世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その1 ランキングの種類について

2013年2月17日日曜日

研究 世界大学ランキングシリーズ

t f B! P L
この2月、3月あたりに学術雑誌関連会社の周りをうろつく予定の僕です。こんにちは。

せっかく時間が空いているので
ちょっと面白そうなデータと戯れるお手伝いをさせていただこうという魂胆です。

作業内容はデータのチェックなので大変地味ですが
せっかくある面白そうなデータをどう使ったら研究として役に立ちそうか、面白そうか、
またはビジネスができるかなどを検討したところ

一番手っ取り早く役立ちそうなのが、大学ランキング系評価指標関連な気がしたので
改めて抑えておこうと思ったわけでございます。


世界的な大学のランキングについては関心を持つ人が多いためか
Wikipedia(世界大学ランキング-Wikipedia)に書かれていたり、
日本私立大学協会附置私学高等教育研究所から
世界大学ランキングの比較(※PDF)という研究報告書が出ていたり(2005年なので少し古い)、
国立国会図書館のリサーチナビにも「大学ランキング(海外)」という項目にもまとまっていたり、

英語版WikipediaのCollege and university rankingsという項や、
EUA(European University Association)が2011年に出したGLOBAL UNIVERSITY RANKINGS AND THEIR IMPACT(※PDF)というレポートにある程度まとまっています。


一通り読んでみたのだけれど、
指標がよく変更されるためか古くて役に立たない情報も数多くあり、
これは諦めて自分でまとめておくしかないというのも書く理由の一つです。


ただ、僕の目的は上に書いた通りなので
主に学術的な視点を含めた評価指標(論文数、被引用数がどうとか)が気になっており
卒業生の活躍状況や就職、教育評価などの指標には今のところあまり関心がありません。


そんなわけで次回以降のエントリで
以下のランキングの指標について見てみることにします。
  1. Academic Ranking of World Universities (ARWU)
  2. THE World University Rankings 
  3. World's Best Universities Rankings 
  4. Leiden Ranking
  5. NTU Ranking (Performance Rankings of Scientific Papers for World Universities)
  6. Webometrics Ranking of World Universities
  7. University Ranking By Academic Performance
  8. SCImago Institutions Rankings


ただ、世界的な大学ランキングについてまとまった資料をウェブ上で探すのは大変そうなので、
ついでに今回は取り上げないことにした他のランキングもメモしておくことにします。

こっちは詳細がよくわからないとか、関心のない指標だとかだいたいそんな感じです。

  • U-Multirank
  • EUがすすめる高等教育機関ランキングプロジェクト。2014年初めごろに出る予定らしい。詳細はまだらしいので今回はパス。
  • CHE University Ranking 
  • ドイツのCentre for Higher Education Developmentが行っているランキング。EUAの報告書では,Compact Ranking, Quick Ranking, My Ranking, Excellence Rankingなどの種類があり、多様な指標を使っている模様。しかしながらオフィシャルサイトで指標について詳しく書かれているページを見つけられなかったので今回は保留。資料によると、Excellence Rankingが一番複雑で、2段階の分析を行っている。1段階目は「足切り」で、Web of Scienceで論文が3千本載っている、各分野の平均的な引用される数より多く引用されている、ノーベル賞・フィールズ賞受賞者がいる、ヨーロッパの研究助成機関が行うプログラムに参加している…etc. などの様々な基準のうちいくつかを満たす「スター」の大学を割り出す。そこから選ばれた組織だけを対象に分析するらしい。あとCompact Rankingでは、学生や教員からの評判(6段階の尺度でアンケート)や研究資金なども見ている。
    U-Multirankに協力するようなことが書かれていたけど、どうなるんだろう?
  • U-Map classification
  • 主にヨーロッパの高等教育機関を対象に教育的な指標を中心としたスコアを視覚化しているところが新しい。方法としてはおもしろいけどパス。
  • High Impact Universities: Research Performance Index (RPI)
  • ウェブサイトが移転したかなくなったかで詳しくはよくわからずwikipedia情報になるけれど、h-indexの変化形であるg-indexを正規化してランクづけしているらしい。2010年のランクはある。g-indexはh-indexより好きなので見られないのが残念ではある。hやg以外にもjとかiとかpとか雨後の筍のようにわらわら出てた気がするけど、今度暇なときにまとまてみようかな。
  • Human Resources & Labor Review
  • ChaseCareer.Netが作っているランキング。どんな指標を使っているのかよくわからなかった。とりあえずリンク先でベスト50は見られる。"For full list of HRLR 300 and the new HRLR 500 universities ranking 2012, please contact us"とか書いてあるので、気にはなるけどめんどくさいなーと思っている。好奇心の方が勝ったら連絡してみようか…。 
  • Professional Ranking of World Universities
  • フランス語のサイト。国立国会図書館のリサーチナビによると"評価指標は世界のCEOと大学との関わりで、有名企業500社のCEOが在籍したことがある大学を調査し、独自の方法でポイント化しています。国別、大学別のランキング、また、各企業のCEOの学んだ大学一覧等を見ることもできます。"とのこと。今は手法的にあまり関心がないのでパス。 
  • Global Universities Ranking 
  • EUAの報告書から。ロシア語ヨクワカラナイデス。旧ソ連国をと他の大学ランキングの指標を参考にReitor(英語表記)という会社がランキングをしているらしいこと、だいたい毎年ランクのトップ3は変わらないことなどはぼんやり見えたものの、詳細が掴みきれないので今回は見送り。


各国のランキング各種について気になる方は上記のリンクとあわせて
リサーチナビの「大学ランキング(国内)」とか英語版WikipediaのCategory:University and College Rankingsなどをご覧になるのがよろしいと思います。


そんなわけで、全10回程度かけて気になるランキングの指標について
ちょっとだけ掘り下げていこうかと思います。



(そういえば図書館の知財関連エントリも書く予定だったけど、どうまとめていいか全く分からなくなったのでボツになりました。見つけた小ネタとしては、「ブック墓」という斬新なものが一番の収穫。いろんな疑問はあるけどググると楽しいかも。あとリコーさんが強い。攻める気満々。それと最近韓国の企業が図書館用品の特許を日本で申請しており、今後の戦略がとても気になる。)

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自己紹介

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ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。

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