2012年10月29日月曜日

図書館に関連する特許を見てみよう

いま特許が熱い!(僕の中で)


ということで、

図書館に関係しそうな特許をながめ、 新しい視点で図書館を楽しもうというコーナーです。


大雑把で恣意的に説明すると、特許権というのは発明に関する独占を認める権利です。

頭を使って生みだし、無断で他者にまねされるといろいろ我慢ならず、
モノとしての形はないが所有権のある財産(無体財産または知的財産)の一種です。

同種の権利には実用新案権(アイディア)、商標権(ビジネス上の識別マーク)、
意匠権(デザイン)、著作権…etc.などなどがあります。

その知的財産権のうちの産業財産権(特許庁のこのページを見るとわかりやすい)を見ながら、図書館を見たらちょっと楽しそうかな、と。


個人的にも今やっておくと今後役立つ可能性がありそうですし、
図書館周辺の企業で働きたい方にも少しは貢献できるでしょうからね。


意外に少ない44件ということで、ちょっと表にしてみました。
(調べ方の細かい話、図面等を掲載しない理由は後述です。)

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項番 公報番号 発明の名称 出願人(登録公報・US和抄は権利者を表示)
1 特許4933869 文書検索装置、文書検索方法、文書検索プログラムおよび記録媒体 株式会社リコー
2 特許4870372 物品貸出し管理システム 東芝テック株式会社
3 特許4868736 複写処理管理システム シャープ株式会社
4 特許4818448 室内環境調整システム及び方法 石の癒株式会社
5 特許4818418 室内環境調整システム及び方法 石の癒株式会社
6 特許4817585 属性情報検索装置、属性情報検索方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム 株式会社日本総合研究所
7 特許4800506 情報記録カード、情報読取りシステムおよび情報読取り/書込みシステム 谷電機工業株式会社
8 特許4789092 携帯電話、Rバッジ、受信装置 株式会社モビリティ
9 特許4787590 蔵書検索方法、蔵書検索システム及び蔵書検索プログラム 株式会社リコー
10 特許4783234 蔵書貸出支援システム、蔵書貸出支援方法及び蔵書貸出支援プログラム 株式会社リコー
11 特許4698102 方向付けられた広告を伴う電子書籍選択及び配送システム ディスカバリー・コミニュケーションズ・インコーポレーテッド
12 特許4666169 信頼されないアクセス局を介した通信方法 日本電気株式会社
13 特許4641480 蔵書目録検索方法、蔵書目録検索システム及び蔵書目録検索結果表示プログラム 株式会社リコー
14 特許4570131 ICタグを利用した図書館における書籍類管理システム 株式会社図書館流通センター
15 特許4568103 資料検索支援システムおよび資料検索支援方法 株式会社日立製作所
16 特許4427260 資料選定支援システム 株式会社日立製作所
17 特許4422783 室内環境調整システム 石の癒株式会社
18 特許4408061 ICタグを用いた図書館システムにおけるダイポール型アンテナによるICタグスキャンシステム 株式会社図書館流通センター
19 特許4407295 客動線調査システム、客動線調査方法および客動線調査プログラム 日本電気株式会社
20 特許4368718 図書貸出履歴管理方法、プログラム、記憶媒体 株式会社日立製作所
21 特許4347476 図書館用カート 株式会社岡村製作所 他
22 特許4302007 図書館情報管理システム 株式会社リコー
23 特許4302002 蔵書点検システム、並びに、プログラムおよび記録媒体 株式会社リコー
24 特許4270778 図書館における閲覧管理システム、プログラム、及び記録媒体 株式会社リコー
25 特許4247853 相互貸借システムにおけるセンターサーバおよびその制御方法,ならびにセンターサーバを制御するプログラムを記録した媒体 株式会社日本総合研究所
26 特許4146993 図書情報提供装置、図書情報提供方法、およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 株式会社リコー
27 特許4124696 図書情報提供方法および図書情報提供装置 富士通株式会社
28 特許4095109 本のカバー掛け方法及びブックカバーの貼り合わせ装置 株式会社南海堂
29 特許4073019 文献受注複写システム 株式会社伸樹社
30 特許4038247 遠隔地から図書館リサーチを行うためのコンピュータ支援型の方法及びそれに関連する装置 ザ ジョーンズ ホプキンス ユニバーシティ
31 特許3692061 図書館向け書籍納入支援システム及び図書館向け書籍納入支援方法及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及びプログラム 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
32 特許3395061 図書館の蔵書自動出納システムと図書館の蔵書出納ロボットならびに図書館の蔵書出納ロボットのハンド機構 学校法人金沢工業大学
33 特許3122603 図書館車の側面扉 株式会社林田製作所
34 特許3121318 ネットワーキングライブラリシステム 日本電信電話株式会社
35 特許2850107 扉開閉装置 東洋電機製造株式会社
36 特許2850106 扉開閉装置 東洋電機製造株式会社
37 特許2773830 図書管理システム 松下情報システム株式会社
38 特許2735012 仮想図書館システム 日本電気株式会社
39 特許2735002 電子図書館システム 日本電気株式会社
40 特許2614087 図書館の図書情報の検索装置 株式会社 テレマティーク国際研究所
41 特公平07-095327 図書館の蔵書管理システム 日東工器株式会社
42 特公平07-084243 図書館における貸出物品の処理装置 キハラ株式会社
43 特公平06-022039 図書館情報の検索装置 株式会社テレマティーク国際研究所
44 特公平05-027069 核磁気共鳴スペクトロメータ用のブローブアセンブリおよびその使用法 オックスフォード・リサーチ・システムズ・リミテッド
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あと石の癒株式会社というのがちらちら見えますが、
「図書館にも応用可能な空気管理システム」って感じでしたのでここではスルーしましょう。


上記のデータだとリコーが圧倒的に強く見えますね。あとは日立製作所
けっこうプログラムとかシステムで特許をとられているんですね。

図書館の蔵書管理システムを作っている会社は他にもあるし、
そのあたりの権利処理をどうしているのかとても興味があります。
うまく他社の特許を避けて作っているんだろうけど、避けられていない会社もありそうな…。


日本電気株式会社の「仮想図書館システム」とか「電子図書館システム」ってのは特許とれるもんなのかと感心してしまいました。
今となっては公知な技術(みんなが知ってる技術)に見えるしなぁ。


図書館らしい感じがしていいと思うのは、

  • 図書館流通センターの「ICタグを用いた図書館システムにおけるダイポール型アンテナによるICタグスキャンシステム」
  • 林田製作所の「図書館車の側面扉」

あたりでしょうか。

それにしても「図書館車の側面扉」が特許になってるだなんて驚きです。奥が深い…。



金沢工業大学の「図書館の蔵書自動出納システムと図書館の蔵書出納ロボットならびに図書館の蔵書出納ロボットのハンド機構」は日本ファイリングあたりの自動書庫システムに使われていたりしないものなのだろうか、と気になります(未確認)。


岡村製作所「図書館用カート」は特許ではなく意匠では?
という疑問を持ったので意匠権を検索してみたところ、
【意匠登録1111881】にまったく同じ図面を見つけました。

他、にあたる「株式会社平野デザイン設計」で検索するとすぐみつかりますね。
簡単に言うと「動く書籍閲覧用の台」みたいです。



個人的に一番興味があったのは、

南海堂の「本のカバー掛け方法及びブックカバーの貼り合わせ装置」です。
こういうのを作ったら面白そうだと考えていたので、特許になっておりとても残念です。

文書本文を見ると、先行技術となっている以下の文献がありますので、

  • 特開平06-092063
  • 特開平01-214483
  • 特開2004-188979
  • 実開昭61-018865
  • 実開昭57-162094

このあたりにも目を通していろいろと試してみると面白いのかなぁ。
僕の勘がここを攻めると楽しいぞ、と囁いてきてます。技術力ないけど。



さて今回は特許をながめたわけですが、
既に権利の切れたもの、まだ特許になっていないもの、
特許以外の各種知財など、この周辺はまだ掘り下げ甲斐がありそうに見えました。


これからしばらくは暇をみつけて 「図書館と知的財産」というテーマでまとめていこうかと思います。


____________
今回集めたデータについて。

特許電子図書館(IPDL)の公報テキスト検索を使い、
「公報種別」の特許公報 (公告、特許)、実用新案公報 (公告、実用登録)にチェックを入れ、
「要約+請求の範囲」を対象フィールドにして「図書館」という検索キーワードを入力した結果です。

件数はこんな感じ。

特許公報 (公告、特許):44件
実用新案公報 (公告、実用登録):0件

この検索だと、古いデータは別のデータベースなどで調べなきゃわからないようですが、
ざっと見るだけでも楽しめるだろうし良しとしました。
詳しい収録範囲は「公報テキスト検索HELP 2-1 データの概要」をどうぞ。

当然、特許データについては最低限の知識しかないので これで必要十分なほどの検索ができていると言いきる自信はありませんが。


それと、特許電子図書館利用上のご案内によると
___
4.著作権について

特許電子図書館で提供する公報に掲載されている特許請求の範囲、明細書、要約書の文章等や図面に掲載されている文章や図面等は、通常、その創作者である出願人等が著作権を有していますので、転載する場合には許諾が必要になることがあります。
公開技報(社団法人発明協会 発行)に掲載されている内容に関する著作権は、技術を公開した企業(個人)が保有していますので、公開技報から取得した内容を利用する場合はご注意下さい。
___

と記載されておりますので、残念ながら面白い図面などをとってくることはグレーな模様。

大変残念です。図面と説明文だけでもかなり楽しめるのにな…。


2012年10月15日月曜日

【誰がために】図書館の電話番号を46【電話鳴る】

以前見学に伺った図書館の館長が、 「うちの電話番号は4946"ヨクヨム"という語呂なんですよ!」と嬉しげに語っておられました。

その時は特に気にも留めなかったのですが、
改めて当時住んでいた地域の公立図書館の電話番号を見てみると、 
なんとそこの電話番号も末尾が4946ではないですか!

もしかすると日本各地の図書館が本をよく読ませようとしているのではあるまいか

電話番号の基本形は「xxxx-yy-zzzz」かと思っていますが、
(xは市外局番、yは市内局番、zは加入者番号。アルファベットの数だけ数字が入る) 

居住区によって異なった形式だとしても、
加入者番号はだいたい4桁固定で、
番号を選べる自由もわずかながらありそうですからね。

 9696(クログロ)とか2323(フサフサ)とか0930(オクサマ)とかやりつつ、
利用者へ親しみを込めたアピールをする図書館もあろうというもの。

そんな気持ちを胸に秘め、調べることにしたのが今回のエントリでございます。

調べてもトリビアにしかならない? そんなのしらねぇな!

何の生産性もない戦いが、そこにはある!
(採用したデータはについては後述です。)

___________ 


まずは3328の公共図書館の持つ全2216パターンの加入者番号のランキング。 

人気加入者番号TOP10はこれだ! (全552パターン中)



ランク 加入者番号 図書館数
1 4646 31
2 4946 29
3 2111 17
4 3111 15
3746
5 1111 12
6 3311 10
7 2300 9
8 0001 8
0280
2211
9 1040 7
1100
1115
1122
2001
2346
5000
6111
7100
8000
10 3500 6
5111
6800
8080


なんと1位は4646ですってよ。これはヨムヨムでしょうか。 
いくつかの図書館のウェブサイトを確認してみましたが、あんまりルビふらないみたいですね。
ビラとか広報誌にはルビふってそうだと思うのだけどなぁ。

続いて2位は期待通りのヨクヨムが来ましたね。 
これに関しては以前から心配なのですが、 利用者に「もっと図書館を4946(ヨクシロ)」とか
ドヤ顔で読まれて気まずいことはないのでしょうか。とても気になります。

ちなみにこの1位と2位あわせて60館あるわけですが、
そのうち15館が千葉県にあったりします。千葉率25%。高い。
何があったんでしょう。

あと推測できるのは 3746=ミナヨム、2346=フミヨム あたりでしょうか。

それ以外の番号は単純に覚えやすそうに作られているように見えます。

あ、でも1040トショかもしれませんね。
ランク外ですが1044(トショ?)というのも5館ありました。 

それと0280は某市の図書館が各分館に同じ電話番号を振っていたのが原因のようですね。
代表番号制なのかな。今回は無効にしてもよかったかも。



ところで、

4ケタの番号の語呂合わせを考える、
語呂合わせジェネレータ(http://seoi.net/goro/data.shtml)なんていうサイトがみつかりました。 

せっかくなのでそれを使って図書館に関係ありそうな4ケタの番号を探しつつ、
採用している図書館数も追記してみたいと思います。


0204 リファレンス(りふぁれんす) 0館
0510 マガジン(まがじん)     0館
0804 リファレンス(りふぁれんす) 0館   
1000 図絵(ずえ)  3館
1010 事典(じてん・点字(てんじ) 3館
1024 叙事詩(じょじし) 0館
1044 辞書(じしょ)・図書(トショ) 5館 
1093 読者(どくしゃ) 0館
1094 読本(とくほん)・読書(どくしょ) 0館 

1322 印刷所(いんさつじょ) 0館 

2169 ファイリング(ふぁいりんぐ) 0館 
2648 古本屋(ふるほんや) 0館

3109 査読(さどく)・未読(みどく) 0館

4101 補綴(ほてい) 0館 

5610 古文書(こもんじょ) 0館
5922 学術(がくじゅつ) 0館

7109 難読(なんどく) 0館

8209 パブリック(ぱぶりっく) 0館

9109 訓読(くんどく) 0館
9959 聞書(ききがき) 0館


いかがでしたでしょうか。

読めねぇよ!  (ノTДT)ノ ┫:・'.::・┻┻:・'.::・ 

という素敵なリアクションが画面越しに発生するであろうこと請け合いです。楽しみです。


ここまで来るとどんな番号が人為的と考えられるか(偶然の一致ではないと考えられるか)を
確率・統計的に検定しても面白いのではないかと思ったりしますね。  

そこまでやる気にならないけどNE!


いやー トリビアの種がまた一つ誕生したような瞬間でした。


敷いて問題点を挙げるなら、

  • 市外局番などもセットで読み方を定めている場合 
  • 土地の呼び名と関連した番号などを定めている場合 


などは今回の単純な集計では見極められないというくらいでしょうか。

誰が困るわけでもないから別にいいと思うんだけどさ。


あと「0931 わき道」というのも見つけました。
すごくどうでもいいけどいずれどこかで使いたいです。 

いや、やっぱりなんか納得いかないし使いたくないな…。
語呂合わせは、わからないなぁ…。


___________
採用したデータ等について。

今回必要になるのは、なんといっても日本全国の図書館の電話番号一覧です。

国立国会図書館が管理している「図書館及び関連組織のための国際標準識別子(ISIL)」(詳細はこちら)が
始まった当初から目をつけていたのだけれど、
最初は電話番号が入力されていなかったようで諦めていたのです。 

そこで『日本の図書館:統計と名簿 CD-ROM版(名簿編)』を使えればと思ったけど
所蔵している図書館がほとんどない。

リクエストを出して購入をお願いしてみるも、
「図書館価格で10万くらい、個人で買ったらその数倍します。毎年新しい図書館が追加されるけどデータはほとんど変わらないし、注意書きに『データを加工するな』みたいなことが書いてあるし紙版でもほとんどの場合用途を満たせると思いますし…。」 という至極もっともな回答を頂きました。残念。

しかしなんだその商売っ気のない商品は…。

そんなわけで諦めて紙版の『日本の図書館統計と名簿』から
電話番号の末尾だけひたすら手入力でもするかと思っていたのですが、
改めてISIL確認してみたら電話番号も入ってるじゃないですか!
以前見間違えたのか、それとも…?
などなど思いつつ喜んで使わせていただきました。

つまりデータはISIL管理台帳の、
公共図書館(2012年9月9日)[Excel形式 1.1MB]でございます。

まさかこんなわけのわからない使い方されると思ってないだろうけどな!

以上メモでした。