セルフ・レファレンス演習 

2010年2月10日水曜日

リソース

t f B! P L
どうしても気になっていることがあります。

「かつてMSXユーザー向けに発行されていた雑誌の付録に
"ねこバスケ"というゲームがついていたが、
何号に載っていたかわからなくて困っている」

ということなんです。


この質問はたぶんレファレンス担当が泣きます。

せっかくなので、泣いちゃう理由を含めて
図書館でこのような質問を受けたらその後はどうなるか
考えてみましょう。あくまで想像ですが。



1.まず用語を確認しながら相手の知ってることを聞き出します。
「MSXというのは機械のことですか?(15年くらい前に流行ってた?)」
「雑誌の正確な名前などご存知ですか?」
「雑誌には付録の解説などありましたか?(どこまで掘り下げれば確認できるかチェック)」
「付録は…そのソフト?だけですか?、他にも一緒に詰め合わせだった?」
片手に余裕があったらwikipediaとか見るかな。

アルファベットで書かれている用語は確認した方が無難です。
Acronym Finderなどが便利。
そして雑誌名はたぶん「MSX・Fan」です。
フロッピーディスクが付録として付いていました。
そして読者が作ったゲームなどが詰め合わせだったと記憶しています。

さらに時間が経ちすぎていて対象が
「ねこバスケ」という記述で正しいかどうか、
記憶違いが発生しているかもしれないところも警戒ポイントですね。


2.同時に着地点を探します。
「実際に付録つきで雑誌を入手する必要はありますか」

実家に帰ればフロッピーディスクがあるはずなので現物はいりません。
雑誌自体もあったはずなのですが汚破損がひどくて…。
あ、でもMSX自体は壊れちゃってるし
エミュレータに関する本とか読んでみたいです(需要の発掘)


3.予備調査
GoogleとかYahoo!とか使って"ねこバスケ"と入れてみる。
この現代において見事検索よけ成功!
この件ではあまり役に立つ情報なし。


4.所在を探す
この雑誌を持っている図書館でしか処理できない質問なので
所有する図書館を探してみます。
そして図書館から図書館へ依頼します。

ゲーム雑誌みたいな位置づけなので、ある種当然ではありますが
総合目録ネットワークシステム、j-crossで探して存在せず
NACSIS-WebCatで探してみても当然ありません。
ただし電撃プレイステーションはある

とりあえず最後の砦ndl-opacでは出ましたね。さすが。

実際の図書館員はもっとうまく探すでしょうが、
いますぐ僕の手元でできることはこのくらいでした。

ということで国立国会図書館で頼むしかないらしい。


大雑把ですがこんな流れになると思われます。
現場の方はもっとうまくやるんでしょうが、
行きつくところは同じになる気がします。
ゲーム雑誌を集めてる場所があれば違うか…?



さて、問題はここからです。ざっと以下の通り。

○付録自体にはたぶんタイトルがついてない
○雑誌の表紙や中に解説があったかも怪しい
○確認するためには付録(フロッピーディスク)を開く必要がある
○フロッピー(3.5インチ)を使える環境がまだあるか
○MSX環境を手に入れないとフロッピーも起動しないのではないか
○雑誌は通巻100号まである


うわー ないちゃうー 
想定される解決手段が単純作業のにおいがするー

人に任せるのも可哀そうなので、
今度実家に帰った時自力で何とかします。


ちなみに"ねこバスケ"は
小学生当時の僕にはほんとにおもしろかったですよ。
またやりたいなぁ。

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自己紹介

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ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。

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