図書館史の教科書に書かれていることもある、
『格子なき図書館(Libraries without Bars)』という映画があります。
1950年にCIE(民間情報教育局)によって制作された
戦後アメリカ風図書館の機能を紹介したフィルム映画で、
日本の戦後図書館事情を理解するための資料として有名(?)なんだそうです。
兼ねてより探していた(強制的に探させていたという噂もある)のですが、
やっと視聴できる目処が着いたので記事にしたいと思います。
所蔵が確認できたのは、
東京国立近代美術館 フィルムセンターです。
所蔵といっても、フィルムセンターの所蔵検索などを使うと
引っかからないため逆に悩むことになります。
(頑張ればみつかるのかも?)
発見されたのはこれ。
「発掘された映画たち2008 CIE映画選集3」というフィルム上映企画のリストの中にあるんですね。
フィルムセンター、というより国立近代美術館のウェブサイトは
デザインが良すぎるためか少々使いにくいのですが、
画面右下の方にある「Q&A」をクリックし、
「映画フィルムへのアクセスについて」という項目を見ると
"フィルムセンター映画室までお問い合わせください"という一文が見られます。
ということで電話しますが、画面左にある「お問い合わせ」という項目は罠です。
フィルムセンターの上位組織である東京国立近代美術館の「お問い合わせ先」
を見て電話番号を確認しましょう。
代表番号から"映画室"に回してもらうと、
映画の研究者 兼 映像の視聴手続き等を管理をしている方 に繋いでもらえます。
そこで初めて映像視聴要件などがわかります。
館内の閲覧をするための条件は、だいたいこんな感じです。
・研究、調査の目的に限り閲覧可能(不特定多数への呼びかけ不可)
・個人からの利用申請は受けていない。今回は大学からの申請という扱いで。
・閲覧手数料は30分につき5250円。
・閲覧するときは火曜日から土曜日まで、10:30-18:30の間に予約すること。
・予約日の3週間前までに公印入りの申請書を提出する。
・申請書を確認した後に許可を出す
複製しようとした場合の条件はこんな感じ。
・1分につき1050円の手数料。
・公印入り申請書が必要
・複製物には映像全編にフィルムセンターのロゴマークをいれること
その他にも「フィルム貸与」という方法での上映会も可能なようですが
輸送時に保険をかけたり、フィルムを扱える技術者を用意する必要があったり、
よほどの気力がなければとてもできません。
事実上個人のやることではありません。
それと、ご存知の方は早い段階で疑問を持ったと思いますが、
この作品はパブリック・ドメインになっているはずのものです。
(たぶん。)
「映画の著作物」には公表後70年間の保護期間が与えられています。
ただし、これは2004年に施行された法改正を機に70年になっているだけで、
この時点ですでに著作権切れになっている映画の著作物は、
基本的に保護されていないはずなのです。
今回の作品は1950年に公表。つまり2000年には保護期間は切れるはず…。
複製した後は自由に使っていいんじゃないの?
インターネットに流したらダメなの? みんな喜ぶよ?
と思って尋ねたところ、
「当館としては、複製物は学内での利用を前提としておりますのでご理解ください」と。
いやはや、法ではない別の理由とは…。
デジタルアーカイブプロジェクトでも発生しない限り
自由なアクセスにはならなそうです。
そんなわけで今回は閲覧方法などを書きましたが、
来月の下旬に実際に閲覧し、月末に内容のレビューを書く予定です。
面白いとは考えにくいけど、存在意義としてはかなり興味深い1本。
きっと期待できる内容のはずです。 お楽しみに!
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