司書を目指す人なら名前ぐらい知っているはず、
そんなふうに言われそうな「大宅壮一文庫」という図書館があります。
一般雑誌専門の図書館として有名、
というよりここが作っている
雑誌の記事を調べるための索引(Web版だとWeb OYA-bunko)が有名で、
その分類表を授業の資料にでも使って
「分類表の中から"民主党"という項目を探し、その位置づけが適切か、'分類表を維持することが可能か'という点を含めて考察しなさい」とか、
そんなレポート課題を出したら面白いかなー などと検討してました。
まあ、検討のうえボツなんですけども、その過程で、
「紀伊國屋書店ビデオ評伝シリーズ 学問と情熱 第14巻 大宅壮一 : 無思想の思想」(38分)
というVHSビデオ(DVDでも発売されている)を見たりとか、
戸田 光昭,"索引の研究(8) : 大宅壮一文庫の索引(その1)". 文化情報学 : 駿河台大学文化情報学部紀要 11(1), 39-44, 2004-06を読んだりしたわけです。
ここで今回のタイトルの話に繋がるのですが、
上記の論文(教科書執筆するほどの先生が書いている)の最下部で、
大宅壮一文庫以外の「雑誌図書館」として
六月社という私立の雑誌専門図書館について書かれております。
大宅壮一文庫の「日本で唯一の雑誌専門図書館」という触れ込みに疑問が生まれる、
というのはさておき、
その分類(上記リンクの"事項インデックス・リストのタイトル一覧"から見てね)が、
NDCを見慣れているとけっこう驚く作りでして。
雑誌記事の索引語管理は
・固有名詞が多くなりやすい
・流行に依存する部分が大きい
・でも雑誌を捨てる気がないなら索引語が増える一方
・どこに分類するのが適切なのかわからない記事が多い
など、勝手な想像ではそんなイメージなんですけど、
それを差し引いても興味深い形。
コレクションを見てみないと、
どのような分類体系が適切なのか判断しきれませんし、
非難をしようというつもりはないんですが、
(使う人が使いやすい = 良い分類、良い索引語
だと思っているので良し悪しは外野が判断することではないはず)
NDCに慣れた方などはこれを見てどんな感想を持つのか、
それがとても興味深くて、書いてみた次第です。
個人的には、
分類体系や分類表を作り、それを維持する方の労力に
普段から感謝しつつ仕事をしないといけない、ということを改めて実感しました。
いやぁ 図書館世界の持つノウハウは本当に、本当に偉大なんですね
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自己紹介
- shibagon
- ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。
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