2011年1月30日日曜日

TEPIAビデオライブラリーと私(1)

大学時代の友人から「先端技術館@TEPIAで、DNPが作ったAR対応の電子書籍を見た!」というメールが入ったのは2日前のことでした。

初めて聞く「TEPIA」という語を調べたところ、
これは「機械産業記念事業財団」のことを指している単語で、
先端技術館は博物館に近い施設らしいこともわかりました。

AR電子書籍はテレビかネットで見たことあったような…
と思いつつ、気になったのはビデオライブラリーの存在。

かなりの数にのぼるビデオなどを所有し、一部はインターネットで公開している様子。


ならば仕事に使えそうなものを探すっきゃねぇ! と思い立ち
館内公開作品リスト(※PDF)を見ながら興味深いタイトルを表にまとめたわけです。


作品番号タイトルサブタイトル上映時間(分)企画制作年度
87生まれ変わる古紙なし12日本製紙(株)2000
380コンピュータ・グラフィックスで見る 古代の文明と都市の構造なし46 大成建設(株)2000
2526ユビキタス特集「今そこにある未来」なし7(株)日立製作所 情報・通信グループ2003
2808データ管理の新しい時代へSUNRISE Universal Storage Platform6日立製作所(株)2004
2930デジタル世界と実世界をつなぐサイバーアシスト未来を創る科学者達30文部科学省2003
2936非接触ICカードが拓くネットワーク社会 椎橋章夫未来を創る科学者達30文部科学省2003
2968機械翻訳プロジェクトなし14(財)国際情報化協力センター1994
3150インターネットのしくみ身近な情報システムのしくみ8(社)電子情報技術産業協会2007
3153未来の情報システム身近な情報システムのしくみ8(社)電子情報技術産業協会2007
3155永遠のフロンティア~人間を見つめて情報学~情報学者 長尾真科学の殿堂30文部科学省 科学技術政策局2006
3363自由への支援なし17e-filing研究会 セントラル法律事務所2007
3679情報通信・エレクトロニクス産総研が拓く未来17(独)産業技術総合研究所2008




これらのうちインターネットを通して見られるのは(PDF形式のリストを確認する限り)、380、2526、3363、3679のみ。



それを見てメモしておいたのが以下のものです。


コンピュータ・グラフィックスで見る 古代の文明と都市の構造/大成建設(株)(TEPIAビデオライブラリー:2000年 46分)

図書館史で使えそうな感じだったらいいなぁと思いつつ見てみる。
思ったより建築の話だった。
僕は歴史とか建築とか好きなので勉強になったんけど、学生に見せたら寝そう。

図書館関連の授業とはほとんど関係なかったし、
ストリーミングのせいかもしれないけど画質と音質がイマイチなので授業では使えないかな…。
ちなみに構成はこんな感じ。

1分30秒頃から メソポタミア ウル
10分40秒頃から エジプト アブシンベル神殿
12分07頃から インダス ドーラビーラー
20分頃から   ギリシア アテネ アクロポリスの丘
22分30秒頃から 始皇帝陵墓
28分58秒頃から ローマ帝国 コロッセウムと水道施設
32分56秒頃から ヴェネツィア
35分39秒頃から モンゴル帝国の首都
40分41秒頃から アステカ文明 テノチティトラン




ユビキタス特集「今そこにある未来」/(株)日立製作所 情報・通信グループ(TEPIAビデオライブラリー:2003年 6分20秒)

女性編集兼カメラマンが主人公になって斬新な形態の雑誌を作るという、「ユビキタス」の未来を描いた作品(雑誌は架空のもの)。
「記事にICチップをつけて、それをケータイで認識することによりテレビで動画を見られる雑誌」は斬新だと思いました。はい。
制作費用面、通信障害のリスクを含めて考えると
動画を見せたければ付録でDVD-ROMをつけるというのが現実的な案だよな…、
とは思うものの「情報化社会」を説明するのに手っとり早く使えそうな映像です。

ん? そういえば最近は「ユビキタス」って言葉あんまり聞かない気も…?




自由への支援/e-filing研究会 セントラル法律事務所(TEPIAビデオライブラリー:2007年 16分1秒)

療養のために実家に帰った女性を主人公にした、情報社会の行政サービスを描いた作品。
インターネットで診察というシーンも最初に出てくるけど、
インターネットを通した行政相談、手続き、裁判、傍聴のシーンが中心。
タイトル通りだね。

しかしインターネット傍聴ができるシステム
(エンドロールを見る限り公民館で見てる設定らしい?)
というのは… 陪審員制度と合わせると大混乱を生みそうな…?

僕には技術面、法律面において「現実」と「理想」の線引きができなかったため
授業で見せるのは少々厳しいと判断。



情報通信・エレクトロニクス 産総研が拓く未来/(独)産業技術総合研究所(TEPIAビデオライブラリー:2008年 16分13秒)


産総研の通信・機械分野の紹介ビデオ。
人間型ロボットHRP-2・HRP-3、地球観測用システムのGEO Grid、
映像から異常行動などを検出できるシステムCHLACなどなど面白い技術が目白押し。

おもしろいんだけどコテコテの通信関係だったので図書館とは遠すぎた。
図書館業界にとって通信技術の発展は気にかけるべき世界だとは思うんだけどさすがに。






よし、残りは来週現地に行って確認するとしようか。


ここは地獄の1丁目、
自らに課した義務である春休み映像視聴マラソンはまだ始まったばかりだ…!

2011年1月27日木曜日

Q:新しい図書館サービスを書きなさい【2年目】

今年もテストを通して学生と真剣勝負をする季節がやってきましたね。


これは「図書館サービス論」という科目のテストを使って
学生のアイディアを引き出す企画です。
(昨年の記事:Q:新しい図書館サービスを書きなさい

簡単に書くと「全く新しい図書館サービスを書けたらテストに加点する」
(この問題に触れなくても満点がとれる)というものですが、
以下のようなサービスは得点対象外としてあります。

・既知のサービス(既知=ここでは教員が知っているサービス)
・実現不可能なサービス
・図書館にふさわしくないサービス

つまり、
"授業で説明されたサービスはすべてしっかり抑え、
自分の頭で実現可能かつ適切なサービスを考え、
事前に調査し既存のサービスであるかチェックする"ことで得点を狙える問題です。



「それができるなら、おまけ問題に手を出さなくても高得点がとれるだろ…?」

というのは言わないお約束だ!



さて、この課題をお互いに楽しむために、学生たちには前もって情報を提示しています。


僕がどんなサービスを知っているか、
どのようなサービスはふさわしくないか、などですね。

「ふさわしさ」は図書館に希望するサービスのアンケートをとり、
それらについて解説をおこなって終了。

既に知ってるサービスについては授業中に随時説明していますが、
それ以外に、最近見た中での印象的なサービスを教えておきました。
(長くなるのでこの記事の下の方にまとめてあります 。)



結果として、興味深い回答は以下の2つでした。


  1. 地域住民の自費出版本を図書館で預かり、専用貸出システムを作って管理運営。読んだ人の反応を書きこめるようにする。


  2. 図書館利用者の個人所有資料に各種装備を施すサービス。特に「フィルムでコーティングする」など。
   



1つ目はAmazonのレビューみたいなイメージでしょうか。
「レビューを書く」という機能は、いわゆる次世代OPACで実装してたはず。

しかしこれは、図書館に集まる利用者層の特徴をうまくとらえ、
コミュニティサービスに図書館が役立てる可能性も踏まえ、
Amazon他ネット通販系も手が出にくい資料に目をつけた回答。

地域資料に目をつけるあたりが素晴らしいと思いました。

実際に図書館で行われているかもしれないけれど、知らなかったからヨシ。



2つ目は、装備のほとんどをTRCなどに頼ってる公共図書館が多い中で
期待するのも難しいとは思うものの、個人的にとても欲しいサービス。ブッカー。

例えば日本ブッカーがビジネスでやっていたりするらしいとか、本の修理イベントで実際にやってもらうとかは聞いたことがあるけど、
図書館で恒常的にやってくれたら嬉しいのは確かですね。

誰かが無料でやってくれるなら、もしくは専門家が教えてくれるなら、
きっと喜ぶ住民は多いことでしょう。



そういえば高校時代に学校の図書室で作業してたっけな…。
そうか…。フィルムさえ手に入れば自分でもブッカーかけられるのか。


よーし、大学の図書館でフィルム頼んでみるか!



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学生に向けて提供したヒント

カレントアウェアネスポータルがネタの中心です。


まず音楽配信サービス
広島大学図書館が音楽配信サービスの提供を開始
(カレントアウェアネスポータル2010年11月8日付けの記事)

33万曲以上を聴き放題:岐阜県の高山市図書館、音楽配信サービスを開始
(ITMedeia 2008年9月16日記事)

これ自体は必ずしも新しくはないけど、
リンク先の記事で出てくるNaxosについて調べてみると
日経トレンディネットの2010年12月07日付の記事として
ナクソスが定額制映像配信!デジタル戦略、クラシックレーベルならではの強みとは?というものがあります。

これはつまり、これから図書館で映像配信が実現する可能性があるってことになるわけですよね…?


あと、横浜市山内図書館、資料の有料宅配サービスを試行(カレントアウェアネスポータル2010年12月16日付けの記事)
もそれなりに衝撃だったのでいろんな意味で今後に期待しています。


イベントとしては、
香川県丸亀市立図書館、ライブラリーウェディングを企画がその後どうなったのか続報に期待してますし、

E1127 - 「ぬいぐるみの図書館おとまり会」現場の様子と舞台裏(日本)
に僕も混ぜてほしいし(主にポーズを決める自信がある)、

全国各地の図書館とJリーグのクラブチーム等との連携事業も今熱いみたいなので紹介。


他にも電子書籍の貸出とか、保育士の資格を持った司書が読み聞かせをするとか
チャット・Twitterを使ったレファレンスサービスなども、
既知なサービスとしてと説明をしておきました。

2011年1月20日木曜日

図書館博物館なるものがあるらしい

ここ最近はシラバス書いたり、テスト作ったり、
センター試験の監督やったりバタバタしてたけれど、

その間に去年の秋ごろから積んであった本(まだあと7冊くらい残ってる)のうち、

情報検索アルゴリズム』や『知はいかにして「再発明」されたか』などを読んでいました。


そして研究関係の論文もまとめなきゃいけないにもかかわらず、
積読の解消をしたくてしょうがなくなり、
次に
Google PageRankの数理 最強検索エンジンのランキング手法を求めて
という本を読み始めたのであります。



で、本文に入って1ページ目に、
"(前略)…スウェーデンのボロースにある図書館博物館のように…(後略)"という文があり、
これが気になって調べたところからタイトルにつながります。



chromeでスウェーデン→英語に翻訳しながら見てみたんだけど、


図書館の名前はスウェーデン語でBiblioteksmuseet(ウェブサイトへのリンク)、
英語名はLibrary Museum。そのまんまだ。

ボロースは"Borås"と表記するようです。


ウェブサイトや紹介動画によると、
「スウェーデンの公共図書館とその関係者の活動がわかるような博物館」らしい。

非営利団体らしいことや理事(board)について書いてあるものの
運営に関しての詳細なことは見つからなかった。

コレクションは図書館や教育機関や個人からの寄付らしく、
リストを見た感じありとあらゆる図書館関係物を持っている様子。

家具、貸出システム、資料などなど。



動画(英語版)を見たところ

例えば本をしまうための箱(動画の2分10秒あたり)や、
検索・貸出用の謎の機械(4分35秒あたり)、
初版(?)と思われるちびくろサンボ(6分40秒あたり)なんかもあるらしい。



あとスウェーデンの公共図書館のカード(利用者カードかな?)を
集めるプロジェクトもおこなわれていて、
以下のURLからカードのデザインが見られます(※PDF注意)。

http://www.biblioteksmuseet.se/sites/default/files/media/lanekort_samling.pdf




日本にもこういう施設はあるんだろうか… 聞いたことはないけど… 



でもおしゃれカードグランプリが開かれたり、
趣味でコレクションしてる人がいてもおかしくはないんだよなぁ…
(見ず知らずの土地でカードをもらう大義名分は気になるが。)


おもしろがって自分で集めるのも悪くないけど、
積んである本がいっぱいあってそれどころじゃなかったし、
そのうち時間のあるときに
本腰入れて日本の図書館利用者カードを収集している人を探してみようっと。

2011年1月11日火曜日

春休み行動計画

あ、えーと、気が付いたら新年が始まって11日も過ぎてました。

寒中見舞い申し上げます。
最近めっきり寒くなったので皆さまもご自愛くださいますよう。


今回は新春らしく、
このブログに関する「今年の目標」と「昨年の反省」「直近の企画」を書きます。


まず「今年の目標」更新頻度をあげる。これに尽きます。

今年は本格的に研究生活を再開するから
あまりこのブログにばかり時間を割けないわけですが、
だからこそ頑張りたいと思いまして。

目標は週一以上。 さっそく1週目で失敗したけどな!

これからもギリギリ役に立つ可能性がある
怪しげなネタ記事を積極的に生産していく所存です。
図書館の世界にとって重要なことは
図書館への愛にあふれる人の仕事だと思ってるから手を出す気になれないしなぁ。



「昨年の反省」としては、
個人での取材より多人数での見学が多くなってしまったこと。

多人数で見学すると、
自分が思いつかなかった質問に対する回答も聞けるし、
待遇も良くなるし、他人の企画に乗っかるだけで調整が楽なんだけど、

やはり自分のペースで観察と質問ができなくなることも多いし、
得られる情報も、元から対外的に公開している情報であることも増える。

その辺のバランスをとっていきたいところです。
特に撮影目的のときは個人で企画を立てないとダメだ。


他には、1記事あたりの文字数がだんだん増えてることも問題。

もう少しシンプルに書いていこう。
最初はもっとシンプルだったのに。どうしてこうなった。



あとは直近の企画。時間のかかるものばかりなのが悩みどころ。


  • 図書館の取材、見学

  • 取材、見学の約束を取り付けた大学図書館1ヶ所、中高一貫の学校図書館1ヶ所。行きたい図書館はあと5か所あるけど暇がないかも…。


  • 図書館関係VHS・DVDレビューマラソン

  • 確実に100時間を超えるVHSやDVDの山を片っぱしから見て授業に使えるか検討し、レビューを書く。甘く見積もっても苦行。


  • 古代オリエント博物館、紙の博物館

  • 古代オリエント博物館でレプリカ粘土板が、紙の博物館でパピルスが買えるらしいという噂を聞きつけた。来年度の授業のために買いに行くしかない!


  • 司書課程の勉強をすることでメリットの出る仕事を調べる。

  • どうすれば司書資格を無駄にしないで職業に生かせるか考える。そのわき道を探すことこそ、このブログの主要な目的。




実際はこれらのこともこなしつつ来年度の授業を作って
(もっとも怖いのはカリキュラムが改定される再来年度)、
なおかつ研究を進めて、今まで手を出していない領域の勉強もする生活。

 …。


こ、ことしの目標は最初の週でつまづいちゃったし、更新はほどほどでいいかな?