国際子ども図書館へ見学に行ってきました。
今回は授業の一環として案内をお願いしたので、
案内なしの一般利用者として館内を見回った場合に比べれば
得られる知識があるものの、
職員の方に案内をお願いことがある方にとっては
驚くような情報はないかもしれない記事となっております。
写真も撮らなかったし。
それでも質問タイムにいろいろ尋ねた分、
多少の付加価値はついているかもしれないので、
ありがちな見学ものの記事だけど書いてみることにします。
- 見学について
- 見学者
- 頂いた資料
- 建物全体の話
- 1F
- おはなしのへや
- 世界を知るへや
- 子どものへや
- 2F
- 資料室
- 研修室
- 3F
- ワークルーム
- ホール
- 本のミュージアム
- その他
- 書庫
- 職員と連携
- 分類記号
- 見学・ツアーに関するページを見るとパターンはいろいろあるんですが、今回は事前に電話で予約をして職員の方に案内をお願いしました。
人数などを書いて書類送ったら「参観許可証」が返送されて来てびっくりした。
今まで見学とか取材とかで必ず依頼状書いていたんだけど、
許可証もらったのは初めてだった。
そんなわけで許可証に記載した人数と増減がないように注意をしていたものの、
間違って1週間前に見学に行ってしまう学生がいるとか、
20数人参加となっているうちの半数が遅刻するとか(みんなすごい勢いで道に迷ってたらしい)、
何人かバックレて来ないとか本当に頭の痛くなるようなスタート。
受付で事情を話したら対応してもらえて助かりました。
多少の人数変動はなんとかなるらしいです。
でも先方に時間をずらして頂くなど申し訳ない話です。
後で尋ねてみたところ、
現職図書館員、学生、読み聞かせボランティアとか
児童書の研究者(たぶん出版関係の人も含む)、
建物に興味がある人などがよく見学されるそうです。
軽く観察した感じだと「マダム1~2人」のパターンが多かったようだけど、
平日の午前中とかそんな感じなのかもね。
まずは国際子ども図書館のパンフレットを頂きました。
表紙・背表紙を除き全6ページでカラー印刷。
基礎的な歴史、役割、施設、サービスなどが記載されています。
シンプルでわかりやすく、一般の人向けな感じです。
その他に各部屋の案内図・資料排架図などもあったので
いろいろ頂戴してきました。
児童資料の排架方式に特徴があるのか見てみようと思って。
結果としては、特徴的なのは家具のデザインのためであるように見えたけども。
今回は業務を中心にお願いしたので建物の説明などは
それほど詳しく伺ったわけではありませんが、
明治・昭和・平成に建てた部分が混在していて
平成部分は、安藤忠雄氏の手によるもの。
戦争、関東大震災の際にも破損はあまりしておらず、
改修だけですんでいるというんだからすごい話だ。
実は免震装置が付いていて
ある程度大きな地震では問題ないはず(実際に起きてみないとわからない)。
ちなみに火事などがあったらチッソガスで対応。
明治時代の洋風建築の特徴らしく、
上のフロアの方が[床-天井間]が離れている(天井が高い)。
3Fは9~10m程度の高さがある。
しかしこの特徴にどのような意味があるのかは聞きそびれてしまった。
うーん、何でだろう?
合理性があったんだろうけど見当がつかないな…。
1Fには事務室、おはなしのへや、世界を知るへや、子どものへやなどがあります。
おはなしが行われていたので見学できなかったけど
パンフレットを見る限りなんだか面白い形をしています。
来年は見られるように調整したいものです。
ちなみに"おはなし"の最中は大人が入れないルールになっているらしいのですが、
その理由は「子どもが本の世界に浸れるようにするため」だそうです。
特に、他の子どもにつき添いで入った保護者、という
全く知らない大人に囲まれて
子どもが緊張してしまうことを防ぐためだそうです。
大人がいると読み聞かせをやりにくいからか?
と思っていたけどそういう理由ではないらしいです。
勉強になるね。
元貴賓室で床が寄木細工作り。
ふと思い出したけど、
国会を見学したときも寄木細工作りの床になっている場所はけっこうありました。
明治時代の高級な建物のブームなのかな?
現代では、各国の文字や文化がわかる資料(基本は子ども向け)が置いてある所だそうな。
この部屋の案内図はないらしいけど、
代わりにおしゃれなポストカードをいただきました。
(おしゃれすぎて使いどころに悩む)
貸出はしていないけど、蔵書数は約1万冊。
本の顔(表紙)を見せることを重視する排架方式。
「光天井」という、本に影が落ちない作りになっています。
説明しにくいけど、例えば中央にドーナツ型の椅子&机があるなど
家具が特殊な形をしていて興味深いです。
ここに置かれているのは、長く読み継がれている名作が中心。
メジャータイトルいっぱいです。
「ぐりとぐら」をはじめとした各名作の人形が置いてあったり楽しげです。
人形を使って子どもをあやすことに定評のある僕としては
知らない子どもにちょっかい出して遊びたくてしょうがなかったのは秘密。
(見学コースを案内されていたのでそれでころではなく、自制した)
名作もいろいろ置いてあったけど、
個人的に気になったのは
『しろくまちゃんのホットケーキ(さわる絵本)』(さわる絵本連絡協議会・大阪 寄贈)。
文字通りこぐま社の『しろくまちゃんのホットケーキ』をさわる絵本化したもので、
目の不自由な利用者向けに墨字と点字で文が書かれていて、
人形とかが紙に貼ってあるかんじ。
欲しくてしょうがないけど(かわいいから)、非売品ぽかったので断念。
2Fにあるのは第一・第二資料室、研修室です。
第一資料室は日本とアジア、第二はそれ以外の国の児童書や関連資料が排架されています。
地震対策効果+光量確保の機能を持った書架がかっこいいです。
参考図書も結構置いてありました。
基本的には18歳以上が利用可能な部屋ですが、
その制限の理由として
1.納本制度による保存のための資料であるため。
2.研究者などが落ち着いて閲覧するため。
という2点による理由があるほか、
18歳というのは研究を始める年齢だから、という話もちらりと伺いました。
1Fの子どものへやの職員に頼むと
資料室に置いてある資料も1Fに持ってきてもらえたりするらしい。
ちなみに国立国会図書館(NDL)との納本の分担を
どうやって決定しているのかとても気になったわけですが
18以下の資料と見たら(←なかなか難しい基準)国際子ども図書館とか
何かしらの分類基準を持っているらしいです。
その基準も読んでみたかったけど、公開はしていないらしいと。
けっこう気になる話です。このブログとしては。
各種図書館関係者を対象にした研修を行うときに使用される部屋。
見ていないのでどうなっているかはよくわからない。
ホール、ワークルーム、本のミュージアムがあります。
すっかりその存在をスルーし見忘れてしまったという…
なんかワークショップとかやってるらしい。
常設展を行っている場所。
2年くらい前に行ったときにはIBBYか何かの
受賞作品を並べていた気がします。
ホール中の「メディアふれあいコーナー」では
パソコン端末を使ってDVDを見られたり
インターネットでも公開している絵本ギャラリーなんかも見られます。
そういえば、一部パブリックドメインになっているはずの
トムとジェリーがないか探してみればよかった。
どうなんだろうねぇ。
企画展会場。
今行われているのは、絵本の黄金時代。
個人蔵書から借りてきた資料も多数展示されている。
3階建ての建物を7階層に区切るという不思議な方式で存在する書庫。
3F部分だけで4階層分使ってたのが面白かった。
まぁ、フロアによって高さ違うししょうがないね。
ちなみにスペースには余裕がなくなりつつあり、
(45万点の収蔵力に対し40万点くらい所蔵していて)
裏の敷地に新書庫を作るかもというおはなしでした。
近くにある東京子ども図書館に「読み聞かせ」の研修をお願いしたりしているそうな。
人材面での各図書館への支援としては、
「遠隔研修」というのを不定期で行っているが、今後さらに力を入れるべき課題だと感じている、とのこと。
どんな研修内容なのかは、みごとに聞き忘れる。
「児童書総合目録」に参加している機関とは交流があるとのこと。
資料室にある資料などは、
国立国会図書館の支部だけどNDLC(国立国会図書館分類)による分類とは限らず、
NDC(日本十進分類)のものもある。
複合的に構成されている資料もある模様。ちょっと複雑。
でも「子どものへや」は基本的に
日本全国の図書館との互換性を考えてNDCを採用している。
(利用者教育的な観点を含む)
参加した学生は勉強になったと感じていたようだし、
とっても良い経験になりました。
さて、あとはバックレ学生共にたっぷりお説教をしてやれば
僕の仕事も完遂だね!
見学会を実行に移していただき、ありがとうございました。問題が多々あって大変だったと思います。またこういう機会があると、楽しく勉強ができてよいと思います。
返信削除!
返信削除匿名ではあるが学生と見たね。
見学会は積極的に増やしたいですが、いろんな学科の人が受けに来るから、いかんせん他の授業に迷惑をかけまくるというのが悩みです。学年もばらばらだし。
人が集まるなら授業とは別の機会、例えば土日とか長期休みにやってみるかなぁ。