィルムセンターの研究員の方にご紹介いただいた
「映画教室」という雑誌の昭和24年6月号に
"ナトコ"という機械を使った映像教育の事情や、
CIEの映画に対する当時の意見などが載っていてなかなか面白かったですよ。


ここで出てくるレコード保管用の什器にわくわくしたんだけど、今でもあるのかなぁ…?

引き出しが折れ曲がるなんてすごいなぁと思って再現図を作った上で、
意外と面白くない気がしてきた。




やっちまったかな…




あとは巡回文庫の例ですが

三輪バギーに本を積み込んで図書館長が直々に公民館で活動の説明をしたり、
舟にに本を積んでみたり
本を背負った3人組が雪山を歩く映像が流れていました。


なんか、たくましいですね。


その他移動図書館の例として
千葉縣中央図書館のBookmobileも紹介されていました。
(日本図書館協会から出ている『図書および図書館史』に写真があります)



最後に主張の正当性を強調するためか、
「仙台、新潟、長野、千葉、静岡、金沢、大津、神戸、高地、鹿児島では開架が始まっている」
とナレーションが入っていました。


僕の記憶では大阪の中之島図書館がCIE図書館の1つだと記憶しておりましたので
大阪が含まれていないのはなぜ…? と感じたけど理由は不明。
単なるうっかりかもしれません。


そして何の説明もなかったうえ特に大事ではないけど、
最後に閲覧室の様子を流している時に、
当たり前のように煙草を吸っている人がいました。

これも新旧の対比か?とは思ったもののはっきりわからずじまい。





だいたい以上のような内容です。

事実と感想の入り乱れるレビュー(というより感想文)
となっておりますので、わかりにくかったらすみません。


本当は図書館団体が映像を先方から譲り受けて
無料で動画サイトにでも公開してくれるのが理想なんだけど、
そんな話は聞いたことがないと仰ってたしねぇ…。

パブリックドメインとは一体なんなのやら…。 ふう…。

2011年4月23日土曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.9 (2011.4.23)

他大学で司書課程を担当されている先生に
本と図書館の歴史 ラクダの移動図書館から電子書籍まで』(リンク先はAmazon.co.jp)
という絵本をご紹介いただきました。


漢字のルビから察するに対象年齢は小学校高学年以上かもしれないけれど、
大人が読んでも司書課程の学生が読んでもためになる内容です。

(読むのに20分くらいかかる。)


そんなわけで、今回は通常の「月刊 図書館動画」に加え
この本で紹介されている図書館やサービスも探してみました。



一つ目はこちら。

แม่น้ำเจ้าพระยา ห้องสมุด/motelor(YouTube: 2010.10.31投稿 5分01秒)



「タイのチャオプラヤ川で2000冊以上の本などを運搬する水上図書館。 
海軍が政府教育相と提携し、役目を終えた艦船を図書館として利用している。」

などと紹介されている図書館の動画を探す途中で見つけたのがこちら。

元軍艦には見えないし、
説明文を機械翻訳にかけてみても違う気するけど、
”図書館船”だしいいかなぁって。


素朴な疑問として、インターネットの通信方式が気になります。
アウトリーチサービス時の通信環境ってどうするものなんだろう?

そして日本では「インターネットが利用できる図書館車」って存在するのかな…?



次はこちら。

Biblioburro- The donkey library/ayokaproductions(Youtube:2009.9.15投稿 5分20秒)※英訳付き




「ジンバブエにはロバの移動図書館がある」とのことで探してみたところ、
「コロンビアのロバの図書館」ばかりがみつかりました。

コロンビアであれば、
確か「言葉の力 読書の歴史」というDVDの第1巻の一番最後に
5分くらい紹介されていたはずです。

これは泣ける話なんですよ…。本当に。

このDVDについてもレビュー(というより感想)を
書こうと思っていたのだけれど、震災の影響ですっかり忘れてました。
近いうちにまとめますね。




その次。

Library puppets use drivethru/WLSDACT(YouTube:2009.10.2 投稿 2分27秒)




以前学生が「こんなサービスが欲しい!」と書いてきた
ドライブスルー貸出ですが、これはアメリカあたりで実際にあるのですね。

上記の本によれば、
シアトル公共図書館(リンク先は公式サイト)のドライブスルー貸出がICタグを使っていてすごい」らしいです。
(しかしウェブサイトを見る限りそんなにアピールしていないような…。)

とりあえずいろいろ探してみたところ、他の図書館でも
「drive through pick up」や「drive thru」などと表現されて
行われていたりする様子。

"図書館が閉まっているときでも自由に探して借りられる"となったら
貸出業務の発展ここに極まれりって感じですよね。

いや、人間いらないだろ。


それにしてもパペットがかわいい。
僕も結構上手にあやつる自信がありますよ。

まあ、book papetが夜中目の前に現れたら泣いて謝るかもしれないけど。

Book Puppet by Axtell/axtv321(YouTube:2008.1.25 投稿 38秒)




その他にも「バルト海では蒸気客船の図書館がある」とか
「シンガポールでは利用者の年齢に合わせた、例えば、ヒップホップがBGMの図書館がある」とか
気になる話もチラホラ。

軽く読んでおくだけでも面白い本です。




あとは話題になっていた動画など。

World Record Indoor Photo 360º Panorama - Strahov Monastery Library/360Cities(YouTube:2011.3.28 投稿 1分40秒)



この解像度…! デジタルアーカイブとしては最高ですね。
拡大しても文字が読めるとは…。

どちらかというと美術品向きだけども。


そして日本ファイリングのAuto Lib のMovieとかあったんですね。

その昔、講義で見せられた気もするので、(別会社かもしれないけど)懐かしいです。



あと、カレントアウェアネスポータルで二階建てに変身する移動図書館(オランダ)という記事があったので
動画を探してみたところ、2階建てを作ってる時の映像だけがみつかりました。




利用の仕方が特殊なわけでもなさそうだし、こんなもんなのかなぁ。

ちなみに「bibliobus」で検索するとちょっと変な動画もいろいろ見つかります。





気がつくと「目で見て楽しむ~」の方を放置しっぱなしで
更新は年4回なのか? という疑惑も生まれるかもしれませんが
もう少々お待ちください。

楽に管理できる体制が整ったら逐一更新できるようにしますので…。

2011年4月15日金曜日

図書館に関係する会社へ就職ってのはどうだい?

本が好きで司書資格をとったはいいが、
就職先候補を探すのにどう結び付くのかわからない、

司書になるのは難しそうなので
ひとまず関係のある仕事について様子を伺いたい、

結局この資格が何の役に立つのかわからない、

そんなあなたへのヒントを書きましょう。


司書資格を持つ人が興味を持ちそうな就職の方向性、その一例を!


現段階では特に企業を網羅するつもりがないから
身近でお世話になっていたり、
ぱっと思いついり、僕好みの企業を例として書いてあります。

あと企業ごとの事業が多岐にわたっていたりするので
上手な分類になっていないのはご愛嬌。


動機などの細かい話は下の方に書いておいたのでそちらをご参照。



  1. 図書館業務全般の支援

  2. 物流、人材、業務など様々な面から図書館をサポート。
    「総合的」な仕事をする大きな企業。
    図書館ソリューションと表現していることもある。
    個人的にはCHIグループが今後どうなるのか気になっている。

    例:TRCNECなど


  3. 図書館システム

  4. 1とやや不可分なところもある。
    図書館の資料や資産を管理をするためのシステムを
    作ったり売ったり保守したりする。IT色やや強め。
    大きいところはICタグとセットで管理してる印象もある。
    「オープンソース」が1つのキーワードでもあるのかなぁ。 

    例:日立リコーなど


  5. 図書館用品・家具・建築・機械

  6. 図書館で使用される備品や消耗品を製造・販売する。 
    開発は工学系の人がやるのかもしれないが、
    司書資格持ってる人が営業をやっても良さそうなもの。
    実際どうなのかはよく知らない。

    例:キハラ金剛日本ファイリングなど


  7. 資料の修復保存等

  8. 資料を製本、修復したりする企業。小さい会社も探せば多そう。
    どちらかというと学芸員、デザイナーが好みそうな職。
    でも図書館員だって興味はあるし不自然ではない。
     
    例:ナカバヤシATELIER SUZUKIなど 


  9. 取次

  10. 出版社と書店等の間で資料を流通させる卸業。
    電子書籍でどう変わるか気になる。
    自分の専門分野を持つ人は、
    学問分野を限定した専門取次などを探してみては?

    例:日販トーハン大阪屋、など
    よく知らないけど出版取次リンク集を見たら面白いかな?


  11. 書店等

  12. 本屋さん。大規模書店が攻勢、小規模な書店は厳しい。
    探せばいくらでも見つかるから例はなんとなく。
    今後を考えて明るくなる要素ってどうなんだろう…
    そういえば新古書店も伸び悩んでいるようなデータをみたしなぁ…
    うーん…

    例:紀伊國屋書店BOOKOFFなど


  13. 印刷

  14. まずは大手印刷会社の意外な事業から知るのも良さそう。
    デザインにこだわりのある人なんかが好んで受けてた印象。
    業界が大きいから図書館のことより情報を集めやすそう。

    例:凸版印刷大日本印刷など
      

  15. 製紙

  16. 紙を作るといっても、紙の用途は多様。
    知りたければ紙の博物館にでも行ったらいいです。

    例:日本製紙王子製紙など


  17. データベース、レファレンス資料

  18. 索引抄録のデータベースは外資や研究所や大学図書館が運営しているイメージ。
    化学、医療系のファクトデータベースも司書資格だけでは太刀打ちできなそう。
    ただし、事典や企業情報などはいけるかも?

    例:日外アソシエーツG-Searchなど


  19. 司書資格の教科書出版社等

  20. 司書資格用のテキストなどを出版する企業や、
    テキストではない図書館関係の本を出版する企業など。
    もちろん「テキストとしてお世話になったから」なんて理由を
    持っていっても採用はしてもらえないと思うけどね。

    例:樹村房勉誠出版ポルケ(採用していない)など。


  21. 学会運営代理

  22. 世の中には学会の事務局代理業という仕事があってだね…。
    「専門資料論」で学術業界を学ぶ事になっているので建て前にはなるかも?
    まあこの科目は来年なくなっちゃうけどね!
    ひとまず卒業研究くらいは経験してないときつそうかな…?


  23. その他

  24. 林田製作所:「図書館雑誌」によく広告が出ている自動車会社。
           図書館車って他にどこが作っているんだろうね。

    点字出版等:例えば『図書館年鑑 2010』だとP.626-627にリストがある。

    大学教員:最低でも修士号(または相当)以上が求められる様子。
         コネ採用も稀にある。
         図書館系は他分野に比べると就職しやすいと噂。




ざっと思いつくのはこんな感じですかね。
評判については、身近な図書館関係者に尋ねるのが一番です。

僕も知っていることはあるけど、オフレコじゃないと話せないよ!


該当企業名と採用状況を網羅したリストを作るとかなり有用なはずだけど、
さすがに僕がそこまでする必要はないよな…。

手元に材料がなくて面倒だからやらないけど、
材料がある環境で暇を3日持て余したら作る。(望み薄)

_________


おまけ。気力のある方向け。


僕がこんなものを書く目的は、
就職の相談にくる学生の視野を広げ、相談時間を短縮するためです。


学生の発言として出てくる「図書館に就職したい」は

・他に司書資格を生かす道がわからない
・レファレンス演習が楽しかったからそんな就職できたらいいな
・他の業界に比べて図書館が知的そうな気がする
・図書館司書にあこがれて、なんか楽しそう

そんなニュアンスの人が多いような気がします。


簡単に言えば「司書の仕事をわかりきらないのでイメージで語っている」状態です。

理由がそれだけなら、
司書資格=図書館と考えずにもう少し広い目を持つことも必要だと思います。



そこでリストは以下のような基準で考えてあります。

・図書館関係雑誌の広告、またはイベントで見かける職業
 (図書館などを営業対象として捉えている企業)

・司書資格を志望動機の一部にしても自然な職業

・大学時代の同級生、先輩・後輩が就職した中でIT色が薄めな職業
 (普通は司書資格をとってもコンピュータには強くならない)



そしてここまでやっておいてなんですが、

そもそも就職をするための志望動機というものは
体験や好奇心から自然に発生するのが望ましく、
他人が導くのは不自然な気がしています。


採用面接のときに、後付けの志望動機を説明しても

「気持がこもってないなー 口から文字列を吐かれてもつまらんなー」

という顔をされるのではないでしょうか?

(少なくとも僕は入試の面接時にそう感じたことがあります。
 学校の入試はそれでも、というよりその方が良い場合もあるんだけど。)



ですので、今回は視野を広げるためのヒントをまとめてみましたが

「そんな仕事もあるのかー」と感じたら
自ら業界の実情や採用状況、利害関係、今後の見通しなどについて
調べたり、考えたり、議論したりして、

最終的に心が躍ったら就職を目指してほしいと考えています。


好奇心を持ち始める理由なんて小さくても良いんだけど、
そのあと知識を深めるために動いて欲しい。

きちんと自分の知識にしてほしい。


当然「調べてみたけどなんか違った」ということもあるし
時間はかかるんだけれど、それが大切なことだと思います。



まったく…

だから早いうちから手を打つように言い含めているのに
間に合わなくなってから相談に来るんだからなぁ…(泣)

2011年4月6日水曜日

【企画原案】Arcimboldoの「Librarian」

さて、みなさんは
ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo)(リンク先はwikipedia)という人をご存知でしょうか。


リンク先を読んでいただければわかると思うんですが、画家ですね。

どんな画家であるかは代表作の一つである下の一枚から少しわかります。


Arcimboldo Librarian Stokholm

『司書』The Librarian、1566年


あとこっちは別バージョンです。

(after) Arcimboldo's 'The Librarian'



このブログを何度かご覧になったかたは

もうお気づきだと思いますが、


「再現したい!」というのが僕の主張です。


何となく似てるだけのもの作っても笑えるかなーって。



そしてもし許されるなら図書館のカウンターに座らせておきたい。

素晴らしき客寄せパンダとして。



と、まあこの写真を見たときからずっと温めていた企画だったんですが、

断念しまして、再現する前に企画を放出です。



なぜ断念したかと言うと、
本を集めるのに手間取りそうだったからです。


物理的な意味で本を大事にしている方に怒られないように、

この時期に図書館から除籍されて廃棄される本の中から
ちょうどよい本を見繕いたかったんだけれど、

若干間に合わなかった感がありまして。


こんなことして遊んでたら不謹慎とか言われそうで時期もイマイチですし。


あと、再現して写真を撮ったら、
wikipediaの写真群にこっそりまぜてみたかったけど
エイプリルフールがいつの間にか終わっていたし。

一年待つのもなんだかねぇ…。



上の方の絵だけですが、必要なものはざっと調べたんですよ。

____________

・部位:色(大きさ)×冊数  

※(大きさ)は「鼻」サイズを1とした時の本の高さ(height)の比。



・髪:赤(2)×1

・頭部:茶色(1.5)×5

・眉と目は太い針金で? あれ何だ? 

・鼻:茶色(1)×1

・ほほ:茶色(1)×1

・耳:小細工・紐でも通す?

・口:薄茶(1)× 2? どうなってるのかよくわからない。

・ひげ:はたきのようなフサフサ

・右腕上腕:赤(3)×1、 線綴本薄茶(2.5)×1

・カーテンでマントを。ビリジアン?

・ボディ横積み:薄茶色(1.5)×2、 (2)×6

・持っている本:薄茶色(1.5)×1、 (2)×1

・右腕下腕・上:薄茶色(2)×1  +しおり2つ?

・右腕下腕・下:白色(3)×1  +しおり4つ?

・腕より下にある本:色不明(2)×1 +綴じ具つき 


(1)というサイズを
カバーをとった岩波文庫の一冊とすると
ちょうど小柄な人の上半身くらいの大きさになりそう。
____________



こんなことに時間を使ってしまった…


そんな虚無感はあるかもしれませんが
もしやりたいという奇特な方がいらっしゃったらぜひどうぞ。

廃棄登録したあとの本なら工作に使ってもお金かからないし
いいんじゃないかと思うのですがいかがでしょうか。



あと「うちの本で遊んでいいよ?」という
これまた奇特な図書館員の方がいらっしゃったらお教えください。

諸事情によりゴタゴタしていますが
こんなことのために日本全国どこにでも飛ぶ覚悟はありますので。


覚悟だけで終わる可能性も高いけどね HAHAHA!

2011年4月5日火曜日

メキシコ国立自治大学中央図書館の存在感が圧倒的な件について

久しぶりに市の図書館をぶらぶらしていたら
死ぬまでに見たい世界の名建築 1001』という本をみつけました。


この本は、
世界のすごい建築物それぞれについてA5サイズ1枚で解説し、
写真約2枚と、その建築物に言及した有名人のコメントが添えてあるという
なかなかおもしろい一冊です。

遺跡も載ってるので楽しいですよ。



図書館関係では、

ラウレンツィアーナ図書館、
アレクサンドリア図書館(復刻)という有名どころや、

ラドクリフ図書館(詳しくメモするの忘れたけどたぶんこれ。)、
レン図書館(リンク先ページでWren library Tourをクリックすると少し楽しい)

など、日本ではややマイナーなところも載っていました。




しかしその中で抜群のインパクトを持っていたのが「メキシコ国立自治大学中央図書館」です(公式サイト)。

Universidad Nacional Autónoma de México(UNAM)Biblioteca Centralですね。


wikimedia commonsから持ってきた写真はこんな感じ。

UNAM Biblioteca Central


転載は控えたけど公式サイトに載ってる写真と説明の方が茶色くてインパクトあるね。

これはトップページから、上部メニューのAcerca de la Bibliotecaを選択し、
その中の El edificio (建物)と書かれた円をクリックして見られるページです。


そんなリンク信用ならん! とおっしゃる方は
日本語で「メキシコ国立自治大学中央図書館」を画像検索すればよろし。


僕は人を驚かせることができれば満足だし。



あと頑張ってサイト内を調べたところ

建物の外観をバーチャルで表示してくれるページがあったのでそれも紹介。

http://bc.unam.mx/cultural/inicio/vis_virt/main.htmlをクリックしたあと、

ページの左上、VISITIA EXTERIOR をクリックすると見られます。


地味だけどおもしろい。

というより
建築物としての価値を認められていることが分かっているなら
日本の図書館でもこのくらいしてくれるとみんな嬉しいだろうね。




それにしても… 

驚きのあまり記事にしてみたけど、何度も見てたら大したことない気が…?

思ったより普通…? 意外と… 可愛い…?

2011年4月4日月曜日

思わず感想を尋ねたくなる分類体系

司書を目指す人なら名前ぐらい知っているはず、
そんなふうに言われそうな「大宅壮一文庫」という図書館があります。

一般雑誌専門の図書館として有名、
というよりここが作っている
雑誌の記事を調べるための索引(Web版だとWeb OYA-bunko)が有名で、


その分類表を授業の資料にでも使って

「分類表の中から"民主党"という項目を探し、その位置づけが適切か、'分類表を維持することが可能か'という点を含めて考察しなさい」とか、

そんなレポート課題を出したら面白いかなー などと検討してました。



まあ、検討のうえボツなんですけども、その過程で、

「紀伊國屋書店ビデオ評伝シリーズ 学問と情熱 第14巻 大宅壮一 : 無思想の思想」(38分)
というVHSビデオ(DVDでも発売されている)を見たりとか、

戸田 光昭,"索引の研究(8) : 大宅壮一文庫の索引(その1)". 文化情報学 : 駿河台大学文化情報学部紀要 11(1), 39-44, 2004-06を読んだりしたわけです。



ここで今回のタイトルの話に繋がるのですが、

上記の論文(教科書執筆するほどの先生が書いている)の最下部で、
大宅壮一文庫以外の「雑誌図書館」として
六月社という私立の雑誌専門図書館について書かれております。

大宅壮一文庫の「日本で唯一の雑誌専門図書館」という触れ込みに疑問が生まれる、
というのはさておき、


その分類(上記リンクの"事項インデックス・リストのタイトル一覧"から見てね)が、
NDCを見慣れているとけっこう驚く作りでして。



雑誌記事の索引語管理は

・固有名詞が多くなりやすい
・流行に依存する部分が大きい
・でも雑誌を捨てる気がないなら索引語が増える一方
・どこに分類するのが適切なのかわからない記事が多い

など、勝手な想像ではそんなイメージなんですけど、
それを差し引いても興味深い形。


コレクションを見てみないと、
どのような分類体系が適切なのか判断しきれませんし、
非難をしようというつもりはないんですが、

(使う人が使いやすい = 良い分類、良い索引語 
 だと思っているので良し悪しは外野が判断することではないはず)


NDCに慣れた方などはこれを見てどんな感想を持つのか、
それがとても興味深くて、書いてみた次第です。


個人的には、
分類体系や分類表を作り、それを維持する方の労力に
普段から感謝しつつ仕事をしないといけない、ということを改めて実感しました。


いやぁ 図書館世界の持つノウハウは本当に、本当に偉大なんですね