前回に引き続き旅の記録。いったい何しに行ったのかよくわからない、そんな日記。
1日目
全日空の便で現地の朝9時頃に空港へ到着。入国審査が終わって経路の確認をしていると空港のアナウンスで突然呼び出しをくらう。
何か入国で問題があったのかと思いアタフタしていたら空港の職員さんから飛行機に携帯電話の忘れ物があったことを伝えられる。が、僕のじゃありません…。
飛行機の中で「オデッセイ」「ブラックスキャンダル」「図書館戦争」を見て疲れたのでとりあえずホテルにチェックインして少しゆっくりしていたら「旅レジ」に登録したおかげでメールが届く。
"Winter Storm Jonas"による大雪への注意喚起…
翌日、翌々日は公共交通機関が全て停止? 不要な外出は控えるように…?
そして続々と各種店舗も午後や夕方には休みに入る。
図書館・博物館・美術館などでは少なくとも2日後まではどこも休館が決定。
自由に動けるの6日間しかないのに到着早々この仕打ちとは、いったい何しに来たのか…
頭を抱える波乱の幕開け。
そして家族やお世話になっている方々から「非常事態宣言」の報道を見た心配のメールが届く。
しかたなく近くのドラッグストアで行列に並び水や食料を買い込んで籠城。
どうしようもう帰りたい…。
2日目
雪は勢いを増し、外出を控えるようお触れが出ているのでホテルで待機。
しかたがないのでホテルのジムで5時間ほどトレーニングした後、テレビを見る。
みりんは英語でもmirinで通じるらしいことを料理番組で学ぶ。
思えば英語力は現地の小学生以下、支払い能力以外大人としての尊厳はないなぁ…
ちなみに泊まっていたのはデュポンサークルという比較的治安の良い場所。
雪が積もりゆく街並みを窓から眺め、「なんかこの景色ホームアローンで見た」という感想が口からこぼれる。
【走り回る除雪車を眺める。頑張って、そして助けて。】
3日目
未明くらいまで雪は降っていた様子。ご近所では最終的21インチ(50cmちょっと)積もったらしい。最も降った地点ではその倍くらい。
"Winter Storm Jonas: Where Does it Rank Historically?"という記事を見ると記録的なブリザードだった様子。いやあ、そんな瞬間に立ち会えるだなんて嬉しいです、嬉しいということにしておきたい。
もう我慢できないのでとりあえず外に出てみると、雲ひとつない晴天。
公共交通機関は未だ動かず休館のところばかりだが、2本の足で歩けばいいじゃない!
散歩だ、散歩! 外に出なかったら本当に何しに来たのかわからなくなるよ! 手遅れだけど!
ということで当初予定していなかったジョージタウンと呼ばれる地区に散歩に出かける。
ファーストフード店くらいしか開いていないが、食糧たりなかったし助かる。
ありがとうSubway!
せっかくだから大学の図書館にでも潜り込んでみようかと思いジョージタウン大学に行ってみるものの、職員らしき人たちが頑張って雪かきしているのを見て申し訳なくなってやめた。
【それにしてもHealy Hallはすごい迫力だった】
犬の散歩や雪かきをしている人たちを横目で見ながら、主旨は想定と全く違うが日常風景を見る旅も悪くないと思い始める。
現地の方は雪かきをしたりソリで遊んだりしている。
【写真の両端にあるこぶのようなものの中には車が埋まっている。頑張れオーナー!】
雪道つらいと思いながらも1日で20km近く歩く。足の裏に内出血がみられたが、持っていた熱さままシートを足の裏に貼って寝たら翌日にはだいぶ回復した。
4日目
無料の博物館も、有料の博物館も未だ休館。
スタッフが出勤できないとかきっとそんな理由なんだろう。
一部路線の一部区間だけ交通網が回復したが、やることないので今日も散歩。
せっかくだから今度はダウンタウン地区を歩く。
ホームレスをみかける数が他より多い印象。なるほど夜徘徊するのは賢くないかも。
こちらはカーネギー図書館の一つ。Carnegie Library of Washington D.C.。
すでに図書館ではなくなっている様子なので、特に中には入らなかった。
国際スパイ博物館がなかに入る話も出たが白紙撤回されたとか。
【建築様式はボザール様式と言うそうな。かっこいいね。】
午後はモールと呼ばれる地区の公園を歩く。
そう、公園には入れるんだよ! トイレとかは閉まってるけど!
【こんな道を2時間歩いてまわる。踏み固めた人がいるのが救い。でもすごく滑る。】
・Washington Monument/ワシントン記念塔
【塔と撮影地点の間はプールのはずなんだけど、よく見ると足跡らしきスジがある。なぜ?】
・Tomas Jefferson Memorial/ジェファーソン記念館
【keep outで近づけないのでシルエットだけ。神殿にしか見えない。】
一国の大統領とはいえ、オリンポスの神々と同格の扱いではないかと思う。
・Franklin Delano Roosevelt Memorial/フランクリン・D・ルーズベルト記念公園
【像と同じような服装で行ったけど後ろに並んだ写真は撮影できなかった】
・Martin Luther King, Jr. Memorial/キング牧師記念碑
【雪の中から爆誕!と言われてもちょっと信じる】
その後市街地に戻ってきた。
本屋の前でナンパしているらしい男二人組が「僕たち経験なクリスチャンだから何もしないよ!」みたいなことを言っており、「何もしない」は国も言語も関係なく共通する手段なんだなぁと納得する。
ついでに本屋でどんな日本関係の本がおいてあるのか眺めてみるが「NINJA」「SAMURAI」みたいなものしか見かけなかった。
アメコミショップ、紅茶屋などで土産を調達。
5日目
未だ議会図書館やNIHは開かないものの、ようやくスミソニアン博物館の一部(4つだけ)が開館。よかった…。
・National Air and Space Museum/航空宇宙博物館
【ゼロ戦の説明には神風アタックも書いてあった】
飛行機好きというより、宇宙好きにオススメな印象を受けた。
場所は市街地から少し離れるけどUdvar-Hazy Centerの方が飛行機の展示が多くて見ていて楽しそう。
・National Museum of Natural History/国立自然史博物館
【象いいよね、象】
必見とされるホープダイヤモンドは残念ながら展示されておらず、悔しいので自然史博物館のガイド本を買ってきた。
哺乳類のコーナーと鉱物,宝石のコーナーが特に面白かった。
日本の自然史博物館をまわったときは、原石が多く加工後の宝飾品になっているものはあまり見なかった気がするけど、ここではかなりお高そうなネックレスがいくつも展示されていて、みとれている女性が多かった。
そして次の日に予定されていたNIH,NLMの見学はキャンセルとなる。
6日目
ようやくアメリカ議会図書館が開館。お土産買わなきゃ。
・アメリカ議会図書館(トーマス・ジェファーソン館)
【天井には様々な学問をあらわした絵が描かれている】
建物の内装を見たいのであれば、日本からも見られる時代ですよ(前回のエントリ参照)。
ボブ・ホープ・ギャラリーやら企画展示やらでは「風刺」を行う人間がクローズアップされていた。
日本にいて意識したことはあまりなかったけれど、
風刺は"ユーモアがあれば許されるかもしれないけれど、ほぼ間違いなく敵を作る"という存在なわけで、表現の自由との関係も密接なんですよね。もう少し注意深く見るようにしてみよう。
・Arthur M. Sackler Gallery/サックラーギャラリー
俵屋宗達展を見るために行ってみる。本当は地下で繋がっているFreer Garalleyに行きたかったけど2016年初頭から2017年夏ごろまでクローズ…。
ファクシミリ版ではあったけど風神雷神図屏風も展示されていた。
そういえばスミソニアンの博物館は、個々の館はそれほど大きくない印象だけど、その中でもサックラーギャラリーは特に小さい印象を受けた。
この頃にはふっきれていて、もう旅の目的は散歩でよくない? みたいな気持になる。
午後は大使館街の散歩へ。
【旅行初日の僕、ではなくクロアチア大使館なのでもっと深刻な意味があると思う】
7日目
朝のニュースで休校になっている学校が多いことが報じられる。道路脇に積まれた雪が邪魔になっているから危ないんだとか。結局最後まで雪の話題ばかりだったな…。
午後1時すぎの便で帰国。ボルチモアからシカゴ経由で成田へ。
空港内を見て回ったけれど、小分けの袋にお菓子が入っているような「職場用」に適したお菓子が見当たらず落胆する。
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振り返ってみると全体的に雪のせいで大幅な予定変更があり、毎夜次の日はどこが開いているのか調べるのが日課になっていました。
国立樹木園とかNLMとかナショナルギャラリーとかカジノとか行きたかったな…。
その分散歩しながら遊んでたIngressは一週間でUPV=1100, UPC=700, 歩行距離=94kmくらい捗ったけど、複雑な気持ち。
レストランの食事なんかは税で10%、チップが20%前後必要なため「表示価格の3割増し」みたいな感じで、全体的に物価が高いという印象は否めない。しかし、首都だけあって見る物も食べるものも揃っていて飽きないところでした。そして一人だと予定変更はしやすいけど大皿料理とかは手が出なくなるので、食べる楽しみを味わうためには一人旅が向かないことを痛感した。
いつか機会があったらまた行きたいものです。
行くなら桜祭りがやってる時期か、大使館街がオープンハウスになる5月とか、夏の日が長い時期が楽しそうですね。その時は大人しくツアーにしようかな…。
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自己紹介
- shibagon
- ある日突然図書館司書資格関係の科目を教えることになり、司書と司書教諭の必要科目の大半を担当していました。次に図書館関連の道具を販売したり建築・改築をする仕事に転職し、図書館の機械化部門で図書館システムやらIC関係の仕事をしました。現在は大学図書館の司書(大学病院図書室、電子資料契約、RDM等の担当)として勤務。 ブログは教員のころに始めたものなので、当時からするとコンセプトは大きくずれているけど、まあよしでしょう。 博士(図書館情報学)。
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