今年度の授業を準備する過程で
なかなかおもしろい本を発見したのでメモ。
マシュー・バトルズ著,白須英子訳『図書館の興亡 ―古代アレクサンドリアから現代まで』
図書館司書として働くための採用試験に臨む方には
「図書および図書館史」を履修した後にぜひ読んでほしい一冊。
先に読むと人名や施設名のせいで、
読んでて退屈になってしまうかもしれませんが
後なら知っている名前や語が多く楽しく勉強にもなりそうです。
(「歴史」が嫌いという方には楽しくないかもしれません。)
テキストを読むときのように気張る必要がないところが一番の魅力です。
どちらかというと「読み物」に近い文体で書かれています。
歴史読み物という感じです。
訳者のあとがきによると、
"図書館をめぐる事実だけを並べた無味乾燥な歴史を書きたくなかった。
知識と文化がどんなふうに影響しあってきたかを見つめてみたかった。"
と著者が出版後のインタビューで答えているそうです。
内容を一言で表すと「西洋図書館史概観」という感じです。
図書館史上に名を残す人物や出来事に関して
背景や環境を読みやすく書かれているため、
一段深めて図書館史を勉強したい人に最適。
あと図書館史の授業を受け持ってしまった
門外漢の教員が小ネタを探すのにもやや使えそうです。
採用試験などで出題される問題としては
日本図書館史の方が重視されているような気がしてならないので
資格の勉強に役立つとはぜんぜん言えないですけどね。
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自己紹介
- shibagon
- ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。
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