かなりの図書館関係者が訪れたことがあるだろう大人気スポットです。
僕もたぶん4回目ですが撮影は初めてです。
やはり博物館なせいか撮影に関しては手慣れた対応をしていただいた感があります。
教科書などに載せる場合にも撮影の許可が下りるようです。
インストラクターの前原さんをはじめ、皆様お世話になりました。
今後ともよろしくお願いいたします。
【写真のまとめ】
○活字編
「活字」が何か分からない場合はこちらへ。
いただいた資料によると
基本的に「鉛80%、錫5%、アンチモン15%ぐらいの比率で
350℃で溶かした合金を、鋳型に流し込んで作る」そうです。
上の写真は大きさを測り忘れたのですが
だいたい10×20×2cmくらい(片手でつかめるくらい)だったように思います。
それで重さが2kgあるんだから、けっこうな密度ですよ。
ダンベルみたいなものです。
また、大きさの表現方法は「号数制(日本独自規格)」「ポイント制」があり、
ポイントに関しては1/72インチ=1ポイント(約0.35mm)として計算しています。
でも活字を作るメーカーによって少し異なるんだとか。
写真の数字は「ポイント」表現です。
そういえば文書作成ソフトの類でも文字の大きさはポイントで表現していますね。
アルファベットの写真です。
同じポイントでも文字によって幅が異なります(I,Jなどは狭いですよね)。
これを並べてスタンプを押すように印刷を行うわけですが、
「文字同士の間が必要!」と判断した場合は
間を開けるための活字を一緒に並べることになります。
写真の中段左側は「木活字」、下段は斜体の活字です。
写真が見づらいかもしれないのですが、
斜体の活字は「字面(文字として印刷される部分)が飛び出ている」
というのはおもしろいですね。やはり欠けやすくなるようです。
全景の撮影に失敗していたのでこれだけ出しても微妙なのですが、
「活字を手作業で掘るための機械」の一部分です。
簡単にいえば、真ん中の針を「ゆ」の文字通りに動かすことで
「ゆ」の活字を掘れる仕組みです。
気になった方はぜひ現地へ行ってご覧ください。
○活字の配列と文選
原稿に従って活字を集める作業のことを「文選」と言うそうです。
慣れている方は2~3秒で一文字拾えます。
文字の配置が頭にインプットされているんだそうです。
一万二千種類くらい字があるらしいんですけどね…。
3年くらいすると一人前だそうです。
ちなみに印刷の家では「一般の人向け」と「専門職向け」に
分けて配列をされていました。
一般向けの配列は「字の音読み」で並べられています。
対して専門職向けの方にはいくつか特徴があります。
・文字の利用頻度で分ける
(もっとも利用頻度の高い文字を大出張とよぶ)
・旧字体も扱う
・常用外の漢字も扱う(中国語…?)
・部種別に並べる
「部種別に配列するおかげで旧字体や常用外など、
読みのよくわからない漢字にも対応可」というのは機能的な配列だと思います。
ただし、部種別といっても
旧字体の部首によって配置されている場合もあるため
(例えば「体」だと旧字体は「體」であり部首は「骨」になる)
しっかり配列を暗記する必要があります。
日本語は漢字・ひらがな・カタカナが
混在してて大変だとよく言いますが
アルファベットと比べると何倍の文字種があるんでしょうか…。
○組版(植字/ちょくじ)
文字などを理想の形態に組み上げる作業のことを組版といいます。
ルビ、数式、表などは難易度が高いようです。
組版後の原版はこんな感じ。
原版の取り扱いは、
出版所と製版所と印刷所で話し合って決めるそうです。
図などは樹脂で作ったりするそうです。
あと、組んだ後の「版」では直接印刷を行わず、
「紙型」という型を取り保存することが多いとのこと。
実際の印刷は紙型に亜鉛を流し込んで複製した版で行ったほうが
耐久性があるんだそうです。
○印刷機の写真
手動の活版印刷機は
「近代印刷のあけぼの スタンホープと産業革命」という
展覧会の図録にきれいな写真が数多く載ってます。
一般流通はしていないようですが印刷博物館のミュージアムで販売しています。
あとは文化庁の文化遺産オンラインのスタンホープ式印刷機なども授業で使えそうな写真です。
使い方がわかりにくいけど。
こちらはADANA製の印刷機です。
使い方は現在編集中の動画を見ればわかると思います。
これはアルビオン印刷機です。
1820年ごろイギリスで考案されたもの。
使用例の動画を編集中。
写真がいまいちなコロンビアン印刷機。
上にいる金の鷲は印刷をする際に圧を加えるための
「おもり」の役割も兼ねているそうです。 ゴージャスですね。
また、鉛の活字は性質上あまり大きくできないため
コロンビアン印刷機では「木活字」を使っているそうです。
ひとまず写真はここまで。
撮影した映像は日を改めて。
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