これは「図書館サービス論」という科目のテストを使って
学生のアイディアを引き出す企画です。
(昨年の記事:Q:新しい図書館サービスを書きなさい )
簡単に書くと「全く新しい図書館サービスを書けたらテストに加点する」
(この問題に触れなくても満点がとれる)というものですが、
以下のようなサービスは得点対象外としてあります。
・既知のサービス(既知=ここでは教員が知っているサービス)
・実現不可能なサービス
・図書館にふさわしくないサービス
つまり、
"授業で説明されたサービスはすべてしっかり抑え、
自分の頭で実現可能かつ適切なサービスを考え、
事前に調査し既存のサービスであるかチェックする"ことで得点を狙える問題です。
「それができるなら、おまけ問題に手を出さなくても高得点がとれるだろ…?」
というのは言わないお約束だ!
さて、この課題をお互いに楽しむために、学生たちには前もって情報を提示しています。
僕がどんなサービスを知っているか、
どのようなサービスはふさわしくないか、などですね。
「ふさわしさ」は図書館に希望するサービスのアンケートをとり、
それらについて解説をおこなって終了。
既に知ってるサービスについては授業中に随時説明していますが、
それ以外に、最近見た中での印象的なサービスを教えておきました。
(長くなるのでこの記事の下の方にまとめてあります 。)
結果として、興味深い回答は以下の2つでした。
- 地域住民の自費出版本を図書館で預かり、専用貸出システムを作って管理運営。読んだ人の反応を書きこめるようにする。
- 図書館利用者の個人所有資料に各種装備を施すサービス。特に「フィルムでコーティングする」など。
1つ目はAmazonのレビューみたいなイメージでしょうか。
「レビューを書く」という機能は、いわゆる次世代OPACで実装してたはず。
しかしこれは、図書館に集まる利用者層の特徴をうまくとらえ、
コミュニティサービスに図書館が役立てる可能性も踏まえ、
Amazon他ネット通販系も手が出にくい資料に目をつけた回答。
地域資料に目をつけるあたりが素晴らしいと思いました。
実際に図書館で行われているかもしれないけれど、知らなかったからヨシ。
2つ目は、装備のほとんどをTRCなどに頼ってる公共図書館が多い中で
期待するのも難しいとは思うものの、個人的にとても欲しいサービス。ブッカー。
例えば日本ブッカーがビジネスでやっていたりするらしいとか、本の修理イベントで実際にやってもらうとかは聞いたことがあるけど、
図書館で恒常的にやってくれたら嬉しいのは確かですね。
誰かが無料でやってくれるなら、もしくは専門家が教えてくれるなら、
きっと喜ぶ住民は多いことでしょう。
そういえば高校時代に学校の図書室で作業してたっけな…。
そうか…。フィルムさえ手に入れば自分でもブッカーかけられるのか。
よーし、大学の図書館でフィルム頼んでみるか!
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学生に向けて提供したヒント
カレントアウェアネスポータルがネタの中心です。
まず音楽配信サービス。
広島大学図書館が音楽配信サービスの提供を開始
(カレントアウェアネスポータル2010年11月8日付けの記事)
33万曲以上を聴き放題:岐阜県の高山市図書館、音楽配信サービスを開始
(ITMedeia 2008年9月16日記事)
これ自体は必ずしも新しくはないけど、
リンク先の記事で出てくるNaxosについて調べてみると
日経トレンディネットの2010年12月07日付の記事として
ナクソスが定額制映像配信!デジタル戦略、クラシックレーベルならではの強みとは?というものがあります。
これはつまり、これから図書館で映像配信が実現する可能性があるってことになるわけですよね…?
あと、横浜市山内図書館、資料の有料宅配サービスを試行(カレントアウェアネスポータル2010年12月16日付けの記事)
もそれなりに衝撃だったのでいろんな意味で今後に期待しています。
イベントとしては、
香川県丸亀市立図書館、ライブラリーウェディングを企画がその後どうなったのか続報に期待してますし、
E1127 - 「ぬいぐるみの図書館おとまり会」現場の様子と舞台裏(日本)
に僕も混ぜてほしいし(主にポーズを決める自信がある)、
全国各地の図書館とJリーグのクラブチーム等との連携事業も今熱いみたいなので紹介。
他にも電子書籍の貸出とか、保育士の資格を持った司書が読み聞かせをするとか
チャット・Twitterを使ったレファレンスサービスなども、
既知なサービスとしてと説明をしておきました。
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