世界的な大学ランキングの評価指標を眺めよう その8 URAP編

2013年3月17日日曜日

研究 世界大学ランキングシリーズ

t f B! P L
今回はUniversity Ranking By Academic Performance(URAP)です。
説明は2011年の場合。

  • 原著論文数 [21%]
    • 2011年に出版されてWeb of Scienceに登録されたarticle数
  • 引用 [21%]
    • 2011のランキングの場合は2007-2011年に出版された論文が引用された数
    • 自己引用は除く
  • 全ドキュメントの数 [10%]
    • 2011年のarticle, conference paper, review, letter, discussion, scriptなどタイプにこだわらない文献数
  • 雑誌のインパクトファクターの合計 [18%]
    • 2007-2011年の論文等が掲載された雑誌のImpact Factorの合計
  • 雑誌の引用インパクトの合計 [15%]
    • 引用"した"論文が掲載された雑誌のImpact Factorの合計
    • 2007-2011年が対象
  • 国際共著 [15%]
    • 2007-2011年に出版された、他国の大学と共同研究をした論文(?/原文はpublication)の数

データがWeb of Scienceのみのようなので、
考えてみるとThomson Reutersのインフォメーションアナリストが
ちょちょいとやれば作れるんじゃ… という気がしなくもないですが
とってきたデータから大学以外で発生した論文を除いたり
自己引用を除く処理をすることを考えると
自動化できなさそうな部分でかなり手間がかかりそう。


メソッドの部分を見ても詳細がこれ以上よくわからないのでなんですが、
Impact Factorの使い方に疑問もあるし、
分野差を考慮しているような記述も見られないし、少しもやもやしている感じはあります。

世界で論文数の多い2500大学を対象にデータを処理し、
そのあと2000大学にランクをつけているそうなので
質より量で勝負な感じのランキング、といった印象。
(他のランキングは500位までとかだし)


目的を見る限り、
世界の大学を格付けしようというものではなくて、
研究推進のための戦略の参考にしてほしいという感じだからいいのかな。

そのわりにはA++みたいな表記が出てますけども。


世界のランキングは重みづけに基づいて600点満点で評価をおこなっていますが、
1位のハーバードが600点で、2位から10位くらいまでで450点前後、
20位圏内で400点前後ってのはなかなか極端な開きがあるね…。


地域ごと、分野ごと、国ごとに分けてのランキングも見られますが、
分野ごとの場合は国際共著指標は使われないようです。


いろいろ気になるところはあるけれど、
「論文数と被引用数による研究評価」であり比較的シンプルなランキングの印象。
「質より量」を重視したいときに見るランキングですな。


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自己紹介

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ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。

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