2010年5月31日月曜日

大学図書館の気になる数字

前回に引き続き『日本の図書館:統計と名簿』を参考に
労働面、財政面を重視した数字を算出、およびメモ。
貸出数、参考業務などの業務統計はスルーです。

きっと詳しいことは生データを持っているJLAが
分析をして論文や報告書の形にまとめるんでしょうし、
あくまで個人的に気になる数字を出したという程度ですが
参考にしていただければうれしいです。
(計算ミスがあってもしょうがなかったの一言で済ませる予定)

まずこれは別の調査ですが、
意外にも大学自体は増加傾向にあるようです。
(「学校基本調査報告書」をもとにNTS教育研究所が作成した資料によるもの)
2004年の段階では国87、公80、私542(国立は2004年を境に減少)、
2009年の段階で日本には国86、公92、私595、計773の大学があります。

つまり5年の間に国立-1,公立+12,私立+53です。
より苛烈な奪い合いになること間違いなしですね。

ただし『日本の図書館:統計と名簿』では
大学図書館本館数 国86 公77 私584 としていますので
今回はこれをベースに算出していきます。
上記調査と数字が違うのは
図書館を持たない大学があるか、出典が違うのか、
本館がなく分館しかない大学があるのか(?)そんな所かとおもいます。
以下ではこの「大学図書館本館を持つ組織」を便宜上1大学として扱います。
(凡例をきちんと読んでないので理解が間違っていたら申し訳ないです)

・大学あたり設置館数(館)  国3.4 公1.7 私1.7

・大学あたり奉仕対象人口(人) 国9,586.6 公2,235.6 私4,343.7
(奉仕対象は在籍学生数、教職員数、共用校の在籍学生数、その教職員数。)

・専従+非専従職員数(人) 国3,645  公1,001 私9,138
(非専従は専従、兼務、非常勤、臨時、派遣等の合計)

・大学あたり図書館職員(専従+非専従)数(人) 国42.4 公13.0 私15.6

ちなみに国公私、専従対非専従の比率を出すとこんな感じになります。

エクセルの2007で始めてグラフ書いたから美しさは皆無だよ!

・大学あたり受入図書冊数(冊) 国17,791 公5,961 私7,690

・大学あたり受入雑誌種数(種) 国4,686 公1,117 私1,277
 雑誌のカウントって難しそうですね。タイトル変えた雑誌はどう扱ってるんだろう? 

・大学あたり資料費(円) 国2億4268万 公4267万 私8028万


【10年前からの変化:主観による判断】(各大学種別ごとの合計値によるもの)
国立:
図書館数はあまり変わらない。
(2009年:293館)
年間受入図書冊数は2003、2004年だけ増加しているが、
これは国立大学法人化の影響かも(統合とかもあったしね)。
(2009年:153万冊)
前年度資料費決算額は10年前の86%になっている。
(2009年:208億7100万円)

公立:
図書館数は増加する一方。
(2009年:128館)
年間受入冊数は減少傾向だが、2008年だけやけに多い。
(2007:45万冊、2008:68万冊、2009:46万冊)
前年度資料費決算額はここ5年減少傾向。
特に図書費が10年前の60%になっていることは深刻と言えそう。
図書館数が純粋に増えていることを考えると不思議なぐらい減りすぎかと。
既存の図書館が新規資料受入点数を極端に減らしているのか…?
公立大学数が少ないため、どこかの大学が全体に与えた影響が大きいのかも。

私立:
図書館数は増加傾向(10年前の1.25倍)。
大学自体が増えているから当然と言えば当然だけどちょっと安心。
(2009年:965館)
年間受入冊数には多少の増減はあるものの、あまり変わらない。
(2009年:449万冊)
前年度資料費決算額はこの10年間あまり変わらない。
ただし図書購入費は83%まで減っている。


結論:国立はでかい。すごい。つよい。公立はいまいち。
就職を目指すなら国立大学図書館が働きやすそう。
国立は規模が大きいというだけでなく、
「研究をする場所」としての機能が強いから頑張っているんだろうと思います。
資料費減というのは残念だけど、
共有体制が進歩していると仮定すれば、
必ずしも即座に嘆く必要はないかもしれないですね。

図書館にとっては全体的に厳しい環境が続いている模様です。
世界的にみて図書館に厳しいニュースのほうが多いようだしねぇ…。


ちなみに今回使った表とは別に
最頻値がわかる表も掲載されているのですが
それを見ると
上記のように平均だけ算出することはあまり意味がないかもしれません。
国立だって単科大と総合大学を一緒にするのはおかしいし、
この手の分析をやるなら大学の規模(奉仕対象人口か予算別あたりを基準)によって
分けてから算出すると、何か面白いことが言えそうです。

とはいえ生データを持っていないと無理なので
今後のJLAに期待しましょう。
(ひとまかせ)

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