学校図書館・小規模図書館向け管理システムの諸々について

2014年2月4日火曜日

リソース

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さて季刊との噂もあるこのブログですが、
今請け負ってる本業外の仕事がもうすぐ片付くので
今年はもうちょっと頻繁に更新をしていけそうな気がします。

今回は仕事用に作った学校図書館向けシステム一覧表を、
一部分だけ晒してみようと思います。

会社名とシステム名、ウェブサイトへのリンクだけを書いておきます。
仕事用に作ったバージョンでは他にも
まとめてあるのだけれど、立場上ここでは公開できません。
本当は興亡とか評判とかも知っているのだけどね…。
それが必要な情報であることもわかってはいるのだが…。


出版されてから時間が経過しているところが難点なんだけど、
比較的フェアな視点で学校図書館システムについてまとめられた
「学びが広がる学校図書館システムガイド」という本がありまして、
本当は同じようなレビューを行えばいいんだけれど、
使ったことないシステムも結構ありますもので、ご容赦願います。

とりあえず評価する際の観点や考え方だけは下の方に添えておきます。


____
※システム名/販売・制作元(製品紹介ページURL)
主要なシステムは網羅していると思うけど、見逃しはありうる。
あったとしてもけっしてわざとではありません。

NDL「国立国会図書館書誌データ対応システム一覧(2014年1月現在)」
(PDF版はこちら http://www.ndl.go.jp/jp/library/data/system_list.pdf)というものが公開されていたので、
抜粋して2014年2月27日に一部追記。


主に学校向けのシステム


無料またはシェアウェアの資料管理システム

現在廃止された?システム
  • キュートライブラリー (スズキ教育ソフト)
  • はいぱー・える (有隣堂)
  • SLBMPJ(School-soft?詳細不明)
  • LiCS-R学校図書館版(NECネクサソリューションズ)
  • 図書委員 (NECネクサソリューションズ)       など
____

学校図書館の場合、ざっとこんな特徴があります。

  1. 蔵書のデータベース化は小64%、中65%、高87%程度(文部科学省 平成24年度「学校図書館の現状に関する調査」より)
  2. 担当者がよく変わる(公立学校の場合)
  3. 図書館のことを知らない人が担当になることも多い(徐々に改善中?)
  4. 三菱総合研究所の"図書館システムの現状に関するアンケート調査結果"によると、学校のシステムリプレースは平均9年以上の時間がかかると推測されている

データベース化は
エクセルやアクセスを使用して資料管理をしている場合も含まれるのかもしれませんが、
バーコード管理ができなかったり、
背ラベルが印刷できなかったり、作った人しかわからなくてサポート面で難があったり、
予算管理ができなかったり、そもそも貸出返却管理ができなかったり、
蔵書点検に向いていなかったり、
「資料管理システム」ではあっても「図書館の諸々を管理するシステム」とは言えない場合も見られます。

もちろん図書館システムを選ぶ人によって重視するポイントは変わってくると思いますが、
おおよそ以下のような点が取りあげられることが多い気がします。


1.将来性:
OSバージョンアップへの対応、ソフトの機能改善頻度・回数など。
多くの学校では、システムの乗り換えを頻繁にできない。
そのため将来的にサポートがなくなったり、
OSがバージョンアップしたときに使用不可になったりすると非常に困ることになります。
どことは言わないけど、
某社のシステムはバージョンアップしたときに中のデータが引き継げません。
そのデータ引き継ぎ作業費が異様に高い所も聞きますしねぇ…。
長い目で見ると意外と重要なポイントになります。

2.拡張性:
追加プログラム(オプションソフト)の種類、別デバイスへの対応など。
予算が付いたときに+αとして新機能が使えたら嬉しい人にとって重要。

3.価格:
ソフトウェア本体価格、使い方等の説明費用、データ移行費用、
ソフト使用端末数による価格変動、など。
意外にいろいろかかるので、必要な機能・不必要な機能の条件設定を
しっかり決めてから見積ってみることが大切。
学校単独で考えるか、教育委員会単位で考えるかでも
予算の枠組みが異なるため注意が必要。

4.サポート:
相談回数あたりの費用・期間あたりの費用や、
リモート・電話・FAX・メール・現地訪問といったサポート方法なども異なる。
能力的な自信やお金と相談するところ。

5.導入実績:
困ったときに知り合いのユーザがいると助かる、とはよく聞く話。
公開していない場合も多いけど、
公開している場合は現在のユーザ数ではなく、
販売したことのある実績=現在は別システムへ移行している可能性を考慮すること。
けっこう地域によって同じシステムのユーザが密集しているので
調べてみると面白かったりします。

6.機能:
正直なところ、主要な機能はどこも似たり寄ったりな感じはあるという…。
ICタグに対応しているとか、NDLサーチからMARCがダウンロードできるなど
大きな影響のある部分から、
実は書誌データを取り込むときにエクセルからコピペできるという
地味に嬉しい機能まで、
誰かに頼んで試しに使えるなら、使ってみるのが一番です。
デモを依頼すると楽しいですよ。

7.対応MARC
日販、大阪屋、TRC、などの各種有料で質の高いMARC
(受賞記録など詳細な書誌情報が入っていたりする)や、
NDLサーチのAPIで取り込み可能な無料のMARCがあったりする。
質にこだわる余裕がない場合も多いけど、
お金に余裕があるならこだわった方がいいと思う。
検索対象の幅も増えるし、MARC作成まで早いしね。



ほかに何かあったかな? デザインとか…? 営業の人柄とか…?

今回はレビューなどをしていないので、
システム導入で比較検討をしたい人でも頭を抱えることになるでしょう。
我ながら困ったエントリを書いたものだ。
しかたないけど、ちょっと反省。

まあ、まとめておけばなんかの役には立つでしょ、きっと。

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自己紹介

自分の写真
ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。

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