2011年12月31日土曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.16 (2011.12.31)

暮れも暮れの大みそかに研究室から久しぶりの更新です。

忙しくて先月末は(ついに)更新しそびれてしまいましたが、
年末はきっちり締めたいところ。

今回は11月・12月合併号ということで。


5百万冊の本から学んだこと/(TED:2011.sep投稿 14分09秒)


カレントアウェアネスポータルでも
Googleが持つデジタル化された本をN-gram(文章を文字数で切り分けて"語"にする手法の一つ)で分析して、面白い講演を公開しています。
親切な方が日本語訳を付けてくれておりますし、技術的に詳しくなくても笑えるから大丈夫です。
見なきゃ損ですよ。




ビブリオバトルの紹介/Scienthrough(YouTube:2009.11.12 投稿 1分10秒)

ビブリオバトル面白いですよね。
公式サイトのチュートリアルビデオを真っ先に見るのがよさげですがここでは紹介動画だけ。

実演動画もいろいろ出てきますので、学生にもいろいろ見せたいものです。
読み聞かせなどと違って著作権的な気の使い方もしなくていいみたいですし。

僕は紹介とかがあまり得意ではないので
自分でやることにはためらいがありますが、

今後紹介方法が体系化されていったら
ブックトークやアニマシオンと肩を並べる存在となっていくのではないか
という点で楽しみにしていたりします。



MANGA vs MANGAROID : Speed Battle/DrMangaroid(YouTube:2011.12.08 投稿 1分05秒)

マイナビニュースで
タブレットの方がよく読めるという結論だそうで。

んー… 
「『紙とタブレットの差』が『読めるページ数などの差を決めた』」と
結論付けるためにはちょっと早いというか、
動画としては単に美人を見る動画かなぁと思ったり思わなかったり。

でも一つの結果として気になるのでここにメモしておきましょう。



その他気になることとして、
STI Updateにカナダ: 科学誌はYouTubeそっくり(記事紹介)という記事がありました。

映像でみられる学術雑誌(査読つき)の話です。
映像で表現することの意味を考えるための材料として非常に役立つ記事だと思いました。

映像で表現することの必然性、有用性、問題点は
以前からとても気になっていたので。

しかし魚の手術動画を見たのは初めてです…。
目に注射を打つところをアップで見るとか、けっこうなインパクトですよ…。
今後改めてこの雑誌の存在を詳しく調べてみようと思ってメモ。





あんまり面白動画を探している時間がなかったけど、今回はこんなものでしょうかね。
ぼちぼちネタ切れになりつつある気がしますから
じきにこの企画も終わりが近いのかもしれません。

来年も世の中にいろんな動画が生まれることを祈って今年はここまで。

あと6時間くらいしかないけど
この記事を2011年中に読まれた方はよいお年を。

2011年12月6日火曜日

「世界のブックデザイン2010-11」に行ってきた

ちょっと出かける用事のついでに
印刷博物館で行われている「世界のブックデザイン2010-11」に行ったのでメモ。

そのうち授業のネタになるかもしれないですし。


概要と様子に関しては、ブック・アサヒ・コムの記事がありますし、
僕が書く必要はないでしょう。

会場のP&Pギャラリーは紙と鉛筆しか使えない場所で、
ゆっくり見ている時間もなかったので気になった本だけをピックアップ。

メモが間違っていたらすみません。



まずは受賞作から。

Atlas of Transformation (チェコ)


本中の重要なキーワードで表紙・裏表紙・背が埋め尽くされている本。

審査員がどう評価していたかは忘れたけれど、
本を開かなくても中身が想像できるというのはなかなか機能的だと思います。

さすがに「該当ページにジャンプする」という索引の機能までは持っていなかったけど。

(僕のメモにはAtlas Trans formanceと書かれているけど、改めて探したら見当たらなかった。メモが間違っているのかもしれないけど、表紙のデザインは確かにこれだったはず。)



von einem der auszog das furchten zulernen

白以外の3色だけ使った書かれた絵本。
「危険なこと」の絵だけが延々と載っている。インパクトが大きい。

amazon他いろいろ試したけど画像が見当たらなかったので
上記ブックアサヒコムの記事中【「世界のブックデザイン2010-2011」の展示を写真特集で】というリンクをクリックして見られる写真の、
「受賞作」の上から4段目の4枚を参照していただくということで。


Gerd arntz graphic designer (オランダ)



and willem
ブックアサヒコムの記事中【「世界のブックデザイン2010-2011」の展示を写真特集で】の
「各国のコンクール入選作」の上から2段目、左から2番目。

顔がないってのも逆に気になるものだなぁ。




今度は受賞作以外。

where next with book history(オランダ)


お使いのPCは正常です。
画像中の小さい四角形部分だけで版型が決まっているわけではありません。

著者david mckitterick氏は大学の先生らしく、その最終講義用に作られたとか。
でもISBNはついてるのです。



Ik leer je liedjes van verlangen en aan je apenstaartje hangen
動物図鑑みたいな絵本。文字もけっこう書いてあったような。
内容はさっぱりわからなかったけど。

ブックアサヒコムの記事中【「世界のブックデザイン2010-2011」の展示を写真特集で】の
「各国のコンクール入選作」の上から3段目、左から2番目の画像です。




あと日本の造本装幀コンクール関係のものも置いてありました。

もうすぐ絶滅するという紙の書物について


とか

リュドヴィック・ドバーム絵のジキル博士とハイド氏
ジキル博士とハイド氏ジキル博士とハイド氏
作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン / 絵:リュドヴィック・ドバーム / 訳:リュック・ルフォール【再話】/こだま しおり【訳】 / 出版社:小峰書店絵本ナビ



とか


赤の書



とか


テニスの王子様完全版


などなど。


デザインの面白さだけでなく、
発色やフォントなども評価されているようで、なかなか奥深いと感じました。


本当は一覧とかがあればよかったんだけど、
企画もとであると思われるLeipzig Book Fairのサイト(http://www.leipziger-messe.de/LeMMon/buch_web_eng.nsf)ほか、いろいろ見てもよくわからなかったので諦めました。


上記以外にもいろんな本がありますし、
気になるという方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

(入場無料。2011年11月12日~2012年2月19日まで開催。→詳しくは印刷博物館のサイトへ


2011年11月18日金曜日

図書館総合展で気になった商品とか企業さんとか。

先日行われた図書館総合展に1日だけ遊びに行きました(初日の11月9日のみ)。

司書資格の取得を目指す学生に
図書館がどんな企業や技術に支えられているのか見てほしかったし、

僕は僕で面白い商品や見学先の候補を探して、今後の授業に役立てようと思いまして。

後者の方が本当の目的で学生を連れ回しただなんてそんなまさか。
授業のためどころか、最悪の場合ブログのためにしかならない可能性もあるとかそんなまさか。



そんなわけで、気になった商品や見学のお願いをしたところなどをメモしておきます。

あと、下の方におまけを書きました。よかったらそちらもどうぞ。

___________


  • 文生書院さんの、「本の小口に傾斜ができると見える絵」をデザインする技術がなかなか面白かった。

  • イマイチうまく説明できていないけれど、参考までに同社のブログ内を"小口絵"で検索した結果をリンクとして貼っておきます→(こちら


  • 山口県あたりで「読書通帳」なるものが発行されるようになった(参考画像 ※PDF)
    という話は聞いていたけど、
    日本ブッカーさんがえらくカワイイ読書通帳機『ブックキッズ』を展示していました。

  • 残念ながら同社のサイトには商品説明の画像がなかったようなのですが、
    「身長150cmのPAPERO」の顔部分にモニタがついていて、腹のあたりに通帳の出入口があるような感じ。
    (PAPEROってのはこれ。かわいい。)

    あと同社の図書殺菌機、「ブックシャワー」は
    殺菌し終わったあとに、ほんのりアロマの香りがしていました。
    これも1つのアイディアですなぁ。


  • 内田洋行さんではオイテミンホンなる高性能書架も展示されていました。

  • 文字入力をしなくても、ICタグ付きの本をかざせば関連書籍のデータが得られるという優れ物の書架。
    データベース・アルゴリズム的な意味でその手の仕組みはあったけど、書架ってところがすごい。
    ICタグ屋としてのイメージが強かったけど、
    オイテミンホンに限らずIT図書館システム「ULiUS(ユリウス)」の全体像もすごいですね。


  • 雑誌の製本でお世話になっているナカバヤシさんのブースで、製本・修復現場の見学をお願いしてみました。

  • 工場が関西にあるため関東で見るには厳しいかも、
    という話を頂きつつも前向きに検討をしていただけそうな感じ。どうなるか楽しみ。
    ちなみに、ブースで案内してくれた方が勤務先の担当営業さんだったことは後から知りました。
    衝撃です。


  • Libkawaiiな服を着ていたり、カーリルとコラボしていたり、
    展示で強い存在感を放っていたキハラさんの所では、
    電動アシストブックカートブンブン6の全長と止まり方に対するこだわり、本棚から本が落ちる可能性を減らす安全安心シートの開発話などいろいろ解説頂いたうえ、
    防災用ウェットタオルや、可変式展示用イーゼルなどをいただきました。充実してます。さすが老舗。


  • 授業の一環としてうまく時間が確保できれば製本の講義をお願いしようと思っていて、キハラさんには事前にその許可を頂いているのですが、
    授業として時間が取れなかった場合には図書館関係の友人たちでも集めて2、3月ごろにお願いしよかなと思っていたりもします。
    勉強、勉強。


  • プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパンさんの大量脱酸システム:ブックキーパーは以前から知っていたのだけれど、
    国際特許ってのは初めて知りました。見学も可能とのことで、今度あらためてご連絡差し上げることにしました。



  • 新図書館建設を巡っていろいろニュースになっていた中津川図書館さんも出展されていました。

  • 見学が可能かどうか尋ねてみたら、ご相談には乗っていただけそうな流れでした。もし行くとしたらゼミ合宿とかのタイミングかなぁ??


  • 雄松堂さんでは、ガードルブック(wikipediaへのリンク)という、ベルトにひっかけるような形態の「祈祷書」が展示されていました。

  • 後日改めて、同社サイトの西洋稀覯書ページでも案内されている『丸善・雄松堂世界のファクシミリ版目録』と参考資料をいただきました。
    レプリカなどを積極的に集めようとする図書館じゃないと手が出ない額ではありましたが…。


  • あと読売新聞社のブースではヨミダス歴史館の2週間無料トライアル用パスワードをもらったり、毎日新聞社の毎日フォトバンクの紹介を聞いたり、というのも収穫でしたね。




他にもいろいろ回りましたが、特に面白かったのはこのあたりでしょうか。

ブースを回るのは時間と体力が必要だということはよくわかりました。
次までには体力をつけたい。
__________


おまけ。

勤務先は今年の夏に図書館システムを入れ替えたばかりだし、
滅びゆくキャンパスだから設備には予算が下りないし、
新しく作るキャンパスの方はもう新規業者の食い込む余地がないみたいだし、

何より僕は図書館員じゃないので、営業かけられたところで予算の執行権がないという、


ど う 見 て も 冷 や か し 



…なんですが、

初日の午前中から行ったせいもあるのか、
片っぱしから捕まりまくり、盛り上がりまくりでした。

企業の方と話すのも楽しいですよ。


各種企業さんとお話させていただいて感じたのは、

  • 専務・営業部長・代表取締役・館長など強い肩書の人が展示の説明にでていることもけっこうある

  • 頂戴したカタログを見ると、「図書館だけ」を相手に商売している企業は意外に少ない?

  •   (たとえば什器を展示しているところだと、オフィス用品の開発販売会社だったりする。逆にこれら企業の事業を統計とったりして分析すると図書館業界の違った見方ができるかもしれないですね。おもしろそう。)


といった点でしょうか。

現職の図書館員のみならず、
学生が就職したい会社を探るための場としても活用できそうですね。

きっと新卒採用のための合同企業説明会よりは楽しいでしょう。この業界志望なら。

なんなら「事前エントリの上で簡単な面接」とかやり始める企業が出てもいいくらいですよ。



あとスタンプラリーをうまくこなすために「人間の壁作戦」(※)が有効であることも確認しましたので、必要な場合はうまく使っていきたいです。

(※)昼過ぎくらいに現れた、「おたくのブース興味ないけどスタンプ押して!」という空気を全開で放ちながら練り歩くオバさま集団(図書館とは関係なさそう)の後をさりげなくついていき、スタンプを集める作戦。たいていの場合企業さんに捕まることなくスタンプだけもらえる。ただし何か大事なものを失った気持ちにもなる。それが何かはわからない。それにしてもギリギリな感じの作戦名だ。



さて、今月末は動画集め忙しくなりそうだなぁー

2011年11月14日月曜日

自費出版図書館へ取材に

もう1カ月くらい経ってしまいましたが、
ちょっとした興味から「自費出版図書館」さんへお邪魔してきました。
サイトはこちら

久しぶりの取材活動です。


以前大学の図書館で自費出版本を発見した際、
それまで目をむけたことがなかったことに気付きいたのが
取材交渉のきっかけです。
(その時のエントリ=図書館のわき道:『図書館の敵』


「自費出版編集者フォーラム JEF」というサイトの
"本づくりのいろは 自費出版書の献本を受けつける施設"などを見ると、
自費出版資料を集める施設はいろいろあるようなのですが、

今回は特に自費出版に特化した施設として、
自費出版図書館さんに取材をお願いするに至りました。


図書館業界のニッチをせめることはこのブログの目的の一つですしね。


どのような図書館なのかは名前から想像できる部分もあるでしょうが、
まずはサービスも含めて基本的なことをいくつか書いておきましょう。


  • 月・水・金曜日の12:00-17:00に開館していて、入館無料

  • 蔵書は25000冊程度

  • 職員数は2人

  • 以前は資料の郵便貸出もやっていたが、現在は館内の閲覧のみ




しかし僕のような人間にとって気になるのは「公立図書館と異なるのはどのような点か」です。

扱う資料が専門的であるということは、
資料の収集方法や蔵書構成、資料組織・管理面、サービスなどについて
ごく普通の公立図書館とは異なっている可能性が高くなるはずだと思っておりますからね。

今回もそのあたりを中心にいろいろ見たり聞いたりしてきました。


資料の収集方法について
基本的に自治体や個人から送られてくる資料を受け入れているとのこと。
受入基準などは設けていないため、基準による受入拒否もしていない。
対価を払ったりすることもないそうな。

自費出版に強い会社としては、
新風舎・文芸社・碧天舎などがあったが
(そのうち二社はもうない。調べると怪しげな話がいっぱい。)
そのあたりの資料は国立国会図書館へ大量に納本する割に、
自費出版図書館へははあまり入ってきてないらしい。

それと最近は地方から送られてくる自費出版本が多い感があるとのこと。


商業出版物の購入を軸とする図書館とは違いますね。

あ、別ルートで重複する資料が入ってくることがあるのか確認しても面白かったですね。
思いつくのが遅かったな…。


蔵書構成について
2005年3月に、当時の理事長であった伊藤晋氏が同図書館の蔵書についてまとめた『データでさぐる自費出版のすがた ―自費出版書は独自の文化財―』という資料を頂きました。

この資料から気になるところを抜粋してみると、


  • 調査時の蔵書は21,274点

  • 文芸書が約47%で一番多く、次いで戦争体験・自分史などの個人体験が約20%、遺稿追悼・宗教が約11%、歴史が約6%、研究書が約6%、教育・趣味が約5%、美術・芸能が4.4%、資料・一般書が1.5%

  • 2001年以降、年々文芸書の比率が上がっていた

  • 個人体験というジャンルの中では、自分史が約41%・戦争体験が約26%で大部分を占める


  • 著者の平均年齢は62.9歳。60歳の著者が最多、次いで多いのが70歳。年齢を横軸、所蔵点数を縦軸にプロットすると、60代あたりが山頂になる山ができる。ちなみに、ジャンルを[自分史]に限ると70歳あたりが平均年齢になる。(もっとも、年齢が不明だった資料が約44%もあるようですが…。)

  • 性別比は、男性が61.1%、女性が25.1%、その他(共著・団体・不明)が13.8%。

  • 著者の住所として最も多いのは東京で、30%弱。関東在住者を合計すると50%を少し超える割合となる。(著者の住所が判明した資料は91%程度)


  • ※2005年当時のデータで、その後組織の改編等もあるため現状を表しているとは言えないところに注意。


図書館の蔵書統計として著者の年齢や性別の表・グラフを見たのは初めてかもしれないです。

しかもそれがコレクションの全体像をつかむために
とても参考になるというパターンも初めてな気がします。新鮮です。

戦争体験の資料もけっこうあるものの、書き手が増えるとは考えにくいため、
今後の比率は変わるかもしれないとのこと。なるほど。

出版地の分布については
比率だけでなく各都道府県の人口で標準化したらもっと面白そうかも。

あと、年齢分布を見ると定年退職者の活動の一つとも考えられますが、
団塊の世代は個々人の考え方の差が大きいのか、
世代的な人数の割には自費出版資料が少ないように感じるという意見もいただいています。


資料組織化・管理面
『データでさぐる自費出版のすがた ―自費出版書は独自の文化財―』では
ちょっと特殊な独自の分類体系によって資料を分けています。

一番大雑把な分類として"ジャンル"があり、それを細分化するために"第一分類"があり、
さらにそれらを細分化する"第二分類"があり、またそれらを細分化する"第三分類"があるという
階層構造です。


"ジャンル"と"第一分類"だけ下記のような形で書いておきましょう。


    _ _ _ _
    例:
    <ジャンル>
  • ジャンルの中の第一分類1つ目、同2つ目、同3つ目…

  • _ _ _ _

    <個人体験>
  • 戦争体験、自分史、伝記、旅行記、滞在記、闘病記、障害・福祉、トラブル


  • <歴史>
  • 世界史、日本史、県史・市史、地方史、郷土史話、聞き書き、企業・産業史、店史、校史、神社仏閣史、組織史


  • <文芸>
  • 小説、随筆・雑記、詩集、句集、歌集、川柳、…


  • <美術・芸能>
  • 写真集、画集・画論、芸能、音楽…


  • <研究書>
  • 国語・国文学、外国文学、医学、数学、哲学・人生論、政治、経済、…


  • <教育・趣味>
  • 教育、自然観察、茶道、華道、スポーツ、登山、家庭生活、…


  • <遺稿追悼・宗教>
  • 遺稿・追悼集、ビジネス、宗教


  • <資料・一般書>
  • 自費出版資料、自分史資料、一般書



んー  一番ぐっときたのは「店史」かな。
他の図書館分類では見かけなさそう。分類に詳しくないけど。


なかなか興味深い分類体系ですが、
現在は図書館的な分類法(NDCの第一次区分表/類目表のレベル)によって並べられておりました。
そっちの方が探しやすいのだそうで。
特殊な分類の方が面白いからちょっと残念です。

自費出版物などは
MARC(大雑把にいうと検索・管理用に使う資料のデータ。)などが
あるとは限らない資料ばかりなわけで、分類やら登録が大変。

そもそも商業出版物と違って
書誌事項(タイトルとか著者とかのデータ)がきちんと書かれているとも限らないし、
目録作成において通常の図書館より苦労するのは間違いなさそうです。

MARCが買える・ダウンロードできるということがいかに便利なことか、
それができない場合どれほど大変か、
図書館の関係者だったら想像がつくでしょうね…。


ちなみに、
図書館や情報系の資料があれば読んでみたかったので頑張って探したのですが、
詳細な分類記号が付与されていないのと、
ほとんどの資料はタイトルから内容を想像できないという実に悩ましい問題によって断念しました。難しすぎ。

これも資料の特殊性によって引き起こされる問題の一つでしょう。


力を入れていること、検討課題、その他
その他インタビューで伺ったことなどいろいろメモ。

  • "りらいぶサロン文庫"という、定年を迎えた方のサロンとして役立つ資料を揃えたコーナーがある。ここには商業出版物も置いてあり、特に自費出版にはこだわっていない。

  • トラブルを起こした出版社があるので『自費出版 失敗しないための心得』というパンフレットを作り、自費出版の支援を行っている。

  • ニッチの発掘&評価を積極的に行うため書評に力を入れている。今年は震災の影響で1回になっているものの、通常は年4回程度『りらいぶジャーナル』を発行したり、ウェブサイトでレビューを行ったりしている。



  • 将来的には資料を電子化して館内での閲覧用として提供したい。

  • OPACへアクセスできない点を改善したい。総合目録への加入も興味はある。


  • 自費出版図書であっても出版社によってはISBNもつけるし、amazonで手に入る場合もある

  • 一般の方から所蔵の問い合わせがあったり、マスコミ関係者が戦争体験の資料を求めてやってくることもある

  • 特に類似の図書館と連携・協力はしていない。



今回の感想。

図書館で自費出版資料をどのように扱っているのかよくわかってないですが、
自費出版物が目を向けられにくいとしたら


  1. 資料の出版点数が少ないのであまり意識していない

  2. 資料の質に疑問を持たれている

  3. 自費出版の編集者も商業出版物ほど質にこだわっていなさそうだし、
    著者も大部数で多くの人の目につかせることより、
    記録に残すこと・出版することそのものを重視している?
  4. メジャーな流通経路に乗らない資料のため、存在していることが分かりにくい。

  5. 図書館は商業出版物の対応だけでいっぱいいっぱい



こんなところかと想像しております。あくまで想像ですが。


資料組織・管理面のところでも書きましたが、
取り扱うためにマンパワーがけっこう持っていかれそうな印象もありますし、
小さな図書館だとスペース的にもきついんじゃないだろうか…。

そんなわけで想像に想像を重ねると、

図書館では
”希少な資料ではあるが貴重な資料とまでは言い切れず、パフォーマンスを考えると扱いにくい”
とされているのではないか、という予想。

当たっているかどうかまったくわかりませんが。


図書館司書の資格を持っていれば、
「知的・文化的な記録物を保管するのも図書館の大切な仕事だ」
なんて話は授業でやっているだろうし、
少なくとも僕が今住んでいる自治体の図書館では
地域資料(郷土史や地域にゆかりのある人が書いたもの)の収集はしっかりやっている。

それに扱いにくかったとしても
公立図書館的が「地域密着」を掲げる場合や、
大学図書館的が「特定のジャンルを網羅すること」を掲げる場合には
関わってくる資料だとも思いますしね。

どうなんだろう。


とりあえず
著者にとっては、著作権による金銭的な保護より
多くの人に見てもらうことを希望しそうな資料であるため、
商業出版物より電子出版との相性が良さそうだし、今後の動向が気になるところです。
(過去のものについては孤児作品が壁になりそうな感はあるけど)


ただ、国立国会図書館が以前行った「納本制度60周年アンケートの結果」の、特に(5)あたりを見ると
出版社から図書館までの資料の流通経路を確保するためには課題が山積みかもしれませんね。

"納本対象となるような(立派な)出版物は作成していない、何が納本対象か分からなかった"
なんて意見があるというのは、流通事情以外の問題ですし。


今後どうなるかはわかりませんが、
電子出版周辺の話題としても、
図書館の話題としても動向に注目したいところです。

2011年10月31日月曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.15 (2011.10.31)

ブログを始めて2年弱、危うく全く更新しない月になるところだった…。
_________

今月興味深かったのは"Occupy Wall Street"に図書館ができたってニュース。

医療テント、「図書館」も出現/47News:2011.10.22のエントリ(1分42秒)
動画のオリジナルはロイター通信のもの。

Occupy Wall Street - Library and March(リンク先はYouTube)という動画を見てみたんですが、
どうやら9月30日には図書館らしきものができていたみたいです。

The NewYokerのブログによると、きちんと訓練された司書はいるが、誰が何を借りたかチェックしていないらしい。
そのため人気本が何なのかはっきりはしないけど
マンガは飛ぶように人気がある、という状態らしいです。

政治とか経済とか思想の本ではないのか…。

日本では長期的なデモってあんまり聞かないので
比較対象がよくわからないんだけれど、僕が思いついた派遣村関連では、
「年越し派遣村」のニュースを機に図書館海援隊が作られたみたいな話しかみつからなかったです。

それにしても
金融系のビジネス書が置いてあったら燃やされそうなもんだけど、
そんな資料がないか、意外と冷静なんだろうか。
利用状況を見ないとわからないけど、気になります。


今月はニュース分が多めですが、
造本装幀コンクールの話題もニュースになってましたね。

千代田図書館 美しい本がいっぱい/tokyomx(YouTube:2011.10.25 投稿 1分07秒)


東京国際ブックフェアでも展示されていたような気がします。
(去年の入賞作品だったか、今年のノミネート作品だかは忘れたけど)

あと、上の動画内で見られた切断面が青く染められた本は
「もうすぐ絶滅するという紙の書物について」(ウンベルト・エーコ著)です。

個人的には、
先日図書館で借りたけど読んでいる暇がなくてそのまま返してしまった本です。

やっぱりあれは特殊な「装丁」だったのだね。

Amazon.co.jpみたら
____
2011年「第45回造本装幀コンクール」(主催:(社)日本書籍出版協会・(社)日本印刷産業連合会)で、
最高賞である文部科学大臣賞、日本書籍出版協会理事長賞をダブル受賞!
____
とか書いてありました。

「タイトル」「著者」も気になったから借りたんだけど、
やっぱり手に取るためには「装丁」も大事な要素ですね。



地震直後の手書きの『石巻日日新聞』、米国の報道博物館へというニュースをカレントアウェアネスポータルで見て、
報道博物館“Newseum”の動画を探してみました。
一例はこちらです。
Newseum/nsiderPerks(YouTube:2009.8.16 投稿 3分14秒)


歴史の重みに触れるアイテム満載の予感。どのように飾られたんだろう。

関係はないけど、
関連動画として「International Spy Museum」なるものが挙げられていて、
妙に心をくすぐられました。博物館楽しい。


次は笑顔でハロウィン用のカボチャを加工する動画。

NYPL Pumpkin Carving: Happy Halloween!/NewYorkPublicLibrary(YouTube:2011.10.26 投稿 2分07秒)


NYPL(ニューヨーク公共図書館)じゃなければスルーするところです。
そしてNYPLのシンボルマークをかたどったことに気付くまで
だいぶ時間がかかってしまった。

図書館の中では火気厳禁の可能性が高いし、
カボチャに火をいれるイベントなんてやるのかな… うーん…?

と、思いNYPLのウェブサイトを見たら、
イベントを検索するページにいろいろ載ってました。

検索結果はこちら

いずれ見返すと内容が変わっているかもしれないけど、
僕が2011年10月31日に確認した限りでは、
「Monster Movie Fest」とか、「Halloween Arts & Crafts」とかやってますね。

そのほか、Halloween用に「千と千尋の神隠し」のレビューが書いてあったりします。

結局、火を使うイベントをやるのかはわからなかったものの、
ハロウィンに対して全力である心意気は伝わりました。



あとはGoogle が作ったWebGL Bookcaseが面白かったです。
Chrome Experiment - WebGL Bookcase/Google(YouTube:2011.10.11 投稿 35秒)


気になる方はWebGL Bookcaseを試してみると良いですよ。Chrome以外のブラウザで動くのかはよく知らないですが。



その他





さて、近況としては
「シラバス18種作成 ~仕事を減らすように頼んだら増やされたでござるの巻き~」の一言で、
なんかいつまでたっても楽にならないという謎。不思議。

担当科目の新カリキュラム対応はこつこつ準備してたけど、なんだかねぇ…。

若さと体力をとりえに仕事に就いた僕なので、これからもその二つを削って頑張ります。


ちなみに次回は先日取材に行った自費出版図書館の話をまとめる予定です。
途中までは書いてあるけど、まとまった時間がとれなかったものでして。


ともあれ今回はここまで。

また次回をお楽しみに。

2011年9月30日金曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.14 (2011.9.30)

今月は豊作な様子。
本に関する動画探しは来月に回しましょう。


ITメディアで時代遅れになった品を展示するネット博物館として紹介されていたMuseum of Obsolete Objectsがかっこいいのなんのって。

YouTubeのチャンネルで見るのが一番かっこいいけど、
ここではサンプルを一つだけ貼っておきましょう。

Compact Cassette/MoooJvM(YouTube:2011.8.30 投稿 2分05秒)


僕はこれをみて「あるある!」と言える世代ですが、
さて何歳下までだいじょうぶかな。

とりあえず、上記のチャンネルに登録されたいずれの動画でも、
基本的な使い方と利用上ありがちな欠点がわかるような構成。
音楽、動画の作りともに素晴らしいです。


COOLといえば、こんなのもみつけました。

NZ Book Council - Going West/TheNZBookCouncil(YouTube:2009.11.18 投稿 2分11秒)


タイトルの意味するgoing westの意味をしっかり捉えきれていないんだけど、
go west だと、同名の映画があったり
死ぬとか、太陽が沈むとか、役に立たなくなるとか、そんな意味も持っている様子。
難しい。

New Zealand Book Councilというのは公式サイトらしきものを見る限り国立の非営利組織みたいですね。
図書館との直接的な関係性はよくわからなかったけど。



ところで、今アメリカの図書館では"禁書週間"が行われています。
簡単な内容はカレントアウェアネスポータルの記事を見ていただくとして、
まずは今年のプロモーション動画でも見てみましょうか。

Banned Books Week 2011/ThomasUniversityTU(YouTube:2011.9.15 投稿 3分9秒)


もうひとつのプロモーション動画の方がメッセージ性は強いですけど、勢いのある方がいいような気がするね。

関連する動画としては"virtual read-out"という禁書の朗読などをする動画が集められていたりします。ちなみに一番再生されていたのはウーピー・ゴールドバーグがちょっと語っている動画です。


同じくカレントアウェアネスポータルに
公共スペースを読書空間に変える“The Uni”プロジェクト(米国)というエントリが出てましたね。

ちょっと気になってThe Uniのサイトを見ると
本を寄付してもらったり図書館家具を作ったりして、
どこにでも青空図書館をつくれるようにしよう、という発想のプロジェクトみたいです。

ベンチ(兼本棚を雨風から守るカバー)を作ってる動画がflickrにあがってました(part3まである)。
意外に手作業の大量生産。素材は何なのか、とても気になります。

日本にも、というか僕の生活圏にも欲しいなぁ。
ベンチでのんびりしながら読書とか最近やってないなぁ…(遠い目)


その他、気になったのは以下に。

  • 「かっこいい図書館について教えてほしい」と言われたときのためにアメリカに点在するかっこいい大学の図書館10パターン/GIGAZINE もクリップしておきたい。


  • 動画ではないけど、こころ踊るサイト:製本のひきだしあらわる。Web機材展のページで動画があれば最高だった。欲を言えば製本史もまとめて欲しいという気持ちもありますが、授業には使えそうだからよしとしましょう。


  • アメリカの著作権集中管理団体「コピーライト・クリアランス・センター」(Copyright Clearance Center、CCC)が、著作権法の基本を解説したビデオ(Copyright Basics Video)を作ったらしいので見てみた。基礎的な内容。英語にそれほど強くない人でも、著作権のことを知っていれば伝えたいことはわかりそう。


  • STI UpdatesOA支持の研究者 vs. 商業出版社(アニメ)という記事がでる。しかしアニメである必要は… いや、実写だと殺伐とするから悪くはないのか…。気になる方はこちら→Scientist meets publisher: the video




ふぅ 何とか月末までに間に合ったか。

サイト右上部を何とかしなきゃとは思いつつ今月も放置しっぱなしですが、
また来月をお楽しみに。

2011年9月29日木曜日

シンガポールの図書館がうらやましいです

先日ちょっとした縁から「シンガポールの図書館政策 情報先進国をめざして」という本を頂きました。

「シンガポールがおこなった『Library2000』というプログラムとその結果」についてまとめた、A5判、本文145ページ(うち40ページくらいが写真)の3時間くらいで読めそうな本です。

ちょっとGoogle界隈を見渡してもレビューがいくつか見当たりますので、
ここではお礼を含めた簡単な感想と紹介ということで。



読んでみて特に印象に残ったのは、
徹底的な改革志向を貫くための人材マネジメントの話です。

一部分引用しますと、
首脳陣や管理職は「愚かなアイディアというものは存在しない。あらゆることが可能であり、少々のルール違反は許される」ことを、あらゆる機会を捉えて職員に告げる(p.47)

なんて書かれてました。

びっくりするでしょ? そしてうらやましいでしょ?


何せ改革時に及び腰になりがちな上の方から改革をせよときたもんだ。

さすが図書館を重視して国ごと改革を目指しただけある! ってもんです。



後半には写真付きで各図書館の紹介もありますが、特に面白いのはこのあたりでしょうか。

  • ジョロン広域図書館の「円形の迷路」(p.109)。床に書かれた半径2mくらいの円の内部に迷路を作り、中心に置かれた本棚を目指す仕組み。こどもが好きそう。


  • 十代の若者が地べたに座って読書をするスペース(p.111)も興味深い。みんな靴はいてるのに。


  • 貸出冊数に応じて回す権利がもらえるルーレット、Spin and Win(p.116)。あたれば文房具などの商品がもらえるらしい。


  • library@esplanadeという芸術系の図書館にある、ピアノ演奏専用スペース(p.118)と演劇で使われた衣装のディスプレイ(p.119)


  • トーア・パヨーコミュニティ図書館にある、船の形をした児童用書架。船の外壁が書架になったような形をしているけれど、内側にも入れるらしい。(p.129)



そのほか、ジョロン広域図書館(Jurong Regional Library)で行われている
Verging All Teens(V.A.T.)とよばれる若者向けサービスの体制もおもしろいです。

10代のボランティアと国立図書館局のスタッフが組んで
サービスを計画・運営しているようです。
10代の心をひきつけるため、
漫画とかポップミュージックを含む資料選定にも若者が参加するそうな。


V.A.T.に関連する資料を探してみたところ簡単な公的資料が見つかりました(PDF,3ページ)。

FaceBookのアカウントもあるみたいです。



日本でもいろいろな図書館サービスが展開されていますけど、
新しいサービスをどんどん打ち出すほどの組織体制にはなっているのでしょうか。

興味深いところです。

2011年9月27日火曜日

「屏風は双という単位で数えるんだって。」「そうかい!」

法令上、司書資格をとるために必修となる資料組織演習という科目があります。

これは図書館に受け入れる資料から
タイトルなどを抜き出したり、分類などの記号をつける科目なのですが、

演習と名がつく通り学生に課題を頑張ってもらう時間も多く、
教員にも暇な時間があったりします。


そこで今日は『日本目録規則(NCR)』という
「検索用のデータベースや目録に登録するデータのとり方に関するルールブック」みたいな本の、

巻末についている用語解説集を読んでました。


授業では時間の都合などにより図書や雑誌のデータのとり方が中心になり、
それ以外の資料のデータのとり方についてはあまり踏み込まないため、

用語集で引いたことがない用語もけっこうあるのです。


ということで、今日初めて勉強した用語はこちらでございます。


  • 隻 ― 左右一対の屏風の,一方だけを数えるときに用いる語。

  • 双 ― 左右一対の屏風の,対を単位で数えるときに用いる語。

  • マイクロオペーク ― 縦および横の方向にマイクロ画像を収めた不透明な材質のシート。

  • 目首 ― 目次の冒頭の語句。

  • 屋号 ― 近世において出版を業とした家の称号。一般には商家の屋号も入る。

  • 零本 ― 欠巻・欠冊が多くて,残存部分が少ない資料。端本。
(『日本目録規則 一九八七年版 改訂三版』付録6 用語解説 より抜粋)


どうも僕の人生では、片手で数えられるくらいしか出番がなさそうです。

まあ、そこが楽しいんだけどさ!


出版用語な気もするけれど、目録用語は奥が深いですね。



ところで、改めて用語解説やら他のルールを眺めていたら、

「カタロガー(データの登録などをする人)にとって最も苦しい資料は何か」について

とても気になってきました。


単純に考えると、
"何も書いてない資料"、"発音が想像できない謎の言語で書かれた資料"
あたりかとは思うのだけど、

形やら、入手条件やら、出版形式も含めて考えないと…。


よし、そのうち「もっとも難しい架空の資料」の条件を割り出すチャレンジをしよう!


この企画が有意義かどうかは別にして、勉強にはなるだろうし、おもしろそうだから。

余裕があったら実際にその資料を作ろう。


そして、その時のタイトルは
「半人前が目録規則に挑戦状をたたきつける」とかにするんだ。

あ、なんかワクワクしてきた!


2011年9月5日月曜日

おすすめDVD 『言葉の力 読書の歴史』

久しぶりにやって参りましたDVD紹介のコーナーです。
(本当は2カ月前に書くつもりだったんだけどネ!)

________

今回紹介するのは『言葉の力 読書の歴史』という作品です。
2009年にカナダのノマド・フィルムで制作されたDVDで、全4巻。
1巻あたりの値段は18,900円。時間は各52分。
日本語字幕は株式会社ポルケ、販売は紀伊國屋書店です。

アルベルト・マングウェルを案内役として
(「読書の歴史 あるいは読者の歴史」という本を執筆しており、そのレビューはインターネット上にもちらほら)
読書との向き合い方や魅力、必要性などについて描いた作品です。

一言でいえば、読書の歴史にまつわるドキュメンタリー映画と考えるといいかもしれないです。

上映会をやっている図書館もあるようだし、
「読書」に興味を持っている一般の方が見ても楽しめる内容だと思います。
個人的には、司書課程を勉強する学生くらいが適したレベルだと考えてますけど。


4巻のDVDはそれぞれ異なったテーマを持っています。ざっとこんな感じ。
ホントは細かくメモをとったんですが、まとまりきらなくなるので簡単に。


  • 第1巻『読書の魔法』

  • 文字を使う文化・文明の発達にまつわる歴史と、
    「記録をする」「集めて保存する」「読む」ということの意義についてまとめられています。

    ラスコーの壁画、メソポタミア文明のくさび形文字&粘土板、
    "ギルガメシュの叙事詩"の紹介から始まり、

    新アレクサンドリア図書館の創設者による「知識を手に入れる環境の必要性」の解説、

    知識の保存にキリスト教と修道僧が果たした役割や、
    "聖書を自分の頭で解釈する"という読書法への変化、

    内戦の続くコロンビアで活動している「ロバの移動図書館」の話などがあります。


    個人的には、
    "正しい書物の読み方"を考えるために作家A・J・ジェイコブズがおこなった
    聖書の教えを実際に全て守ってみるという体当たり企画が面白かったです。
    「聖書ほど間違って理解されている書物もない(だからみんなが正しく同一の理解することは難しい)」
    という結論に達してましたけどね。


    この巻を授業で使うなら、
    図書館史で西洋の歴史を一通り勉強した後に見せるのがよさそうです。




  • 第2巻『読書の可能性』

  • 読書ができないとどうなるのか、読書をすることで何が起きるのかがテーマ。
    文字が読めない、本がないことが引き起こす不便について事例を交えながら紹介しつつ、
    最後は「読む」という行為を脳科学的・神経学的にとらえて解説もします。


    カナダで先住民族に行われている読書支援活動から、
    (先住民族以外も含めて、カナダでは成人の6人に一人は文字が読めないそう。)

    ポンペイ遺跡で発見されたパピルス荘といわれる図書館の解説、

    読書を巡る「J・G・ハインツマン vs D・ディドロ」の論争を再現した演劇、

    絵文字的言語(漢字とか)と西洋のアルファベットに使われる
    脳の領域についての検証(脳の使い方は違うらしいですよ。)など。


    文字を知らずに苦しんできたミセスの言葉、
    「郵便物さえ親戚の家に行って内容を教えてもらわないとわからない。
    文字が読めないことは外に出られないことと同義で、
    引きこもるしかないから外の世界を知らない」(意訳)に衝撃を受けました。

    そして締めの言葉として語られる、
    「満ち足りた人生へのパスポート、それが読書なのです」という言葉の重み…。


    識字や読書の重要性、効果について実感ができる一本。
    司書課程の授業で使うなら児童サービス論や学校図書館系の科目でしょうか。



  • 第3巻『禁じられた読書』

  • 「検閲と表現の自由」の話。
    表現の自由の必要性やその難しさ、貴さが描かれています。

    イスラム教の予言者を(風刺的に)漫画に書いたことによるデンマークの暴動や、

    「ボヴァリー夫人」「チャタレー夫人の恋人」などに代表される性的なために禁書とされた本をを巡るいざこざ、

    ナチスドイツを巡る諸々の言論統制とべーベル広場の焚書の映像、

    バングラディッシュ、インド、トルコ、エジプトなどの政治的な弾圧と検閲、
    (エジプトは政権崩壊前の話であることに注意が必要)

    ネットワークのアクセスブロックや検閲を回避してアクセスを確保する研究についての説明など。

    最後に、Googleが中国政府の検閲に荷担しているのでは?という話も少し出ていたけど、
    2010年には状況が変わったのでDVDを見るときは補足が必要でしょう。


    命を狙われる恐怖から生まれる「自己検閲」は検閲ではないのか、
    他者が不快に思うことを書いても表現の自由として許されても良いのか。
    なんとも難しい問題です。

    法律で権利を認められている日本で「表現の自由」を叫ぶ人のうち
    それまでの人生を捨て、土地を失い、命を狙われ、住むところを転々としながら
    戦い抜く人が何割いるかわからないけれど、
    その数字がはっきり示される日はこないで欲しいものです。僕だったら自信ないですから。


    授業としては「図書館の自由」の話とセットで使うと良さそうです。



  • 第4巻『読書の未来』

  • 「資料保存とその体制」が作りだす読書の今後について。

    ドイツのマインツにあるグーテンベルク博物館で技術者が金属活字の解説したり、

    修復家が酸性紙、木材パルプの問題について説明したり、

    フランス国立図書館、アメリカ議会図書館の取り組みを紹介したり、

    物語の進め方を読者が選ぶという体験型小説「誰でもアリス」の作者や
    日本の携帯小説家ヤノ・フミ氏と読者、出版社へのインタビューなどがあります。
    (時間がなくてあまり調べられなかったので、このあたりはよくわからなかった)

    あとグーグルの電子ブックプロジェクトについて、
    一企業に任せるというのはどうだ? 利益に走ったらどうなる?
    という公共性や安定性の話なども出てきます。
    もちろんそれほど専門的な話ではないですけども。

    もし授業で使うなら、図書館史の最後や図書館情報資源概論などが良さそうです。





自分の授業のどこに組み込むかは悩ましい問題ですが、
知的なものを好む学生には受けそうなDVDですので、積極的に見せたいです。

入手可能な方は一度ご覧になってはいかがでしょうか?

2011年8月31日水曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.13 (2011.8.31)

あれよあれよと13回目。

今回はこちらから。

想像力育て本に親しむ ぬいぐるみの「図書館お泊り会」/tokyomx(YouTube:2011.8.3 投稿 5分10秒)


ぬいぐるみのお泊まり会は日本でもすでに先例がいくつかあるはずですが、
動画は立川市の錦図書館における事例です。

カワイイねぇ こどもも、ぬいぐるみも。

それにしてもさすがTokyoMX。誰が見てもわかりやすい構成。いいなぁ。


続いてはこちら。図書館に新しくマスコットがやってきたらしい。
ヤダ、この新人モコモコしてる… などと言いながら眺めましょう。

Bellevue Library's New Mascot/cpetit1950(YouTube:2011.4.1 投稿 3分32秒)


Bellevue Libraryというのはこちらのことでしょう。

どうやら動画投稿時点では名前が決まっていなかったようですが、
その後いったいどうなったのだろう。

というかウェブサイトにそれらしい記述が見当たらなかったけど、
彼(彼女?)は図書館専属のマスコットなんでしょうか。
よくわかりませんが気になります。


ついでに図書館のマスコットキャラが動き回る動画などを探してみたんですが、
手ごたえはいまひとつ。あるにはあるんですが…。

シンガポールのDINOとかは動画があっても良さそうなもんなんだけど、
「撮影する」段階からなされてないのか、
「インターネット上でアップしてアクセスを可能にする」段階でできていないのか、
「探し方が下手だから見つからない」のか、
まだちょっとよくわからないのが動画探しの難しさですよ。


次はこちら。
きれいな装丁の本のスライドショーを探していて
ウィリアム・モリスを思い出したので。

Textiles and Wallpapers by William Morris/shivabel(YouTube:2010.6.6 投稿 9分6秒)



ウィリアム・モリスをご存じでない方のためにwikipediaの項目にリンクをはっておきましょう

模様だけの動画ですから
図書館に直接関係はないと思われるかもしれないですが
「装丁の世界」を気にするのなら無視できない存在なんじゃないかと思いまして。

本格的に探すのは来月に回しますけどね。


次。

南相馬市原町区 市立図書館② /vegalove100(YouTube:2011.5.13 投稿 6分11秒)

福島県南相馬市の図書館もついに今月開館にこぎつけたそうですね。
おめでとうございます。

帰省したついでに親戚や南相馬市の元図書館員に少し話を聞きましたが、
被災前に図書館を使っていた方は、開館を心待ちにしていたようですね。

動画はそんな心待ちにしていた利用者の方が外から撮影したもののようです。
無許可撮影ぽいのでちょっと控えめに。
ご覧になりたい方は上記リンクからどうぞ。

開館して1年後くらいに僕も一度行きました。
こっそり訪問したのでブログには書いてないですが。

駅前に建てられていて、
図書館以外の組織が同じ建物に入っていたり
吹き抜け天井で、畳部屋があったり、テラスが広くて、穏やかなBGMが流れている
そんな流行の図書館建築スタイル、という印象を持っていました。

「寄贈されたピアノが閲覧室においてあり、時々自動演奏する」という点には衝撃を受けましたけどね。
演奏してるところ聞きたかったなぁ。



動画ニュースとしては、
JSTの情報管理WebのニュースであるSTI Updatesに 米国: Kno社、電子教材に個人ビデオをリンクという記事がありました。

Kno社が運営するKHAN Academyという学生用電子教材配信サイトに、人気の動画をリンクしたって話らしいです。
ちょっと覗いてみましたが、
算数やら代数学やら、生物、金融、頭の体操、大学進学適性試験(SAT)の準備テストまで充実の動画コンテンツ。

基本的には英語圏の学生が見るものだとおもうけど、
「非英語圏の人間が各科目の復習もかねて、ついでに英語も勉強する」という使い方もありな気がしました。
可能性として。


あとはカレントアウェアネスポータルにライブラリービデオを作るための10の方法という記事が出てましたね。

紹介されているツールは、特に図書館に特化したものではないような?
こんなツールを使うといいよ!という紹介ですね。

ネタもとのサイトでも動画(video)を少し集めていたりするようですが、
このサイトの方が動画の紹介数多いもんね! 
負けないもんね! つまんない動画とかもいっぱい見て苦しんでるもんね!


もちろん「その効果は?」と問われると胸を締め付ける結果になるが……。



おまけ。

図書館という題名の曲を歌っている方が見つかったので何となく紹介。
あまり図書館とは関係はないような気もするけど、いい声ですね。

天内雅子 - 図書館 110619@M2/amanaimasako(YouTube:2011.8.15 投稿 3分37秒)



そのほかにも、今EPUB3が熱いってんで調べてみたり、
ついでにフォントの違いがわかるような動画とかも探してみたけど、
あまり良いのはなかったです。残念。


来月は本の装丁などを中心に探してみる予定です。
それではまた。

2011年8月19日金曜日

パピルスで遊ぼう

パピルス製作編はこちら。
1日目
3日目
10日目
12日目


完成したはいいものの、何をしたら意味のある記事になるのか。

いろいろ考えたりボツにしたりしながら(詳細はページ最下部"おまけ"へ)、
「ハガキ程度の大きさってことはハガキとして使えばいいんじゃないか?」
という結論に達しました。


そうすれば
文字を書く過程でペンごとの特性を比較できるし、
切手がうまく粘着するかも確かめられて面白いじゃないか!

ついでに郵便局で重さも測ってもらえるじゃないか!



ということで送れるのかどうかは別にして、
きちんと裁断してハガキのように加工してみました。

実家宛「残暑見舞い」の完成です。





複数のペンで試した結果驚きの見苦しさに!

しかもただでさえ字が汚いのに、
パピルスが凸凹してまっすぐ線を引くのが難しかったりするので
いつもよりさらに汚い!


だが仮に恥とわかっていても、やらなければならないのだ…!


さりげなくヒエログリフを書くほど遊び心も全開ですが、
字の汚さをごまかすために
いっそすべてをヒエログリフで書けばよかったという後悔も…。



どの部分を何で書いたかというと、こんな感じ。






見づらいのは愛嬌ってことで。



それぞれの書き心地をメモしておきましょう。


  1. 万年筆

  2. ほとんど気にせず書ける。インクがやや滲む。
    ちなみに文字は「ざんしょおみまい」と書いた。たぶん書けいているはず。

  3. 水性サインペン

  4. ゆっくり動かせばきれいに書ける。滲まないが、パピルス繊維の凹凸のためかすれた感じになる。

  5. 鉛筆

  6. かろうじてかける。パピルスが脆いため筆圧を強められない(繊維を削って貫通しそうな不安が)。そして消しゴムは使えない。黒鉛がやけに光に反射していて字が読みにくいけど、それはHBだからかも?

  7. ボールペン

  8. 凹凸があると先端の球が上手に回らないのか、書きにくい。
    一つの線を引くために2度書き、3度書きしてやっと線が途切れずかける。
    パピルスの繊維の向きに沿って線を引くのは楽。しかし繊維の向きに直行する線を引くのが難しい。

  9. 油性ペン(マッキー)

  10. 筆圧に関係なく書ける。やや滲む。一番書きやすかったかも?

  11. シャーペン

  12. 先端部がパピルスの繊維を削ってしまうためか、非常に書きにくい。
    この中では最も書きにくかった。2文字で諦めるくらいに。

  13. 蛍光ペン

  14. 凹凸の凸部分にしか色がうつらない感覚。
    茶色の紙にピンクの蛍光、というのがそもそもダメだったかもしれない。

  15. ゲルインクボールペン

  16. 形状がボールペンだからか、やはり書きにくい。



もしかするとメーカー、ブランドによって差が出るかもしれないけど、
今回その点の比較はあきらめました。
手近なところにあるペンしか使えなかったものですから…。


ちょっと滲んだりはするものの
「インクを乗せる」感じの筆記具は書きやすかったです。
万年筆しかり。油性ペン、サインペンしかり。

逆に先端部が尖っていて、筆圧をかけながら書き込むペンは書きにくかったです。
紙の上が平面であることを前提にしているんでしょうかね。
ボールペンしかり、鉛筆・シャーペンしかり。


ちなみに裏うつりしたものは一つもありませんでした。

一枚の中でも薄い部分と厚い部分がありますが(12日目参照)、
それでも大丈夫とは…、さすが木の皮みたいな存在。


手元にあったら墨汁&筆なんかも試してみたかったな。
違った結果が出そうだし。


さて、ここからが問題だ。

これは送れるのか?


不安を感じつつ郵便局に持って行ったところ、意外と普通に送れそうでした。

ただ「重さ」と「大きさ」が規定に満たなかったため
今回は送れないという大変残念な結果になったけど。


日本郵便の定形郵便物・はがきの基本条件によれば
長さが14cm~15.4cm・幅が9cm~10.7cm、
かつ重さが2g~6gがハガキとして送れる条件なのですが、

裁断をしたせいで長さが12cmくらいになっているうえ
重さも1.5gしかなかったため今回は送れなかったのです。


小さすぎるもの、軽すぎるものはなくなりやすいので…と、
窓口の美人に説明をしていただきました。

でも素材は気にしてなかったしね。大丈夫みたい。



そして送るわけでもないのに切手を貼ってみたところ、
一応きちんと貼れました。


でも剥がす気になれば剥がせる状態でした。





うーん… 
研磨やコーティングをされていない板に
セロハンテープ貼ったことありませんか?

だいたいそんな感じなんですが… 通じるかなぁ…?


パピルスの繊維ごと剥がしている部分もあるし、
「脆く」て「剥ぐ気になれば剥げる」ってことでしょう。



【まとめ】

  • 表面に凹凸のある「パピルス」に何か書くときは、万年筆や油性ペンなど筆圧をかけずに書ける筆記具推奨。
  • 大きさ・重さの条件を満たせばハガキとして送ることも可能。
  • 切手はきちんと貼る。しかし剥がす気になれば剥がせてしまうので注意が必要。
  • 明日から帰省するので残暑見舞いを手渡しするが、どんな顔されるかちょっと不安。



【感想】

この企画にはだいぶ時間をとられたけど、これでやっとおわりだなー

こどものころ夏休みの自由研究は苦痛で仕方なかったけど、
大人になって「研究の仕方・考え方」を理解できるようになってみると
実に楽しくてしょうがないです。


夏休みの自由研究で苦しむ子どもがいたら、
大人として積極的にアドバイスしてあげることにしましょう!


_______________
以下おまけ。

実は完成した後、紙の品質や特性の捉え方について調べてみました。
(即時入手可能な範囲の資料だけですが)

ご存知の通り紙と言っても記録媒体として活用されるだけではなく、
トイレットペーパーや牛乳パックなどいろいろな用途があります。
あるものは熱に強く、あるものは水に強い。
紙の種類を調べれば何か面白い検査をするための手がかり、
実験をするための手がかりになるかと思ったもので。

『特殊機能紙』(紙業タイムス社, 1997)という本には
機能紙、つまり特定用途に特化した紙の分類が載っていました。

一部抜粋するとこんな感じです。


一次機能細目
力学特性高弾性、高強度、耐衝撃性、内部補強性、耐摩耗性
熱特性耐熱性、保温・断熱性感熱性、熱成形性
非燃焼性難燃性、不燃性
電気・電子特性絶縁性、伝導性
磁気特性・光学特性磁気記録性、蛍光特性、燐光特性、感光性
音響特性音響遮蔽性、振動特性
耐薬品性耐酸・耐アルカリ性、高温耐薬品性、防錆性
濾過性多孔性、イオン交換性、孔徑規制、油水分離能
吸保水性保水性・結露防止性
耐水特性水溶性、防水・撥水性
耐油特性耐油性、吸油性
生化学特性薬剤徐放性、生体適合性、生理検査能、抗菌性、殺菌性、消臭性、防虫性


しかし
後々授業で使う可能性を考えると破壊検査的な方法は躊躇われますし、
非破壊検査は僕には使い方のわからない高度な機械がないとダメっぽい、と。

参りました。


小宮英俊著『おもしろい紙のはなし』(日刊工業新聞社, 1990)には
紙の縦横、裏表、つや、重さ、酸性 or 中性などの調べ方が書かれていましたが、
工業製品としての「紙」についてまとめられていたためやはりどうにもできない話ばかり。


残念ながら学術的な有用性を見出す方向でまとめられず
滲み具合・書き心地をなんとなく比べて楽しむことにしました。

少し悔いは残るけど、今の僕にできるのはこの程度でしょう。


ハガキを送るにあたっては、
「完成ぶりをアピールし、感謝を込めて紙の博物館宛に送る」という案も考えたけど、
さすがにちょっと引かれるかと思いやめました。

こういった遊びに付き合ってくれる仲間とは
手紙のやり取りをしたことがなく、気恥ずかしいので却下。
いっそプロポーズとかに使えば面白いかもしれないけど
そうするとここに晒せなくなっちゃうしボツです。しょうがないね。


最後にさらなるおまけ情報ですが、

木村光雄編著『雑草からの紙づくり: 考え方と方法』(木魂社, 1995)
という本をみかけましたので
気になる方は目を通してみると面白いかもしれないですよ。

こっちの雑草紙を比べた方が自由研究っぽいですよねー。

2011年8月18日木曜日

パピルスを作ろう【12日目】・完成編

1日目はこちら
3日目はこちら
必要なかった7日目はこちら
10日目はこちら



とりあえず完成。やったー。




「木の皮むしってきた」と言われたら信じてしまうくらいの荒々しさ。

露出のせいで白っぽく見えるけど、実際はもっと茶色いです。


とはいえ
紙の博物館で売ってた完成品ともそれほど大きな違いを感じないし、
ひとまず形にはなったということでしょう。


しかし反り返りはどうにもならなかったですね。
もっと放置しておくべきだったかもしれません。


縦15cm×横11cmで、ハガキと同じくらいの大きさ。

重さ、厚さも計測したかったけど、身近なところに器具がないため断念。



折り曲げてみたところ、



このくらいまでなら大丈夫。

ただ、折り目をつけようとするとたぶんパキッと折れます。
ヒビがはいりそうです。

やはり形態は巻物に限るような気がします。



そして透かして見ればわかるとおり、場所によってだいぶムラがあります。





製法上、このムラをなくすのはかなり難しそうです。

繊維を漉いているわけじゃないからしょうがないなぁ。




さて、ここから何をしたら有意義なのか…。


次回、シリーズ最終回・ネタ昇華編へ続く。

2011年8月16日火曜日

パピルスを作ろう【10日目】

1日目はこちら
3日目はこちら
必要なかった7日目はこちら


本当は10日程度で完成するらしいのですが、
途中で予定外のお仕事が入ったため少しずれ込んでおります。

明後日には完成しそうかな。
完成した後のことは結局なんにも考えてないけどなあ!!


さて、前回からまた放置していたパピルスですが、
ぬるぬるしてきたようなのでついに紙づくりらしい工程に。


パピルス片並べる → 布と新聞紙で挟む → 圧力かけて脱水 

だいたいこんな感じです。



まず長さ15cmのパピルス片を同じ向きに並べます。



この時、それぞれのパピルス片を1~2mmずつ重ねるようにすると良いとのこと。


今度はその上に11cmのパピルス片を並べます。
先ほどのパピルス片とは直行するような向きです。

さりげなく見える「スペイン語史」という広告の向きがヒント。





次はまた上からローラーをかけます。定番のめん棒の出番です。




今回の手タレは日本のどこかで司書教諭をやってるMさんです。


説明書では「白い布で挟んでローラーをかける」と書かれているのに、
誰がどう見ても模様が描かれているという不思議。


手ごろな布がなかったからこれでいいやーという軽いノリで採用。

むしろ水玉模様のパピルスが完成することに期待しているのだけれど、はたしてどうなるか。
楽しみです。


え? おまえ料理作るときにレシピ通り作らないだろ?

(∩゚д゚)アーアー聞こえなーい


新聞紙の上からもゴリゴリやりました。



一応記事にはボカシを入れてみました。



そしてこの新聞紙で挟まれた状態のまま重しを乗せます。




重しは重いほどよいらしいので、水が入った箱を乗せてみました。
(研究室になぜか備蓄されている)


上からこんな順番になってます。

箱(中身入り)
箱(中身入り)

新聞紙

パピルス ←

新聞紙



単純に考えて約24kgの重さとなっています。 

はがき一枚程度の大きさに対してこんなに必要なんだろうか…?



この後、2時間後、6時間後、24時間後に新聞紙を替えるようにと書かれています。


これは2時間経った段階の写真。なかなか湿ってますね。




次に替えたときには肉眼で湿りを確認できませんでした。触ったらわかる程度の湿り。


完全に乾燥したように見えたら新聞紙と布を外します。

そしてまた新しい新聞紙で挟んだパピルスを一日プレスしたら完成らしいです。



やっともうすぐ終わる…! もうひと頑張りだ…。

2011年8月13日土曜日

パピルスを作ろう【7日目】

1日目はこちら
3日目はこちら


仕事の都合で放置せざるをえなかったため予定より多く水に浸してしまいました。

写真はこんな感じです。



これといった変化はなさそうです。


もう少しすると粘着力が出てくるらしいので、次回はついに変化がみられるかも?

無事に完成することに期待です。

2011年8月9日火曜日

パピルスを作ろう【3日目】

1日目はこちら

パピルスを作ろう【2日目】を書こうかとも思ったのだけれど、

こんな感じで水の色がちょっと変わったくらいなのであきらめました。



写真だとわからないね。


長さ、厚さには特に変化なく、
色がちょっと濃くなった気がする、
表面にぬめりがあるようなないような気がする、

せいぜいそんな感じです。


あこがれの様式美、「おやすみ君日記」に近づくチャンスを逃したかもしれない
と考えれば残念ではあります。



さて今日の作業は「ローラーで伸ばす」のみでして、時間にすれば10分程度のものです。

100均で必要なアイテムを揃えるにあたりローラーがなかったので、
めん棒で代用することにしました。


都合よく落ちていた硬い板の上でプレスをします。



この手は研究室の同級生兼後輩のW君のものです。



ここで厚さについて比較用の写真を出しておきましょう。


プレスする前の厚さはこのくらい。



測ってないけど乾燥片だった時とほぼ変わらない感じ。



プレスした後はこんな感じになります。




特に全力で頑張らなくてもプレス可能です。


そして次の写真ではよく見ると白い部分がありますが、
これはもしかすると水が染み込みきれてないのかも。

触った感じでは大丈夫そうだったけどよくわかりません。



そのためのプレスだ、ということにでもしておこう。



終わったら水を変えてまた2日間浸します。


水に浸してみると、なんか裏側が透けて見えるようになりました。




んー 繊維の向きでも変わったのかなぁ?


ちなみにプレスしても長さなどは変わりませんでした。



見た目は、メンマに一歩近づいたような。

手の込んだいたずらに使えそうだけど、もういい大人だからやらないよ。




そして水を吸って元のようにふくらむパピルス片。





もともと乾燥した状態では

「綿が混じったようなふわふわ感のある薄い木片」のような感じだったのに、


水に浸してプレスした後だと

「茎のような繊維質な堅さ + 水を含んだスポンジのようにジューシー」と表現されるものに!





ダ、ダメだ…伝わりきらない気がする…。

自分ではいい線いってる表現だと思うんですが…。



どうしても気になったらお試しあれ、ってことです。



ちなみに今度は水に沈むようになったので重しは必要なくなりました。

2日後もまたローラーをかけるだけなんだけど、何か変化は生まれるのでしょうか?


期待しつつ次回に続く!

2011年8月7日日曜日

パピルスを作ろう【1日目】

世の中には「パピルス製作キット」なるものがあることをご存知でしょうか。

これは以前王子にある紙の博物館ミュージアムショップで買ったものです。


どうせ作るなら夏が良さそうなのでしばらく放置していたのですが、
いつの間にか来てましたね、夏。


ということで作り始めました。


キットの中には説明書と切リ出した後のパピルス片が入っております。




作業の流れはこんな感じです。

2、3日パピルス片を水に浸す

パピルス片をローラーで強く伸ばした後、入れ替えた水に2日間浸す

再びローラーで強く伸ばし、水に3日間浸す
(パピルス片に粘着力が出てくるまで浸す)

パピルス片を丁寧に並べて布で包み上からローラーをかける

新聞紙で挟み、上から重しを置いてプレス。
2時間後、6時間後、24時間後に新聞紙を交換する。
完全に乾燥するまで続ける。
この段階で外気に出すと紙は反り返るらしい。


約10日間かかるわけですが、ほとんど水に浸している時間ですね…。

最初は自分で刈り取ってくるところから始めようとしていたけれど
思いとどまれてよかったです。


製法については、
ほかにもパピルス片を叩きまくる方法などがあった気がするので、
あくまで一例としてってことなんでしょうけど
たぶんかかる時間はそんなに変わらないんだろうなー。




見てわかるとおり今日は浸すだけなんですが、とりあえず写真だけ。


浸したところ。




この段階では軽いので重しを乗せて無理やり沈めます。




次の段階になると放っておいても沈むらしいです。




しかしどうしたものか…。

授業用に写真を撮るのが目的だから特にひねる必要はないのだけれど、
キット通りに作っただけでは小学生が行う夏休みの課題よりも残念だ。


そんなわけで
「現代だったら何に使えるのか?」ということを考えるために
紙の品質に関する規格などを探してみたんだけれど、結果はイマイチ…。

もう少し探してみましょうか。あと10日はあるし。


あとは「パピルス vs 現代文房具」くらいやればネタになるんだろうか?

うーん なんとか有意義に使っていく方法を考えたいなぁ…

2011年8月2日火曜日

茗溪学園の図書館にお邪魔してきました

忙しい人向けの「今回の見どころ」

1.売り物のようなサイン
2.学校図書館員のやりがいとは 
________

久しぶりの取材・見学活動になる今回お邪魔したのは、
茨城県つくば市にある中高一貫校"茗溪学園"の図書館です。

学校は創立後約30年ですので、比較的若い学校になるのでしょうか。


図書館の風景はこんな感じです。




現在図書館が対象とする利用者は
学生約1500人、教職員(給食の調理師等も含む)約200人、
あわせて1700人近くにのぼります。

図書館の運営に携わるのは
司書教諭2人、嘱託職員1人、学生アルバイト1人(週1)の計4人で、
司書教諭のうち1人は授業(情報)も担当。
(※司書教諭は図書館部所属だが、校務分掌では教務部にも所属している)


蔵書冊数は約6万8千冊。
資料は司書による選定が多いものの、
リクエストや保護者からの寄贈による収集も多いそうな。

5年生(高2)で「個人課題研究」(卒研のようなもの)を行うため
少し専門的なコレクションが揃っていたり、
家庭科の授業で読み聞かせを行うための絵本なども充実しています。

細かいデータは書かないけれど、
資料費も充実しており、
貸出冊数も茨城県内の私立学校トップレベルです。



行事面で気になったのは「古本市」でしょうか。

これは学園祭のときに図書委員が中心となって行われる古本販売企画で、
関係者から集めた古本や、
図書館の消耗品である前年度分の古雑誌や付録を販売するというものです。

売り上げは寄付に使われるとのこと(今年は東日本大震災への寄付)。


その他、
「七夕飾りを用意したら帰国子女の教育などに意外な人気だった」
なんて話も伺いました。
帰国子女の教育に力を入れている学校ならではですね。



学生の図書委員編成もなかなか興味深いところ。

こんな感じに編成されています。

・カウンター班:朝、昼、放課後に貸出を行う係
・督促班:延滞者に督促状を作る係
・新着班:毎週受け入れる新着本を配架する係
・装備班:ブックコートをかける係
・処理班:ゴミ捨て係
・統計班:利用者統計(貸出冊数等)を掲示する係
・配架班:返却された資料を配架する係
・企画班:イベントの企画・立案・実行係


自分の高校時代(公立高校)を思い返すと
せいぜいカウンター班くらいで、グループ分けなどされてなかった気がします。

「督促班」「統計班」「企画班」などは他の学校図書館にあるのかな?



あと高校3年生の学級委員として「新聞コラム係」がいるというのも驚きました。

この係は毎朝図書館にやってきて、
複数の新聞からコラムを切り抜き1ページに編集する係です。
その原稿は後で印刷され、高校3年生全員に配られるんだとか。

受験にも役立つ教育ですね。



サインもインパクトがありました。









短期アルバイトに来る卒業生(現在は美術系の大学生)にお願いして作ってもらったんだとか。

業者さんの仕事かと思いましたよ。
図書館業界専属のサイン作りをしてご飯たべられるんじゃ…。
あ、でも図書館はお金とれる業界じゃないかな…。


他にもかわいらしいポップ(上とは別の人が作った)がありましたので
写真を貼っておきましょう。





気がついたらけっこう長居をしてしまったのですが(約3時間)
最後に1つ「Q.学校図書館員のやりがいとは何ですか?」と尋ねてみたところ
こんな回答を頂きました。

  • お客さんが未来ある若い子たちであることがやりがい
  • 指導要領に縛られない真の「教育」ができる場所
  • 公共図書館などと違い、互いに何者であるかわかっているため人間関係が重要
  • 反応が直接ある。投げかけたものが直接帰ってくるのが面白い。




「やりがいについて」は漠然とした質問となってしまいましたが、
"学校図書館は学校でもあり図書館でもある"ことを強く感じました。
当たり前なんですけどね。


図書館を通したコミュニケーションは、
館種を問わず「資料管理・提供側」と「資料利用側」という分け方が可能かと思いますが、

それに加えて「図書館を間に挟んだ人間関係」を築き
様々な意味で生徒の成長を促す場所、

「学校」だけでも「図書館」だけでもできない仕事ができる場所、
それが「学校図書館」なのですね。


未来の広がる若者学校図書館ならではの方法育てることができる。」

なんとやりがいのある仕事なのでしょうか。


図書館業界には「やりがい」を実現できずに苦しむ方が数多くいると思います。
その結果この業界を離れていくことも少なくないでしょう。

だからこそ夢を持ち、実現している図書館に希望のようなものを感じます。
取材ができて本当によかったと思いました。


ご多忙な中お相手くださった茗溪学園の図書館の方々に
この場を借りてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

________

以下おまけ。

今回は珍しく先方がこのブログをご存知であったため、
気合を入れなおして伺いました。

知人が働いているため
プライベートな楽しみも含まれた訪問ではあるものの、
この道が長いエキスパートの先生に
「茨城県の厳しい学校図書館事情」や「公立と私立の壁」などについて
レクチャーいただく機会まであり、大変勉強になりました。


やはり取材は楽しいです。

肩書を濫用していると言えなくもないですけど、
肩書なんていつなくなるかわからないので全力で使わせていただきますよ。



最後に今回の反省点。

スケジュール的に先方に迷惑をかけてしまったことと

余裕があったら蟹型ブックカートの実現を頼むつもりだったが
真面目な話が盛り上がったのですっかり忘れてしまった

ってことくらいですかね。


むむ、これは忘れて正解だったかな…?

2011年7月31日日曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.12 (2011.7.31)

つい最近American Library Magazineで「Minecraft 3D printer」ってのが紹介されてました。

Minecraftってのがなんだかわからない方はMinecraft Japan Wikiなどを
ご覧いただければよろしいですが、
3Dブロックで遊ぶゲームです。自分で建物とか作って遊べるみたいです。


「作る・創る」と聞いた瞬間に条件反射で
「図書館 動画」を思い浮かべるようすりこんである僕は
MinecraftでLibraryの動画を探したのです。


こちらです。

Minecraft Library/101MineCraft(YouTube:2010.9.28 投稿 1分21秒)



特に動画を作った人が図書館狂ってわけでもないと思いますし
一般の人にとっても図書館という建築物は
「知的な建物」の代表みたいな存在なのではないかと感じますね。

もちろんただの感想ですけどね。



次はこれ。

ぴあら:立命館大学衣笠キャンパス図書館ピア・ラーニングルーム/PLRritsumei(YouTube:2011.7.28 投稿 5分56秒)


3日前に投稿されたばかりの動画をみつけてきましたよ。
すっきりコンパクトにまとめられたラーニングコモンズの紹介動画です。
さすが立命館。映像制作に強い(という印象)。

2分あたりで出てくる机がいいですね。コンセプトにぴったり合う機能が最高。
いいなー うらやましいなー。



その次はこちら。

Library Girl Rocks Out Hard/ Jokeroo(msnvideo:2010.7.2 投稿 38秒)

<a href='http://video.it.msn.com/watch/video/library-girl-rocks-out-hard/1jexa2shb?cpkey=e7cc889f-9538-4792-b9b9-c892776fd5da%7C%7C%7C%7C&src=v5:embed::' target='_new' title='Library Girl Rocks Out Hard'>Video: Library Girl Rocks Out Hard</a>

隠し撮りは感心しないけど、個人は特定できないし…。
「迷惑利用者」としてのインパクトがありすぎるので掲載。

説明を読む限り学校図書館のようだけど、
しかしこれ、やらせじゃないよな、きっと…。 




最後。

動画ではないのですが、
アメリカの議会図書館の「National Jukebox」を学生に紹介するときに
何か面白いネタでもないかと探してみました。


これでどうでしょう?

Lincoln's Gettysburg address

エイブラハム・リンカーンの有名なセリフが出たゲティスバーグ演説(1863年)でございます。
有名なあのセリフは3分39秒あたりです。


19世紀後半は録音技術が確立するかしないか怪しい時代だ、
ということを念頭に置きながらリンク先のRecording Details(詳細)を見ると、

どうやらオリジナルではなく、
Harry E. Humphreyという人が1914年にスピーチして録音したもの。


ついでに統一タイトル(←目録用語)は
「Gettysburg address」であるようなので再検索してみたのですが
やっぱりリンカーンのしゃべるオリジナルはない様子。

残念ですが仕方ないね。


ついでと言ってはなんですが
アメリカ議会図書館が持ってるフィルムとNational Jukeboxを簡単に紹介をした動画(というかニュース?)なんてのもみつけましたのでよかったらどうぞ。

この動画で紹介されているサッチモを学生に紹介するのでもいいかと思ったけど
通じるかどうか不安だったので諦めました。


あと今回は関係なかったですが、機械の歴史とかを振り返りたくなったら
情報処理学会のコンピュータ博物館とか便利です。
知ってて得するサイトだと思います、ハイ。関係ないけど。






この企画もついに12回、丸一年。はやいものです。

正直ちょっとネタ切れ気味なんですが、
「なければ作る」というつもりでこれからもがんばります。

2011年7月14日木曜日

『図書館の敵』

図書館で探し物をしていたときに
偶然『図書館の敵 公共図書館批判から生まれるもの』という本をみつけ、

攻めの姿勢を感じるタイトル、自費出版本であることなど、
何か嗅覚に感じるものがあったので借りてみました。


webcatだと所蔵している館は9つしかないし、
ゆにかねっとでも7館しかないみたいだし、
筑大図情で見つけたこの偶然を大事にしようかと思いましてね。


著者の西澤敏明氏は、
名大で物理学を専攻し、図書館短期大学に通い、
名古屋市で30年間司書として働いておられた方だそうです。

タイトルはウィリアム・ブレイズの『書物の敵』よりとったとか。


基本的には
「公立図書館の現場視点から問題と思う点について検証した本」
と紹介するのが適切かと思います。


個人的には

「学者や著名人の発言、図書館や司書職のあり方などについて納得がいかないことも多い(特に発言の根拠に疑問を持っている)ので、文献の調査や自らの体験を基に疑問を呈した本」

であると受け取ったんですけどね。


学術書ではないものの出典を丁寧に明記されている印象を受けましたし
司書資格の単位をとった学生が
総合的に図書館のことを議論をするために読むのも良いかと思います。


労災や監査などの具体例、
貸本屋の大惣(名古屋だからね)についての解説、
某図書館学者の図書館観への疑念、
NYPLをアメリカの典型的な図書館と捉えるべきか否か、

など勉強になる点がいくつもありました。


もっとも、僕は不勉強な人間ですから
引用元の文献だけでなく、それ以外の情報も集めてみないと
妥当な論の展開であるか判断ができなかったというのもまた事実ですが。



公立図書館を専門に研究している方がどのような感想を持たれるのか、
それが非常に気になる一冊です。


我こそはという方、ぜひいかがでしょう?

2011年7月13日水曜日

ドロー! 図書館カード! 相手の予算にアタック!

図書館の評価方法がわかってない人が多くて嘆かわしい、
そんなことが書かれている本を読みました。


そしてなぜか「図書館カードバトルでもやって数字を比べればいいじゃないか」と思いついたのが昨日の夜。



とりあえずサンプル画像を作ってみました。こちらです。








こ、この洗練されてない感じ! ネタ画像の臭いしかしない!

本来はキラカードにすべき存在なのに加工方法がわからないとは!



カードゲームはほとんどやったことないから遊び方が全く分からないけど

HP=年間予算、攻撃力=貸出密度、防御力=職員数 でどうだ!




……。


うん…。なんか、違うね…。

しかもふざけすぎていろんな人に怒られそうだね。


いや、同じ発想の方がいた場合に申し訳ないから
反省しすぎるのもなんだけど。




でもせっかくなので真剣に利点を考えてみましょう。

  • カードゲームを通して図書館が身近な存在に
  • プレイヤーにとって図書館の業務統計がいろんな意味で気になる数字に
  • 「お前のカード弱すぎ!」などの意見が噴出することにより図書館の質について考えることになる
  • 勝敗から評価のあり方を考え直すきっかけになる。負けた人が「貸出冊数だけで勝ち負け決まるなんておかしいよ!」と文句を言い始めることに期待。
  • ご当地カードを作ることで地域色をアピールできる。キティちゃんもびっくり。



あー ちょっと苦しいかな…



そもそも「図書館を使って相手をやっつける」というだけで
心理的な抵抗がある人も多そうだし
「うちの図書館がこのような扱いを受けるなんてけしからん!」
という感想を持つ人も多そうな気がして、
少なくとも日本で普及する姿は見えないですね。

僕は楽しいからいいけどさ。


現実的にカードゲームとして作り上げるというより、
「酒の肴」として話のタネにすべきトピックでしょうか。

評価のあり方や適切なゲームバランスについて、
酔ってるときに図書館関係の友人たちと話し合ってみたいと思います。



そうそう、一応調べてみたらこんな記事が出てきたんだけど、

カレントアウェアネスポータル
ドイツ図書館協会、「図書館の日」に図書館カードゲームを作成・頒布
http://current.ndl.go.jp/node/9176


残念ながら詳細がよくわかりませんでした。
まったくありえない話でもない、ってことが分かっただけでじゅうぶんか。



________

参考資料。

枠組についてはオリジナルオリカ枠を作るを参考にさせていただきました。
デザインは自作になるのかな。

背景の画像はMicroSoftのOffice.comから拝借:MP900405166です。

NDLの写真は自分で撮影したものです。

2011年7月1日金曜日

さあさあよってらっしゃい 早いもの勝ち(?)だよー

良さそうな人がいたら紹介してほしいとお願いされたのですが
全く捕まらなかったので諦めてここで告知。

こんなとき連絡できる知り合いが少なすぎるのが僕の弱点ですね…。



現在NIIの某研究室で技術補佐員が募集されております。

詳細はこちら→http://www.nii.ac.jp/recruit/kando_gijutu110124/


「プログラミングスキルはそれほど無くても大丈夫です.むしろ,お願いしたいのはUNIXサーバの管理業務です.」
と職員さんから伺っているのですが、
どなたか興味のある方はいらっしゃらないでしょうか。


興味はあるがいろいろ不安だという方は
twitterで@int250にメッセージを送って頂いてもかまわないですよ。
知らない人からメールを頂いても、罵詈雑言でなければ大丈夫なので。
知りうる範囲でお答えすることは可能です。


研究所の中で働いてみるとかどうですか?

特に大学院生なんかだと
時間の都合がつけやすそうだと思うのですがいかがでしょうか?

今なら早いもの勝ちですんなり決まる可能性もありそうですがどうでしょう?


さあさあ興味のある方は積極的にトライしちゃってくださいねーーー

採用と母校

某図書館系単科大学の面汚し、僕です。こんにちは。

今回は就職関連の話です。


一昨日勤務先の図書館で唐突に辞職者がでましてね。
(その経緯を書くだけで1つ記事が書けそうなくらいのインパクト。ちなみに事故等ではない。)

図書館の責任者の方と
昨日から今日にかけて新しく採用する人材について意見を交わしておりました。


研究室がなく、なぜか図書館の事務室に席がある僕ですから
日常会話としてそんな話もするのです。

ちなみに、ときどき電話番とかもやってますよ。
節電でもうちの図書館は冷房止められてないから過ごしやすくていいよ!



それはさておき、いろいろと話をする中で、
どうやら母校から営業があるらしいことを聞きました。

詳しいことは教えていただいてないけど、
「図書館員をお探しならうちにご一報ください」みたいな連絡をもらっているとか。


で、今まで派遣契約をしたりパートの募集をしてみたものの
立地や待遇などを含めた様々な課題により
マッチする人材探しに限界を感じた責任者の方は、

「ならばここでそっちを頼ってみるのも…。」と考えたそうです。



お話を伺って面白いと感じたのは、図書館情報系専攻出身者のイメージについてです。


普通の司書資格所持者に比べ、


  • 図書館関係の科目を数多く履修し図書館用語や取り巻く環境をよく知っている

  • 基礎がしっかりしているので、採用段階で大学の図書館をよくわかっていなくても育てやすそう

  • 情報系の勉強もするため検索なんかもお手の物、事務仕事も効率よくこなせそう

  • 職業に対してある程度理解をしているのですぐには辞めなそう(働き出してからのギャップが少なそう)

  • 図書館に必要なコトを理解しているため、悪い風習を断ち切る起爆剤になるかも



こんなイメージをお持ちのようです。


実際に図書館情報大学出身の図書館員を何人か見てそう思ったんだとか。


司書資格取得者を養成する側としては
かなり複雑な気持ちになる現実でもあるのだけれど、
母校の「ブランド」の強さを再確認致しました。


必ずしも数字に表れてはいないのだろうけど
諸先輩方やカリキュラムを組まれた方の功績は確実に存在するようです。

ただただ感謝するばかりですね。



もはや手遅れだけど、名に恥じないように頑張らなきゃ。




まあそんなこんなで、何とかして欠員の補充をするため
「良人材獲得交渉のためのOB派遣大作戦(仮)」が立案されましたので
運が良ければ母校をコソコソ動き回る僕が見られるかもしれません。


作戦遂行までにうちの人事部長の説得が難航しそうだし、
この時期だと学生じゃなくて卒業生ねらいになるから
どの程度うまくいくかわからないんだけど、

みんなが喜ぶ形でまとめられるように頑張りたいと思います。

2011年6月27日月曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.11 (2011.6.27)

vol.11まで来たってことは、この企画もうすぐ一年経つってことなんだね。
はやいはやい。


福岡県立図書館のビジネス支援/FukuokaPrefLibrary(YouTube:2011.5.19 投稿 2分18秒)


動画でサービス紹介って珍しいなー、多くの人が見てくれたらなーと思ったのでご紹介。
でも動画で文字を読むのはちょっと辛いかもしれないですね…。

海外の例を見ると仕事・サービスの風景なんかを撮影して
紹介していることが多いようです。

とはいえ他国も国立、公共等の館種を問わず再生数が伸び悩んでる感はあり、
もしかすると「図書館のサービスを動画で紹介」というのは
受け取る側の準備が整ってないという可能性もありますが…。



ちなみに図書館のCMでおもしろいのはこれ。
funny library comercial/thejugglerrr(YouTube:2007.7.26 投稿 1分21秒)



最後に出てくる「Reading Increases the Imagination」が最高です。
本を読むことによる効果を上手に表しているフレーズだよね。



あとはこれ。#2も面白いですよ。

Lexington Library Commercial #1/director665(YouTube:2006.8.22 投稿 31秒)


日本だと「物を大切にしないなんて不快です!」みたいな
クレームが大量に来る可能性が高そうだけどね。



CMとは関係ないですが、最近はこんなのも見ました。

【ニュースの読み方】公立図書館の不思議[桜H23/6/1]/SakuraSoTV(YouTube:2011.5.31 投稿 6分39秒)


動画を見る人のためにすこしコメントを書きましょう。

動画では『くじけないで』(柴田トヨ著)を比較対象として、『おひとりさまの老後』(上野千鶴子著)『オモニ -母-』(姜尚中著)が多すぎるという論で話が進んでいます。
練馬区・杉並区の所蔵数・貸出数とを基に指摘をされているようなのですが、
ならばと思って練馬区・杉並区の図書館のOPACを見てみたんですよ。

『おひとりさまの老後』は2007年に出版されたものであるせいか、
確かにそれほど激しい貸出状況ではない様子。
しかし杉並区の図書館では『女ぎらい ニッポンのミソジニー』(上野千鶴子著)という2010年に刊行されたものは予約66人待ち。所蔵数はよくわからないけど。

『オモニ -母-』はすべて貸出中。
所蔵数は確かに多いのだろうが、貸出回数も多そうだし別に不思議ではない気がした。
何よりメディアの露出が多い「有名人が書いた本」ってのはそんなもんだと思う。

利用者の需要を満たす所蔵数ではあるし、
大量に複本を買って後でいらなくなるのはよくある話。


外から調べられるかどうか知らないけれど
「リクエスト数」とか「選書方針・選書基準」なども調べてみないと
「偏った思想によって蔵書が構成されている」という結論に持っていくのは無理があると思う。

そのような結論に持っていくためには
「なぜか所蔵数が多い」なぜかという不自然さを説明し、
そのうえでそれが偏った思想によって生まれていることを説明しないとダメで
今回はそこまで至らない論の展開であるように見えました。

あくまで私見ってやつですが。



次の動画はこれ。

New Orleans Annual, June 24, 2011: The ALA Store/AmLibraryAssociation(YouTube:2011.6.24 投稿 2分53秒)


ニューオーリンズで行われているAnnual Conference and Exhibitで出展しているALAグッズの動画。

図書館のグッズ販売って何を売ったらいいんだろう
日本でもいろいろやってるけど売れてなさそうだよな、
図書館の独自性を感じない場合が多く、コレだ!って感じにならないし…
という疑問を前から持っていたので参考に眺めたりしていました。


本とか絵ハガキとか、しおり、バッグなど実用品に落ち着くようですね。
「TOP SECRET」と書かれたテクノロジーレポートとやらも気になるけど
絶対極秘じゃなさそうな予感がするぜ…!

売れゆきも気になりますね。

あとどうでもいいけどメインで説明してる人が好みのタイプ。




その次。

普段あんまり縁がなかったEuropeana(ヨーロッパの電子図書館のようなもの)で図書館関係の動画を探してみた。

動画は有料コンテンツになっている場合も多いようなんだけど、
20世紀前半(1922年)のデンマーク、コペンハーゲンの図書館サービスを映した無声映像をみつけました。
当時の最先端なのかいまいちよくわからないけど、なかなかおもしろいですね。


あとカレントアウェアネスポータル(5周年おめでとうございます)で紹介されていた
訛りを記録に残すVisual Accent & Dialect Archiveのサイトはこちら。
動画形式で記録ってのも面白いよね。
口元しか映さないみたいだから肖像権的な問題も発生しなさそう。



ということで今回はここまで。
来月もがんばるぞー

2011年6月9日木曜日

マンガは知層に含まれますか[LEGO]

あまり寝てない時や追い詰められた時って
わけもわからず手を動かさなきゃいけない気持ちになりますよね。


卒論だったか修論だったかを書いていた時は一晩で地球儀パズルを作りあげ、



俺はなんて清々しいほどの駄目人間なんだろう! と思ったものです。



今回は別に追い詰められちゃあいませんが、なぜか手が作れって言ってるから作りました。

参考:2010年度支援キャンペーン:知層|ACジャパン
   (http://www.ad-c.or.jp/campaign/support/06/)





教科書体のフォントで書かれているというだけでなんか面白いけれど、
朝起きて見直したらアップロードしたことを後悔しそうな完成度。

でもパーツも時間もセンスもないのにやろうってんならこんなもんです、きっと。


明日後悔することはあっても、明日完成度が上がることはない!

ならばもう出すしかあるまい!


いやあ パーツがあればもう少し引きで撮れるんですけどねぇ…。
プレートパーツ増やしたいなー。 色も増やしたい。



あと、写真中唯一見てとれる背表紙が何の作品のものかわかりますかね。


わかった方はかなりすごいと思うのですが(背表紙の色と文字のフォントしかヒントがない)

正解は「吼えろペン」です。


特に深い意味はありません。好きだから選んだだけ。

ホントは「逆境ナイン」にしたかったけど今手元に置いてなかったし。
(先週研究室に送ってしまった)



でも写真をとった後「マンガって知層に含まれるのかなぁ?」という
疑問がわいてきたのでタイトルにはそれらしく書きました。

どうなんでしょうねぇ?

2011年6月7日火曜日

最近みつけた図書館関係動画 vol.10 (2011.6.7)

遅くなりましたが5月分ってことで。

____

今回はまずAmerican Library Association(ALA)関連の動画でも見ようと思い、ALAのAdvocacy Eventsを見ながらイベント動画を探してみたんですが、うーむ、そんなに面白いというわけでもなかったようです。

Library Advocacy Day、Library Snapshot Dayなどの動画はあるんですけどね。
特に動画でなくてもいいな、と。

図書館と利用者の距離を詰める活動として、
館内の利用者・その他の写真を撮ったりするのは楽しそうなんですけどね。



そしてアドヴォカシーとは違いますが「Bookcart Drill Team」で検索した方が面白かったです。
いろいろあるのでどれでもいいんだけど、
YouTubeで再生数の一番高かったこれだけ貼っておきましょう。

OPL Warrior Librarians 1st place Book Cart Drill Team ALA 2009/Circulatethefun(YouTube:2009.7.20 投稿 3分56秒)




楽しそうですねー いや、観客沸きすぎ。
関係者だけとは思えない熱狂ぶりなんだけど、どういうことなの?


Amelican Libraries Magazineにちょっとだけ記事が載ってたり、Texas Library Associationの記事:Book Cart Drill Team 2011 State Championshipにルールが書いてはあるんだけど、いまいち全貌がわからなかった。大会の規模とかね。

The Library Book Cart Precision Drill Team Manual」(リンク先はamazon)なんて本もあるし、読めば書いてあるんでしょうけども。


日本でもやってたりするのかな…?
近場でやってたらこっそり混ざりたいです。図書館員じゃないけど。

でも何故か日本ってこの手のイベント盛り上がらなそう…
全力で遊んでたら冷たい目で見られそう、というかね。
実際は知らないけど。



次。

来年から司書課程もカリキュラムが変わるし
授業の展開を考え直すときの参考になるかなぁと思いながら
電子教材の使い方について見ていました。

来月電子出版EXPO、教育ITソリューションEXPOに遊びに行くのでその予習も込めて。

いろいろ見たけど、これを貼っておきましょう。

電子黒板ご紹介ドラマ 第1話「うちの学校にStarBoardがやってきた」/Hitachisoft2009(YouTube:2009.8.31 投稿 4分25秒)


このためだけに作ったアカウントのようだね…。

製品を作る側の説明なので
すべての電子黒板に共通する話ってわけでもないんでしょうけど
いろいろヒントは得られました。

大学に電子黒板はないので普通のパソコン等を使うことになるけど、
やはり「動きがある」「見てわかる」ってのが大事なポイントになるようで。

図書館関係のテキストが電子出版物として刊行されて、
フローチャートが動いたり、動画が見られたりすれば僕の仕事は大幅に減りそうだけど、どうなんだろう?
CD-ROM版のテキストとかあるのかな? 聞いたことないけど。


そして「通信による余所との連携」みたいな話もでてくるんだけど
大学の場合、「Webカメラによる司書課程交流戦」などを行って授業の効果があがったりしないかな?
 
それより現場の図書館員の方とSkypeつなげて「図書館業務の楽しいところ・つらいところ」みたいな「生電話相談」の方が面白い授業になるかな?

まあ、勤務先は教卓からインターネットに繋げないので最初から無理なんだけどNE!



その次。

4月にフィルムセンターで「格子なき図書館」を見た際、
それを切りだしてDVD化する作業をお願いしたのが"東京光音"さんという業者なんだけど、
サイトを見るとフィルム修復過程などが説明されていて、
なんかおもしろいなぁと思ったりしたわけです。

ということでリンクをはりましょう。
東京光音(http://www.koon.co.jp/)

映像としては、新着の「カビ取り、動画配信」だけかな?
それにしても綺麗になるもんですね。おもしろい。


最後。

前にも書いたかもしれませんが、
図書館の紹介動画がみたければ「library tour」で検索するといいですよ。検索ノイズが少なくて。

その他「library commercial」という語で検索しても
紹介動画がみつかったりします。

ただコマーシャルの場合、
各図書館のアピールだけでなく、商品のイメージとして図書館を使っている場合もあります。

これは後者ですが、とりあえず悶えて!


Comercial 147: Coca Cola - Library



なんか甘酸っぱいです。
「どうせなら『コカ・コーラレモン』のときにCMとして使えばいいのに」という言葉が僕の頭をよぎる甘酸っぱさ。

CM関連は掘り下げても面白そうですね。来月はここを重点化しようかな。
他にも見つかればいいけど。

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ということで今回はここまで。

また今月!

2011年6月1日水曜日

月末に間に合わなかった言い訳と近況と最近のボツネタについて

月末恒例「最近見かけた図書館関係動画」は来週に持ち越しとなりました。
楽しみにされていた方がいらっしゃったら申し訳ありません。


今週末にはまとめたいのでひとまず延期ということで。


以下には遅れた言い訳がてら近況などを書いておきます。



最近は震災の影響もだいぶ落ち着き、
やっと本腰を入れて研究モードになりつつあります。


学生時代も社会人と同じだけの時間をアルバイトに捧げていましたが、
その時は勉強を積極的に犠牲にして遊ぶ時間を作りだしていたので、

「両立」は実質今回が初めてですのでなかなか大変です。


ちなみにわかる人にしかわからないように書くと、
基本的な所属は独身貴族と名高いグリーンリバー研究室で、
中心的な指導を頂くのが某スキンヘッドの先生です。


現在は、
「コアジャーナル20年分の論文に目を通しといでー」という課題を出されて
時間が足りなすぎてびっくりしているところです。

ネットワーク環境がイマイチなせいもあってなかなかしんどい。
電子ジャーナルは便利だけど読むときはやっぱり紙の方がいいです。
英語に弱いとか知識が断片的だとかも当然厳しいところですが。


そして余裕があったらRの勉強したり、本を読んだり、新しい論文を読んだり。

やることいっぱい。そんな生活。


というわけでそれなりに忙しいんですが、時間を見つけていろいろ書くつもりです。



最近更新してないのは時間がないというより、ボツネタが多いからです。


途中まで書いたものだとこんなのがありました。

  • 司書資格を担当する教員としての個人的な見解について
  •   愚痴以外の何物でもなくなってしまったので却下。

  • 図書館ことわざと比喩
  •   「図書館」という語は「静かな所」「情報がいっぱいある場所」という意味で引き合いに出されることが多い。ニュースに対してアラートをかけて眺めるとそれがよく分かる。そこで比喩的に「図書館」という語を使う格言やことわざを探してみようと画策。いくつかの資料にあたってみたところ、そもそも引くための項目に「図書館」という語がなく(読書とかはあるけど)、「引けない」と感じたために挫折。マンパワーが要る気がしてならない。インターネット上で一つだけ見つけたものの、これじゃ少なすぎるだろ…、と思ってボツ。そんなことより「図書館格言を作るコンテスト」などやって図書館振興を図った方が面白そう。なんかそんなのどこかで見たことがあるようなないような…?

  • 宗教書の類似度検出構想
  •   もうタイトルからしてアレな感じ。文献の類似度を求める手法はいろいろある。その手法を応用して「宗教団体のトップなどが書く図書」(通常は複数冊刊行されている)の類似度を測ってみようという発想。なんかすごい頻度で出版しているが本当に本人が書いているか? たくさん図書が出るけど実は内容同じなんじゃね?お金集めるために書いてるでしょ? という疑問に対し、テキストを分析し、その結果を考察したい。宗教書もそうだけど、啓蒙書などもこの傾向はありそうなので興味深い。そんな敵が増える分析。宗教書の場合、類似していることが「よい」か「悪い」かは別問題だが(よく捉える→主張がぶれてない 悪く捉える→集金)、調べてみたら面白そうではあると思った。主に著作物が図書であるため分析対象データの抽出が厄介であること、命の面でも危うい気がすること、などにより脳内から出なかった研究企画。誰かやってる人いるのかな? そういう危なっかしい人大好きだよ?

  • 共引用についての説明
  • →今週末に仕上げる予定



その他、やると言っていてやれてないことも多数あり、
そろそろ「やるやる詐欺」とコメントに書かれかねないのですが、

時間も限られているので、これからもやるやる詐欺を深めていく所存です。

やりたいやりたい詐欺と呼んでくれてもいいのよ?



で、最初に戻りますが
あまり良いのが集まってないものの、見かけた動画については週末にまとめる予定で。


さあ、時間を確保できるか!? 乞うご期待!

2011年5月17日火曜日

NDLの方に解説してもらいながら見たいビデオ

こんな辺境のブログをご覧になる方なら
国立国会図書館の紹介ビデオが存在することは既にご存知でしょうか。


企画・監修:国立国会図書館、
製作・発売:紀伊國屋書店、製作協力:ポルケという王道の組み合わせにより
1994年に製作されたVHSビデオで、
1巻:機能と役割(22分)、2巻:所蔵資料(22分)、別巻:利用案内(7分)の全3巻構成。
("LIBRARY VIDEO SERIES"の下位シリーズ)


なかなか気になるでしょう?


特に"1994年"、つまり17年前の製作などと聞いたら
現在とどこが違うのか、期待しながら見るしかないですよね?


というわけで、そんな期待をこめつつメモ。

  • 当時は20歳以上しか利用ができなかったらしい(今は原則として18歳以上が利用可能
  • 冊子体目録、カード目録、コンピュータ目録を紹介しているがNDL-OPACという言葉は出てこないような…?コンピュータ目録も、黒い背景に黄色や緑色の文字が表示されるあたりに時代を感じる。
  • 国際子ども図書館、関西館は出てこない(ただし国際子ども図書館の前身である"支部上野図書館"は少しだけ登場)
  • 図書館学資料室ってのがあるらしい。見たことないと思いつつ調べてみたけど、やっぱり見つからない。もしかして今はない…?
  • 文部省科学研究費報告書を所蔵していると紹介されていた。現在NIIでKAKENというデータベースが公開されていることを考えると、もはやただの歴史資料みたいな位置づけなのかも…? 
  • 2巻で「原子炉設置許可申請書を所蔵している」と紹介されていた(数十秒触れただけ)。最近の関心ごととは無縁な意味で紹介していたのは間違いないだろうが、興味深い資料だ。


気がついたら内容についてメモ取ってなかったけど、別にいいかな。

「誰のため」とか「何のため」とか本質的な部分は
現在でもそれほど変わってないため授業で見せてもいいのだけれど、

テキストや口頭の説明で足りる程度の量だったし、
どちらかというと「現在との比較」に重点を置いて使うのが良さそうです。

それ以外には面白い設備がちょっと見られる程度だし。


うーん… 見学へ行った後にビデオを見ながら間違い探しをするってのも捨てがたい。

(↑アニマシオンのネタ。「間違い探しが大事なんじゃない! 読書に集中させる効果が大事なんだ!」と怒られるかもしれないが、その時は華麗にスルー。)



そのほかの用途として、タイトルに書いたような企画、
「NDL現職の方に現在との違いを解説してもらうビデオ上映会」も面白そうだと思いました。


現在の見学者にもビデオで利用案内をしているようですので、
それと比較をするというのも捨てがたいですが、


今とはどこが違うか、なぜ違ってしまったか、
困っている点はどこか、将来はどんな形が良いのか、
などの話が聞けるのであれば、なかなか魅力的な企画だと思います。


面白さの保証はできないけど、
忙しい僕に代わってどなたかそんなイベント開いてくださらないですかね…?